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食のバリアフリープロジェクト:FREEなレシピ

心理的な充足を意識する。

Feature / MovementNov. 16, 2017

photographs by Tsunenori Yamashita

代替パスタを使うよりも、様々な食材を駆使して満足感を与えることでグルテンフリーに対応するのがリストランテの仕事です。「リストランテ センソ」の近藤正之シェフに、その手法を教わりました。


ハンデを何で乗り越えるか?

イタリア時代、シェフを務めていた店ではメニューがアラカルトでしたので、特にグルテンフリー対応の必要がありませんでした。グルテンアレルギーのお客様がいらっしゃったとしても、パスタではなくリゾットやニョッキを選んでくださっていたんですね。
でも、この店はお任せコースですので、必ず事前にアレルギーの有無をお聞きして、個別に対応しています。それはグルテンアレルギーに限った話ではありません。食べられない食材を別の食材に替えて、あるいは別の料理に替えて、その方のためのコースを成立させる。旬もありますし、コース全体の流れやバランスも考慮しなければなりませんから、単なる食材の差し替えでは済まない作業です。

コースの初めのスナックと最後の小菓子には小麦粉を使っているため、グルテンアレルギーのお客様には、まずそれらを別の品で構成します。手段としてはフルーツを使うことが多いですね。
肝心のプリモピアット、イタリア料理の見せ場のひとつであり、味わいどころと言えるパスタをグルテンフリーで実現するのは、正直なところ、むずかしいと言わざるを得ません。パスタのおいしさが、もちもちっとした弾力、あの歯応えに負っているのは疑いようのない事実。それって、グルテンによって生み出されるわけですから、グルテンがNG、つまり、あの食感を諦めねばならないのは、間違いなくハンデでしょう。それと、小麦の香りもパスタが与えてくれる喜びのひとつ。どんなにソースが優れていようと、パスタはやっぱり麺あればこそなんですね。グルテンフリーの粉でパスタを作ろうと、ヒヨコ豆の粉で打ってみたこともありますが、別物でした。

では、何で満足感を与えるのか?
ひとつには、オーソドックスな料理として提供するということ。下の写真の料理のように、パルミジャーノ、トリュフ、バターといったイタリア料理らしいリッチな食材を使って、イタリア料理を食べているという心理的な充足を醸成することは重要です。
もうひとつは、パスタに相当するパーツの食べ応えをしっかり作ること。ニョッキは本来、もちもち感を出さないことをよしとしますが、このような場合、あえてコーンスターチをしっかり混ぜて、もっちりした食感に仕立てます。焼き目を付けて、風味もプラスしました。
ビーツのピュレのシートで作るラビオリは、見た目も味わいもヴィヴィッド。メリハリが効いて、インパクトも満足感も十分です。

「リストランテ センソ」近藤正之シェフ

イタリア料理は、チーズやクリームといった乳製品を多用するため、案外、グルテンアレルギーより乳製品アレルギーへの対応が大変だったりします。その場合は主に豆乳を使いますね。
アレルギーには全面的に対応していますが、主義主張としてのヴィーガンにはあまり賛同できないなというのが、僕の正直な気持ちです。

イタリア時代、畑で野菜を育てていたこともあって、植物を身近な存在として感じる僕にとっては、野菜も生き物。植物と動物の差を感じられないのです。野菜だって、切られれば痛いはずです。
生き物はみな、他の生き物の命を絶って摂取することで、自分の命をつないでいく。人間、生き物を食べなければ、生きていけない。命をいただくということにおいては動物も植物も同じで、であれば、万遍なくいただくべきではないか。それが生態系のありようではないか、そう思えてならないんですね。
健康体でなんでも食べられる身体ならば、おいしく食べることが大事、僕はそう思います。

<RECIPE>

(料理・上)
■ビーツフィルムのラビオリ、リコッタを詰めて
鴨胸肉のソテー添え
(4人分)

ビーツのピュレをフィルム状にしてラビオリに。ピュレから抽出した水分や、皮を粉砕して作るパウダーなど、ビーツを様々な形に変えてあしらうことで、味わいの厚みと広がりを出している。

◎ビーツのピュレ
ビーツ……500g
塩、砂糖、E.V.オリーブ油……適量
1 ビーツをアルミホイルで包み、150℃のオーブンで1時間焼く。
2 皮を剥き(皮は取っておく)、ミキサーでピュレ状にし、塩、砂糖、E.V.オリーブ油で調味する。

◎ビーツのフィルム
ビーツのピュレ……150g
1 ビーツのピュレをシルパットの上にごく薄く(約1mm厚さ)伸ばして、70℃のオーブンで3時間乾燥させる。
2 冷まして、5cm角の正方形に切り揃える。

◎ビーツ水
ビーツのピュレ……200g
ビーツのピュレを布巾で包み、水分を搾り出す。

◎ビーツのパウダー
ビーツの皮……適量
(ピュレを作る時に取っておいたもの)
ビーツの皮を60℃のオーブンで一昼夜乾燥させる。ミキサーで粉砕し、パウダー状にする。

◎リコッタチーズの詰め物
リコッタチーズ……150g
塩、E.V.オリーブ油……適量
1 リコッタチーズをペーパーに包み、水気を切る。
2 器に入れて、塩、E.V.オリーブ油と混ぜ合わせる。

◎リコッタチーズのソース
リコッタチーズ……100g
生クリーム……50g
牛乳……50g
塩……適量
E.V.オリーブ油……適量
全材料をボウルで混ぜ合わせて、漉し器で漉す。

◎鴨胸肉のソテー
鴨胸肉……1枚
塩……適量
サラダ油……適量
バター……適量
1 鴨肉に塩をして、サラダ油を熱したフライパンで皮目から焼く。
2 皮目が焼けたら、サラダ油、バターを足して、肉を返して両面を軽く焼く。
3 58℃のオーブンに30分ほど入れる。

◎盛り付け
1 ビーツのフィルムの中央にリコッタチーズの詰め物大さじ1をのせ、包むように四隅を止める。1皿につき3個用意する。
2 ビーツ水を霧吹きで皿に吹き付ける。
3 ビーツのピュレ少量をパレットナイフで皿に撫で付ける。
4 リコッタチーズのソースをランダムに垂らす。
5 ビーツのパウダーを全体にふる。
6 1とスライスした鴨肉のソテーを盛り、デトロイト、エディブルフラワー(共に分量外)を添える。

■焼きニョッキ、パルミジャーノ・レッジャーノ、サマートリュフ、バターの泡
(4人分)

イタリア料理らしい食材の組み合わせがストレートに喜びを誘う。ニョッキはあえて歯応えを出し、焼き目を付けて。バターやチーズのコクが満足感を高めてくれる。

◎ニョッキ
男爵イモ……200g
塩……2g
パルミジャーノ・レッジャーノ(パウダー)……20g
卵……50g
コーンスターチ……50g
E.V.オリーブ油……適量
1 男爵イモをかぶる程度の塩水(分量外)と共に鍋に入れ、柔らかくなるまで茹でる。
2 水気を切って、180℃のオーブンで15分焼く。皮をむいて、裏漉しをする。
3 塩、パルミジャーノ、卵、コーンスターチを加え、よく練る。
4 ラップをして、冷蔵庫で1時間休ませる。
5 長径3cm弱の楕円に成形して、フォークで飾りを付ける。
6 たっぷりの湯で茹で、氷水で冷やす。
7 フライパンにE.V.オリーブ油を熱して、両面が色付くよう中火で焼く。

◎パルミジャーノ・レッジャーノクリーム
生クリーム……100g
牛乳……50g
パルミジャーノ・レッジャーノ(パウダー)……120g
1 生クリームと牛乳を鍋に入れ、沸騰させる。
2 火から下ろし、パルミジャーノを加え溶かす。
3 再度沸騰させて、漉す。

◎トリュフパウダー
(作りやすい分量)
トリュフ……1個
トリュフを60℃のオーブンで一昼夜乾燥させて、ミキサーにかけて粉砕し、パウダー状にする。

◎パルミジャーノのチップス
パルミジャーノ・レッジャーノ(パウダー)……20g
E.V.オリーブ油……2~3滴
1 オーブンシートに円形にパルミジャーノ・レッジャーノパウダーを振る。
2 1にE.V.オリーブ油を垂らし、500wの電子レンジで30秒加熱する。

◎バターの泡
(作りやすい分量)
バター……140g
水……160g
生クリーム……40g
塩……2g
大豆レシチン……4g
1 焦がしバターを作る。フライパンにバターを溶かし、軽く焦げ目が付いて、香ばしい香りがするまで加熱する。火から下ろし、粗熱を取る。
2 水、生クリーム、塩を混ぜ合わせ、1と大豆レシチンを加えてミキサーで攪拌し、ふわふわの泡を作る。

◎盛り付け
1 皿に、パルミジャーノのクリームを垂らし、トリュフパウダーをふる。
2 ニョッキを盛り、スライスしたトリュフ(分量外)、パルミジャーノのチップスを散らし、バターの泡を添える。





◎ リストランテ センソ
東京都港区白金台5-17-10
SHIROGANEDAI THE 2000 B1F
☎ 03-5449-6777
18:00~21:30LO
土曜のみ12:00~14:00LOも営業
日曜、第2月曜休
昼5000円~、夜11000円~
カード可、20席、禁煙
東京メトロ白金台駅より徒歩5分
http://www.ristorantesenso.tokyo/









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