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竹のバイオマス原料で作られた子供用食器

家族と囲む豊かな食卓と環境に寄り添う「Reale(レアーレ)」

Feature / MovementJun. 23, 2017

環境保全の観点から、石油資源を原料とし生分解性がないレジ袋利用の抑制が世界各地でうたわれ、フランスにおいては、世界で初めて、使い捨てのプラスチック製食器を禁止する法律が制定されるなど、地球規模で、再利用可能なモノや、土に還る素材の有用性が問われ続けています。
日々の暮らしのなかで選択する私たちの行動ひとつひとつが、環境と大きく結び付いていることの意識が少しずつ高まってきているからかもしれません。

そんな機運が日本でも強まってきている中、百貨店やインテリアショップから注目を集める、あるブランドがあります。
クラウドファンディングも活用しながら2016年11月に発売が実現。
瞬く間に人気を呼んでいる、日本国内の竹によるバイオマス原料を50%以上使って開発された子供向け食器、『Reale(レアーレ)』です。

『Reale』誕生の背景には、もともとヨーロッパ市場を見据えてきた経験則という強い武器を携え、子供たちの未来に願いを込めて、ものづくりを担う人々の姿がありました。


座った先に見える風景を作りたかった。




『Reale』の生みの親である富永周平さんと相楽博昭さんは、これまでいくつかのブランド展開において、デザインとマーケティング・セールスというパートナーシップで強いタッグを組んできました。共にヨーロッパの家具ブランドビジネスに携わり、そして子育て真っ最中のお父さんでもあります。

プロダクトデザイナー、インテリアデザイナーとして活躍中の富永周平さん(左)は1972年ローマ生まれ。幼少期をイタリアで過ごす。多摩美術大学絵画科卒業後に再び渡伊、家具デザインを学ぶ。以降、インテリア家具やおもちゃのデザイン等幅広い分野でものづくりに携わり、各地での個展開催など精力的な活動を続ける。相楽博昭さんは、マーケッター、バイヤー、営業マン・・・1人何役もこなし、デンマーク王室納品実績のある子供家具ブランドをはじめとしたヨーロッパのキッズ向け商品の輸入販売と、日本の優れたつくり手の製品を国内外に紹介しキッズライフスタイル市場に挑戦し続ける。ネット通販アレグリアも展開。

家族と囲む食卓に寄り添う、素敵な食器を作っていけたら・・・想いのきっかけは、デンマーク王室御用達の子供向け食卓椅子のビジネスを手掛けた経験でした。
「食卓椅子に座ったら、次に何をするか?というと、ごはんを食べるんですよね。子供たちに、座った先に見える風景を作ってあげたいと思ったんです」。

食卓椅子から繋がる豊かな食卓を囲む家族のイメージを描いた彼らは、子供用食器には、食卓椅子の数と同じだけのニーズがあるのではないか?と、その市場性に着目するようになります。さらに日本国内だけではなく、世界に広がるマーケットが存在するのではないか?と。
日本だけではなく、彼らがそれまでのビジネスで向き合ってきたヨーロッパ市場でも支持されるようなプロダクト開発に向けて、彼らは邁進しました。

離乳食用食器ブランドのデザインを手掛け、グッドデザイン賞を受賞した実績を持つ富永さんは、こう言います。
「離乳食のときには、“これが出てくればごはんだよ”という合図として、食べ物を連想させるデザインを意識しました。お皿自体に興味を持ってもらう必要があったんですよね。でも赤ちゃん期を終えて次のステージに立つ子供たちは、食べる幅が広がっていく。それは必要な食器の種類が増え、お母さんにとっても料理を作る楽しみが増えることですよね」。

自分が主役となり家族とともに食事を囲むことが嬉しくなる。ごはんを食べることがどんどん楽しくなる。そんなことを演出するひとつのツールとして、あくまでも脇役としての食器を目指しました。

お皿で気を引くのではなく、盛られた料理の色合いを、美味しさを、引き立たせられるように。
定番の“取っ手つきマグ”ではなく、大人と同じようなグラスで一緒に乾杯できて、しかも安心して持たせられるように。
食事を重ねていく中で、テーブルマナーを自然に身につけていけるように。

お皿には“シェフ”や“スーシェフ”、グラスには“ソムリエ”など、レストランで出会うネーミングが施されている。富永さんとともに携わるデザイナーのお嬢さんがお絵かきした“王冠”はそのままロゴマークに。


こうして着地したのが、子供向け食器市場ではあまり見かけることがない銀食器のフォルムになぞらえたクラシックなデザインと、大人との隔たりを感じさせないラインナップ。デザインとの親和性があり、長く向き合ってきたヨーロッパ市場への想いも重ね合わせ、「レアーレ」(ロイヤルという意味のイタリア語)と名付けられたブランドが誕生しました。


竹を利用することで生まれる循環。




『Reale』を形作る最も大きな特徴は、その原材料である竹にあります。
デザインとともに追求した原材料に対してのこだわりが、ブランドを支えることになるのです。

富永さんは、木の風合いを生かしたものづくりを積み重ねていくなかで、「カンナややすりをかけた後に、1ヶ月に何トンも出る」木くずをどうにかしていけないか、と模索する日々を過ごしていました。
そんな頃、視察で出かけるヨーロッパでよく目にするようになった、*バイオマスプラスチック素材に興味を持つことになります。

「捨てようと思っていたものでものづくりできることほど、エコなことはない」。

模索が続きました。
「日本は国土の70%近くが森林。豊かな森林があるのに材木の自給率は20%代なんです。なぜ木があるのに木を輸入するのか?悪循環ですよね」。
日本の林産物を使い、林業に携わる人も潤うことに繋がるものづくりができないだろうか?
相楽さんもまた、他国の事情をよく知っているからこそ「日本だからこそできるプロダクト」に対する思いを強くしていました。

“竹”はそんな彼らの答えとなりました。

日本各地で生育する竹は、すぐに大きくなり根を張り、森を壊しかねない存在。 厄介者扱いされるのに、使う用途が限られ、また伐採に重労働を要する竹廃材の対処は、多くの地域が抱える課題でもありました。
この“竹”であれば供給量を担保できる。しかも竹そのものが持つ抗菌作用で安全性も期待できる。
こうして、耐熱性と強度を担保できる最大限の割合まで追求し、原材料の52%を日本の竹資源にしたバイオマスプラスチックのプロダクトを実現したのです。

石油の輸入に100%頼らなければならないプラスチック製品に、国産の竹バイオマス原料を活用することが日本のスタンダードになれば、あらゆる可能性が拡がっていくのではないか。彼らはそう考えています。竹伐採は儲かるという構造も作れるかもしれない、と。

竹伐採職人の友人から『Reale』の原材料となる竹を調達することも。

富永さんは嬉しそうに語ります。
「“俺、竹伐採職人になるんだ!”って人が増えたら、なんか素敵じゃないですか」。
竹を利用したものづくりが生み出す循環に、未来への夢が重なります。

*バイオマスプラスチックとは、原料として木材・竹などのセルロースや古米、古々米など食品廃棄物等、再生可能な有機資源を使用することにより、枯渇が危惧され地球温暖化の一因ともされている石油にできるだけ頼らずに持続的に作ることができることから注目されている新しいプラスチック素材。「微生物によって最終的に二酸化炭素と水に分解されること」、「塩素を含んでいないこと」、「燃やした場合燃焼温度 が紙と同じ程度」「ダイオキシンや有害物質を大気中に放出しない」といった特徴が石油を原料とする普通のプラスチックと異なる。

海を越えて、海外市場へ。




発売から数ヶ月を経て、今もコンスタントに問い合わせがあり、全国主要百貨店を中心に取り扱いが増え続けている『Reale』。
デザイン性や機能性に加え、環境に配慮したものづくりが支持されている確かな手応えを感じています。

「グッドデザイン賞の評価傾向も、モノよりコトのほうが強くなってきています。」と富永さん。
相楽さんも重ねます。
「**アンビエンテに行った際、アジアの中でも中国や韓国の進出は目覚ましいなか、日本からの出展ブースは数えるほどだったんです。その様子をみていて、日本のいいモノをもっと輸出したい、技術もデザイン力も備わったプロダクトが世界に羽ばたいてほしいと感じました。バイオマスの素材は、フランスから出始めていましたが、その多くは中国が下請けを担っていて、自分たちでは作れない。日本には竹がある。勝算があるな、と。」

彼らは近い将来、環境配慮型のものづくりや法的整備が先行しているヨーロッパ市場へ挑もうとしています。
「未来を担う子供たちに、食べる風景を、そして自然を残したい」。
その想いは国境を越え、海外へ。
日本人の生活に古くから深く根差してきた“竹”を使った、ジャパンメイドの美しく意義ある食器たちが、世界の子供たちの食卓を輝かせる日もそう遠くないかもしれません。


**ドイツ・フランクフルトで毎年開催される世界最大規模の国際消費財見本市





問合せ先
株式会社さがら

☎ 03-6277-2417
http://www.allegria-store.jp

Le Storie Inc.(レ・ストーリエ)
http://www.lestorie.co.jp/
 









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