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「ソラリス」に見る日本ワインの行方(全2回)

vol.2 テイスティング編

May. 12, 2016

text by Kei Sasaki / photographs by Hide Urabe





さぁ、いよいよテイスティング。スパークリングから白、赤、甘口、そして古酒まで、幅広いラインナップを通して見えてきたものとは?


「ソラリス」でフルコースが楽しめる。


マンズワインが「日本のブドウを使って世界で勝負できるワインをつくりたい」と立ち上げたプレミムワイン「ソラリス」シリーズ。シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨンの欧州系品種で造るワインを筆頭に、自社交配品種・信濃リースリングで造る辛口と甘口、古酒甲州など、幅広いラインナップが揃います。「メルローにも千曲川と小諸があり、カベルネ・ソーヴイニヨンでは信州と信州東山がある。価格にして7000円台のトップキュヴェから3000円台まで。さらに小諸のメルローと東山のカベルネ・ソーヴィニヨン、共に高品質なブドウができた年のみ、両者をアッサンブラージュして造る1万円台のマニフィカも。トップキュヴェは10年、20年と熟成させたくなるポテンシャルがあり、比較的手頃なものは家庭料理にも合わせやすい。いろんな楽しみ方をしていただけると思います」と醸造責任者の島崎大さん。

瓶内二次発酵で造られるスパークリングワイン、フレッシュな白、コクのある白、ミディアムボディの赤、フルボディの赤、そして甘口まで「ソラリス」でフルコースが楽しめるラインナップ。


国際品種で評価を獲得する。


「ラインナップ自体に世界と闘う意志を感じますね」と、ソムリエの亀山和也さんは言います。日本ワインが浸透するにつれて、日本ワインの独自性を追求する志向が高まりました。甲州やマスカット・ベーリーAといった固有品種がクローズアップされるのは、その表れと言えるでしょう。しかし、「ソラリス」は頑として欧州系品種主体のグローバルスタンダードを貫きます。

「国際品種で評価を獲得しないことには、グローバルな土俵自体にのれないから」とは島崎さん。世界共通の品種の個性を的確に表現する。基本に忠実に、妥協のない仕事を重ねて、高品質なワインを造る。その中で初めて産地の個性が見えてくる――グローバルスタンダードを目指す意識が、これから先の日本ワインの発展を支えていくと、島崎さんは考えます。

島崎さんの眼差しの先にはいつも世界があります。甲州はあえて古酒にすることで、ボディのある酒質に仕立てて提示する……。長年培った醸造の技と力をフルに投入して、日本の土壌に立ちながら、欧州に引けをとらない味わいへと仕立ててきたのです。

ワインの解説をする島崎さんの表情は、それぞれのヴィンテージの苦労や喜びをじっくりと思い返しているかのよう。

テイスティングの途中で、亀山さんが「おっ」と表情を変えたのは、「ソラリス 信州 ソーヴィニヨン・ブラン 2015」と「ソラリス 信州 千曲川産 メルロー 2011」でした。「価格的に手頃な千曲川産 メルローやソーヴィニヨン・ブランに、クオリティの高さのみならず、味わいの鮮やかさや際立つ個性を感じますね」フラッグシップの「ソラリス 信州 東山 カベルネ・ソーヴィニヨン」がどれだけ優れていようと、それは当たり前。気軽に飲めるワインにおいて味わいが冴え渡る事実が、島崎さんの造りの精緻さを物語ります。

ソムリエにとって、日本ワインの知識を得ること、造り手たちの考えや苦労を知ることは、これからの時代に欠かせません。


頑固さが支えるクオリティ。







「きれいに造る。これがマンズワインの伝統です。時々、きれいすぎて面白みがないと言われることもあるけれど(笑)、雑味を“複雑さ”や“キャラクター”といった言い訳にしたくない」。「ソラリス」が2001年のリリース直後から高い評価を得て、“選抜クラスの優等生”として存在し続けてきたのは、島崎さんのこんな頑固さ(!)が支えているのかもしれません。







~テイスティングノート~


ソラリス 信州 シャルドネ メトッド・トラディショネル・ブリュット 2009 価格6500円(税別)

島崎
「小諸の契約栽培地のシャルドネ100%を使用し、瓶内二次発酵でつくったブラン・ド・ブランのスパークリングワイン。2010年に瓶詰めし、2016年にデゴルジュマン。2008年ヴィンテージは、2015年の日本ワインコンクールでパークリングワインカテゴリー金賞&部門最高賞を受賞しています」

亀山
「シャルドネに由来する果実感と、トーストやブリオッシュの香りがバランスよく溶け合ったキレある辛口スパークリング。泡立ちもきめ細やかです」

〈亀山さんのマリアージュ提案〉

食材 : 甲殻類、貝類、メロン、洋ナシ、柑橘、ヘーゼルナッツ、クルミ
料理 : ホタテ貝とヘーゼルナッツのタルタル、オマールエビのテリーヌ

ソラリス 信州 シャルドネ 2015  価格 3500円(税別)

島崎
「小諸地区の厳選したシャルドネを使用し、ステンレスタンクで発酵させた辛口白ワイン。破砕後、圧搾機内での約1時間のマセレーションにとどめ、フレッシュな酸味を生かして仕上げています。“最小限のマセレーション”という仕込みの特徴をワイン名に“マセラシオン・リミテ”として2014年ヴィンテージまで盛り込んでいましたが、2015年から外しました」

亀山
「わずか1週間前に瓶詰めした(3月25日の試飲時)ばかりとあって、若々しくフレッシュな印象。ブルゴーニュの上質なシャルドネを彷彿とさせます」

〈亀山さんのマリアージュ提案〉

食材 : 生のヒラメ、鶏肉、ホワイトアスパラガス、カブ、甲殻類
料理 : ホワイトアスパラガスのオランデーズソース

ソラリス 信州 ソーヴィニヨン・ブラン 2015  価格 3500円(税別)

島崎
「2011年がファーストヴィンテージの新アイテム。小諸ワイナリーの南にある畑で収穫したソーヴィニヨン・ブランを、収穫後すぐに圧搾し、ステンレスタンクで発酵。シュール・リー状態で貯酒し、今年2月に瓶詰めしました」

亀山
「これぞソーヴィニヨン・ブランというハーブやパッションフルーツの香りが特徴的。品種の個性がありながら、野暮ったさはなく、現代の嗜好に合った洗練されたワインだと思います」

〈亀山さんのマリアージュ提案〉

食材 : タイム、ローズマリー、白身の魚(焼いたもの)、グリーンアスパラガス
料理 : グリーンアスパラガスのポッシェとポーチドエッグ ハーブのサラダ添え

ソラリス 信濃リースリング 辛口 2015  価格 3500円(税別)

島崎
「信濃リースリングは、マンズワインが生み出したシャルドネとリースリングの交配品種。シャルドネの栽培しやすさとリースリングの華やかさを併せ持つのが特徴です。芳醇な香りや酸味など、リースリングの魅力が生きています」

亀山
「アルザスのリースリングに特徴的なペトロール(重油)香があり、品種の個性をしっかり感じます。軽やかで和食にも合いそうです」

〈亀山さんのマリアージュ提案〉

食材 : 貝類、シャルキュトリー、ウズラ
料理 : パテ・アンクルート、ウズラのロースト マスカット添え

ソラリス 信州 シャルドネ 樽仕込 2014  価格 5000円(税別)

島崎
「小諸ワイナリー周辺で栽培されているシャルドネの中から上質なものを厳選し、樽を使った伝統的な方法で醸しています。以前より新樽率を下げ、シャルドネの繊細な香りや風味を生かした造りにシフトしています」

亀山
「フレッシュさを残しつつ、樽発酵ならではの複雑さ、奥行きがあります。ブルゴーニュの高級白ワインのようなリッチさ、喜びを感じさせるワインだと思います」

〈亀山さんのマリアージュ提案〉

食材 : 甲殻類、白身の魚(ムニエル)、仔牛、ホロホロ鳥、キジ、キノコ類、ナッツ類
料理 : 舌平目のムニエル 茸のフリカッセ

ソラリス ユヴェンタ ルージュ 2012  価格 3500円(税別)

島崎
「ソラリスのセカンドワイン。年によってはカベルネ・ソーヴィニヨンをブレンドしますが、このヴィンテージはメルロー100%。2012年は赤が良かった年ですね。若いうちから楽しめる親しみやすさとボディを併せ持っています」

亀山
「3000円台とは思えない完成度。ロースト香が複雑さを生み、タンニンは滑らかでありながら、しっかりとしたボリューム感もあります」

〈亀山さんのマリアージュ提案〉

食材 : 豚肉、マグレ鴨、プルーン
料理 : ローストポーク プルーンのチャツネとマスタード添え

ソラリス 信州 千曲川産 メルロー 2011  価格 5000円(税別)

島崎
「マンズワインの欧州系ブドウ栽培の中でも歴史のある千曲川流域のメルローを使った赤ワイン。ソラリスシリーズの原点とも言えるワインです。メルローが持つきめ細やかなタンニンをしっかり引き出し、滑らかでバランスのいい味に仕上がっていると思います」

亀山
「色調からはわずかな熟成のニュアンスを感じ、タッチは柔らかで、今飲んでも十分おいしい。メルロー種の個性に信州のテロワールが溶け込んだような独特の味わいです」

〈亀山さんのマリアージュ提案〉

食材 : 牛フィレ、鳩、昆布(だし)、鰹節
料理 : 鳩のロースト ピストゥとソースサルミ、肉じゃが

ソラリス 信州 カベルネ・ソーヴィニヨン 2012  価格 5000円(税別)

島崎
「マンズワインの栽培地の中で最もカベルネ・ソーヴィニヨンの栽培に適した上田市塩田平地区のブドウを使っています。約19か月の樽熟成を経てリリースされる、複雑で骨格のしっかりしたフルボディの赤ワインです」

亀山
「カベルネ・ソーヴィニヨンの特性である黒いベリー系の色素と香りがあり、タンニンは細やか。ボリュームがありながら、滑らかで心地良い飲み心地です」

〈亀山さんのマリアージュ提案〉

食材 : 仔羊、ニンニク、醤油
料理 : 仔羊フィレ肉 香草パン粉焼き

ソラリス 信州 小諸 メルロー 2012  価格 7000円(税別)

島崎
「小諸市の中でも最高区画にあたる大里地区のメルローを使った、メルローのトップキュヴェ。通常の1/3まで収量制限し、厳しい選果を行い、極限まで質を追求しました。熟成にはフランス産の新樽のみを使用。秋に雨が少なかった2012年はしっかりとした凝縮感があります」

亀山
「濃厚さとふくよかさを併せ持つメルローの良さがすばらしく表現されています。今すぐ飲むのはもったいなく思うほど、熟成のポテンシャルを感じます」

〈亀山さんのマリアージュ提案〉

食材 : 牛肉、トリュフ、ジャガイモ
料理 : 牛フィレのポワレ ソースペリグー

ソラリス 信州 東山 カベルネ・ソーヴィニヨン 2013  価格 7000円(税別)

島崎
「上田市塩田平東山地区は、マンズワインがカベルネ・ソーヴィニヨンの最高適地として選んだ畑です。ボルドーのトップシャトーの基準で収穫、選果を行い、発酵後は新樽のみで熟成させています。フルボディの辛口赤ワイン」

亀山
「堂々たる風格、重量感がありながら、華やかさもある。タンニンが細やかで、10年、20年の長期熟成の可能性を感じながら、今飲んでもおいしい」

〈亀山さんのマリアージュ提案〉

食材 : 牛肉、仔羊、鹿肉
料理 : ジビエのトゥルトゥ カシスソース

ソラリス 信濃リースリング 甘口 2015  価格 3500円(税別)

島崎
「信濃リースリングを使った甘口白ワイン。果汁の1/4量を冷凍保存し、瓶詰前にブレンドするドイツの伝統的な甘口ワインの製法で造っています。低温で発酵させることで、品種由来の爽やかな香りも存分に引き出しています」

亀山
「辛口にもあったリースリング由来の華やかな香りをしっかり感じます。フルーティで凝縮感のある甘味が楽しい、みずみずしい甘口ワインです」

〈亀山さんのマリアージュ提案〉

食材 : フォワグラ、アプリコット、アンディ―ヴ
料理 : フォワグラのテリーヌ

ソラリス 古酒 甲州 2005  価格 5000円(税別)

島崎
「ソラリスシリーズの中で、唯一、山梨県甲府盆地産の遅摘み甲州種を使用したワイン。当たり年の2005年に仕込み、タンクで10年育成させました。熟成感がありながら、まだまだフレッシュさも感じさせる貴重なワインです」

亀山
「深い色調にも味にも熟成感が表れていますね。甘味と酸味が混然一体となった中に、甲州由来の渋味、ミネラル感もしっかり感じます」

〈亀山さんのマリアージュ提案〉

食材 : 鶏肉、藻塩、カラスミ、柚子
料理 : 焼き鳥、ガルビュール、ポトフ

ソラリス 信濃リースリング クリオ・エクストラクション 2014  価格 5000円(税別)

島崎
「収穫したブドウを凍らせてから搾ることで、香味の良い最高の果汁だけを抽出するクリオ・エクストラクション製法で造っています。1本のワインに必要なブドウの量は3キロと通常の約3倍。マンズワインの甘口ワインの最高峰です」

亀山
「良いブドウを凝縮した、濃厚で上品な甘味があり、チーズと一緒に楽しみたいワインですね。フレッシュチーズと合わせてデザート的に楽しむもよし、ややクセのあるウォッシュ系と合わせても陶酔的なマリアージュが楽しめそうです」

〈亀山さんのマリアージュ提案〉

食材 : フロマージュ・ブラン、シャウルス、ブリア・サバラン、マンステール、エポワス、メロン、フォワグラ



◎オーグ ドゥ ジュール ヌーヴェルエール
http://www.augoutdujour-group.com/no/index.html
東京都千代田区丸の内1-5-1
新丸の内ビルディング5階
☎ 03-5224-8070
Lunch 11:00 ~ 15:00 (13:30 L.O.)
Dinner 18:00 ~ 23:00 (21:30 L.O.)

丸ノ内線「東京」から地下道直結 徒歩2分
都営三田線「大手町」から地下道直結 徒歩4分







ご紹介した製品等について詳しくはこちらをご覧ください。

マンズワイン ソラリス
http://www.kikkoman.co.jp/manns/brand/solaris/

マンズワイン
http://www.kikkoman.co.jp/manns/

キッコーマン
http://www.kikkoman.co.jp/







「ソラリス」に見る日本ワインの行方(全2回)
Vol.1 醸造責任者 島崎大さんの仕事編はこちら











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