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PEOPLE / 料理人・パン職人・菓子職人

1980年以降生まれ 注目の若手シェフ

東京・麻布十番「スブリム」 加藤順一Junichi Kato

2018.06.28

『料理通信』2018年7月号取材時点


近年、急速にボーダレス化する食の世界。国を超えて働く先を選ぶことはもちろん、ジャンル、食材、また店間の垣根を越えて、互いの哲学や素材へのアプローチに刺激を受ける1980年代以降生まれのシェフたちが増えています。資源の枯渇や高齢化社会、深刻な人材不足など、食を取り巻く課題が溢れる中、アイデアとテクニックを武器に生き抜く、新世代の料理人たちの発想はどのように生まれるのでしょうか。これからの食の世界のキーパーソンに、未来を切り拓く仕事術を一問一答で伺いました。



フランス、北欧と来て、次は日本に学ぶ番

Q1 : 食べ手の心を動かすアイデアとテクニックを、どう身につけてきたか?
A1 : 料理のベースは古典的なフランス料理、プレゼンテーションとテクニックは北欧から学びました。互いの良い所をミックスし、日本人にしか表現できない感性を加えるよう意識しています。

Q2 : 世界で働く際に、必要な資質。日本人(自分)の強みはどこにある?
A2 : 語学とコミュニケーション能力。料理以前に必要だと考えます。自国の食文化を知っていることは強味になります。

Q3 : 今、世界とどう繋がっている? 気になる世界の料理トレンドや料理人
A3 : FBやインスタなどで世界のトレンドを追いつつ、海外で働く料理人の友人たちともコミュニケーションを取っています。

Q4 : 尊敬する人とその理由(食の世界に限らず)
A4 : 「エスキス」成田一世シェフ。全ての食材に対し、真摯に向き合う姿には頭が下がります。

Q5 : 個性を打ち出すために店づくりで工夫したポイント
A5 : フランス修業時から、先輩方と違うキャリアを積みたいと思い、デンマークへ渡りました。北欧での経験が加わったことで、店の存在や私の料理に興味を持つお客様が増えていったと思います。

Q6 : スペシャリテについて。料理でもっとも大切にしていることは?
A6 : 季節感と素材感を大切にしています。発酵マッシュルームは3%の塩に漬け発酵させ、キノコから出たジュースを、同じキノコのブイヨンで割ったもの。味を足しすぎず、しかし自分らしいスタイルの味づくりができた一皿です。

Q7 : 料理人として、これからどう生きていきたいか?
A7 : ミシュランでは「イノベーティブ」の枠で星をいただきましたが、自国を表現するのが今のガストロノミー界のトレンド。今後は日本料理の技法にも学びながら、自分のフィルターを通したオリジナリティのある料理を作り、日本を代表する料理人を目指します。

photographs by Hide Urabe





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