vol.6
2013年6月23日に開催された「
店づくり100人交流会」のレポートです。
(登場者)
・サローネグループ統括マネージャー 藤巻一臣さん
・アヒルストア店主 齊藤輝彦さん
・アマメリア・エスプレッソ店主 石井利明さん
・料理通信編集長 君島佐和子
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(君)
藤巻さんは、店づくりについては百戦錬磨だと思いますが、
物件を探すときの心構えって、何かあるんですか?
(藤)
わたし、歩くのが好きなんですよ。
渋谷から六本木ぐらいだったら普通に歩きます。
料理通信さんで打ち合わせをするときも、帰りはあそこから南青山まで歩いたりします。
(解説:料理通信社は新宿御苑にあります。新宿御苑から南青山、けっこう遠いです。)
(藤)
街を歩いていて「ああ、いい雰囲気だな~」と思っていると、
街の雰囲気が自分の中にしみ込んでいきます。
店探しのために歩いているわけじゃないんですけど、自分が気持ちいいな~と思う街は、
自分の感性に響く街なんですよね。
自分に合わないエリアには足が向かないし、合うエリアは頻繁に歩くようになる。
(君)
ええ。
(藤)
そうするとですね、いざ物件探しを始めて物件案内を見たときに、
「あ、ここはあの道だ!」とイメージができるんです。その時点でかなり絞り込める。
だから、自分の行動範囲外の物件情報って、あんまり見てないんですよね。
(君)
藤巻さんは、不動産屋さんはどうやって選んでるんですか?
不動産屋さんってたくさんあるけど、信用していいところって、
どうやって探していいかわからないじゃないですか?
部屋探しをしていても、「どこまで信用していいのかな?」という心境になるときがあります。
不動産屋さんの見分け方ってありますか?
(藤)
……。
不動産屋さんというのは、基本的に、お客さんは「家主」さんなんですよね。
それを履き違えてしまうことがある。
(君)
ああ、物件を借りる側じゃなく、物件の持ち主ということですね。
(藤)
そうそう。
あ、今日の参加者の中に不動産会社の人がいたら申し訳ないんですけど……。
不動産会社の方は、わたしは基本的には「敵」だと思ってるんです(笑)
(君)
あはは(笑)。敵ですか。
じゃあ、この不動産屋さんは全幅の信頼をおいても大丈夫だな、
というポイントってあるんですか? あるいはその逆は?
(藤)
不動産屋さんは基本的にはいいことしか言いません。
だから、悪い点を伝えてくれる不動産屋さんは、信頼します。
例えば内見した時に、あえて悪い情報を言ってくれたりする時があったとします。
「実はこの物件、ちょっと空調設備に問題があって……」とか。
そこにはその人の人となりが出ていると思うんです。
軸足は物件の持ち主の側にあるけど、
こっち側(物件を借りる側)のことも考えてくれている。
「空調が一度壊れているみたいなので、OPEN前に一度メンテナンスしたほうがいい」
なんてことを言ってくれるような不動産屋さんがいたら、かなり信用度があがりますね
(齊)
(うんうん、と横でうなずく)
(君)
ポジティブ情報だけじゃなくて、ネガティブ情報もくれる方ですね。
(君)
物件探しをするときは、複数の物件屋さんを探しますか?
(藤)
わたしが最初の店を作った当時はまだインターネットが普及してなくて。
あ、いや、わたしだけ普及してなかったのかもしれないけど(笑)
(君)
笑
(藤)
1998年頃で、まだ物件がインターネットに流れてなかった。
不動産屋さんを20軒くらい回りました。
物件情報を見た数は数えられない。内見(物件の中を見ること)は60軒しましたね。
(君)
ほ~。
(藤)
そうしたら、だんだん目が肥えてきた。
その中でピピっときたものに決めました。
(君)
数をみるというのも大事ということですね。
(藤)
いや、それはもう、必ずやらないといけないことだと思います。
特に居抜き物件の場合は。
(つづく)
------- 店づくり100人交流会 レポート一覧 -------
▼ 店づくりイベントレポート vol.1 「あ、この店、失敗する」
▼ 店づくりイベントレポート vol.2 「雑誌にPRする、は有効か?」
▼ 店づくりイベントレポート vol.3 「膝が、ガクガク震えた」
▼ 店づくりイベントレポート vol.4 「“住みたい街かどうか”で物件を決めた」
▼ 店づくりイベントレポート vol.5 「居抜き物件の空調が壊れた。真夏に」
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