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おいしいパルマハムの極意

パルマハム・スペシャリストに弟子入り

Feature / MovementNov. 6, 2017

text by Kaoru Minokoshi / photographs by Hide Urabe

当サイトでお知らせした「パルマハム・スペシャリスト*を志す熱い食のプロ募集!」にたくさんのご応募をいただきました。選ばれたのが、仙台のサルメリア「コメスタ」の千葉元気さんです。9月、千葉さんのために、日本人唯一のパルマハム職人・多田昌豊さんと東京恵比寿の人気イタリアン「ペレグリーノ」の高橋隼人シェフが、仙台まで出張授業。
2人のパルマハム・スペシャリストに1日弟子入りした千葉さん、パルマハムの扱い方と提供法を学びました。

*パルマハム協会では、良質なパルマハムを見極め、ベストな状態で提供し、かつパルマハムの魅力を語り伝えられるプロフェッショナルを「パルマハム・スペシャリスト」と認定しています。

教える人・元パルマハム職人多田昌豊さん(右)
日本人唯一のパルマハム職人。大学の卒論は「パルマハム・サンダニエレハムの化学的微生物学的安全性」。イタリアで9年間パルマハム職人として働いた後、岐阜でパルマの製法による国産豚のハム造りを行なう。

教わる人・サルメリア「コメスタ」千葉元気さん(左)
「パルマハムの本当のおいしさを広めたい」と2016年10月にサルーミ専門店「サルメリア コメスタ」を開店。欧州産を中心にハムやサラミを常時10数種類揃える。

トリミングの原則は「おいしくない部分を取り去る」




千葉:パルマハムのおいしさに魅せられて、1年前、サルーミの専門店をオープンしました。今日はよろしくお願いします。
多田:じゃあ、トリミングから始めよう。原則はおいしくないところを取り去ることです。真空パックから取り出したらまず、表面に塗られたスーニャを削り取ります。製造工程で塗るスーニャ(乾燥防止用のパテ。原料は豚の脂、米粉、塩、コショウ)の臭いが残っていないか、確認しながら、拭き取ってください。続いて、黄色く変色した脂を切り取ります。変色は酸化した証拠だから、きれいに切り取っていきます。
千葉:どこまで切っていいのか、なかなか判断できなくて……。
多田:酸化した脂は、食べるとイガイガする。味で覚えるといいね。場合によっては、白い部分も多少トリミングすることもあります。脂が多いのを好まない人もいるからね。肉の面積に対して脂が必要以上に多ければ、減らしてもいい。さらに言えば、肉質にもよります。水分が少なめで硬い肉質なら、脂を多めに残したほうがおいしい。バランスを考えてトリミングすることが大切です
千葉:そこまで考えてナイフを入れるんですね。勉強になります。
多田:次に乾燥した肉の表面を切り取り、骨膜が残っていたらそれも取る。残っているとスライス時にジャリジャリと音がして、食べた時に小骨みたいに当たるから。血管は血やカビの臭いのもとで見た目も悪いので、丁寧にえぐり出し、完全に取り除きます。皮はスライスする分だけ剥きます。皮はパルマハムを酸化から守る大切なパーツだけれど、お客さんに提供する分に入ってはいけない。必ずスライスする分だけナイフで剥きます。口に入れた瞬間、花が開くように。

教える人・「ペレグリーノ」高橋隼人さん(左)
イタリア・エミリア=ロマーニャ州で修業の後、「ペレグリーノ」(東京・恵比寿)開店。6席限定で調理からサービスまで1人で行なう。前菜に必ずパルマハムを組み込み、客前のスライサーで切りたてを提供。

スライサーは日々清潔に保ち、刃を研ぐことが重要




高橋:では、スライスしてみましょうか。スライサーは日々、付着した脂を拭き取って清潔に保ち、刃も研いでください。これも味をよくする重要なポイントです。手動スライサーは、最低限の刃の回転数で切れるから、熱を持ちにくく、脂が溶けない。電動は回転数が多く、1つの面に刃が何回も当たるから、肉の赤身が若干ざらつくし、熱が発生して脂が溶ける。その分、舌にのせた時にストレートに味を感じます。
千葉:どちらがいいんでしょう?
高橋:自分の提供の仕方に合うほうを選べばいいですよ。千葉さんは手動をお使いですね。今日は揚げたてのトルタ・フリッタにのせたり、焼きたてのピアディーナに挟みますから、手動がいい。できるだけ薄く、滑らかにスライスしてみましょう。
千葉:提供方法に合わせて切り方を工夫するんですね。
多田:切る前のパルマハムは、いわば花のつぼみ。口に入れた瞬間に花が開くように、室温や皿の温度、スライサーの熱、切ってから口に入るまでの時間、すべてを計算に入れて扱うことが大切です。
高橋:ただ切って出すだけでは、パルマハムの魅力は伝え切れませんよね。知識と技を身に付けることで、魅力を十分生かせるようになる。
千葉:そうなんですね。教えていただいた知識とテクニックを、明日からさっそく生かして、僕もパルマハム・スペシャリストを目指します。

トリミングの極意
酸化した脂と筋を取り除く

脂の黄色く変色した部分を切り取る。肉の面積とのバランスを見て、脂が多ければさらに取る。表面の乾燥した箇所、硬い筋や血管、カビも丁寧に取り除く。皮はスライスする分だけ剥き取る。

スライスの極意
向こうが透けて見える薄さ

肉の繊維を断つ向きに、透けるくらい薄くスライス。性質の異なる様々な部分がひと口で味わえるよう、面を広くスライスして、1枚の重量6~7gに。刃は付着した油膜を拭き取り、日々研いでシャープに保つ。

盛り付けの極意
空気を抱き込ませてふんわりと

スライスする度に指先で受けて、皿に置く。ベタッと密着させないよう、ハム同士が密着しないよう、ふわっと空気を抱き込ませて盛り重ねる。舌にのせた時に味が開くように皿の温度にも気を配る。



◎ サルメリア「コメスタ」
宮城県仙台市青葉区大町2-11-13今泉コーポ旧館1F
☎ 022-796-8726
10:00~22:00(土日祝8:00~)
火休





[パルマハムに関するお問い合わせ先 ]
パルマハム・インフォメーションセンター(旭エージェンシー内)
info@parmaham.org
☎ 03-5574-7834





パルマハムとトルタ・フリッタ




ぷっくり膨れた揚げ生地は、サクッ、ホコッの食感も心地良く、小麦とバターの香りが立ち上る。パルマハムをくしゅっとまとめてのせると、生地の熱で脂がじんわり溶けて、おいしさ倍増。

「トルタ・フリッタ」材料(10人分)
中力粉(カプート「マニトバ・オーロ」ゼロ粉)……250g
塩……3.75g
牛乳……120g
生イースト……12g
発酵バター……40g
揚げ油(太白ごま油、紅花油、サラダ油など)……適量

作り方
1 粉と塩をボウルに入れ、よく混ぜ合わせる。
2 牛乳を30℃程度に温め、細かくほぐした生イーストを加えて軽く混ぜる。
3 バターを1cm角に切って2に加え、表面のみ軽く溶かす(常温に戻したバターなら、加熱の必要なし)。
4 1のボウルの中身を片側に寄せて半分空け、3を入れる。
5 指3本を使って粉類と液体を少しずつ混ぜていく。水分が行き渡ったら、ざっくりと大きく混ぜる。
6 小さなダマがなくなったら、手のひらの付け根で押し、半分に折ってまた押すことを繰り返してなめらかにし、ひとまとめにする(こねすぎてグルテンが出ないよう注意)。
7 ラップに包み、常温で1時間ほど発酵させる。ラップがパンパンに膨らんだら完了。すぐに使わない場合は、冷蔵庫で半日程度保存できる。
8 生地を手で潰し、打ち粉をふった台に置き、麺棒で2.5mm厚さに四角く伸ばし、横に三つ折り、縦に二つ折りし、2mm弱の厚さに伸ばす。
9 生地用カッターで約5cm四方に切り分ける。
10 鍋に揚げ油をたっぷり満たし、約160℃に熱して生地を入れる。時々沈めながら揚げ、ぷっくり膨らんで中が空洞になったら、最後は色づけと油切れをよくするために強火に。
11 油をきって、熱々を提供。

パルマハムとピアディーナ




エミリア=ロマーニャの薄焼きパン、ピアディーナに、パルマハム、モッツァレッラと野菜を重ねたり、挟んだり。生ハムは主役の具材でありながら、質の良い脂と塩気が調味料の役割も果たす。

「ピアディーナ」材料(10人分)
中力粉(カプート「マニトバ・オーロ」ゼロ粉)……250g
塩……3.75g
ナチュラルミネラルウォーター(硬水・ガス入り「フェッラレッレ」)……140g
発酵バター……40g
サラダ油(または太白ごま油、紅花油など)……少量

作り方
1 粉と塩をボウルに入れ、よく混ぜ合わせる。
2 鍋に水の半量と5mm角に切った発酵バターを加え、火にかけて30℃程度に温める(常温に戻したバターなら加熱の必要なし)。火から下ろし、残りの水を加える。
3 1のボウルの中身を片側に寄せて半分空け、2を入れる。
4 指3本を使って粉類と液体を少しずつ混ぜていく。ぽろぽろした状態になったら、手のひらの付け根で押しながら、残りの粉を生地の中に混ぜ込んでいく。
5 粉気がなくなったら台に取り出し、打ち粉をふって、張りと弾力が出るまでこねる。
6 ラップに包み、常温で1時間ほど発酵させる。ラップがぱんぱんに膨らんだら完了。すぐに使わない場合は、冷蔵庫で半日程度保存できる。
7 生地を55~60gずつに分け、それぞれ丸める。
8 7を台にのせ、打ち粉をふって、麺棒で透けるくらい薄く、円形に伸ばす(直径約15cm)。
9 フライパンに油をごく薄く塗り伸ばし、強めの中火~弱めの中火で焼く。フライパンを絶えず揺り動かしながら、大きく膨らんだ箇所を潰しつつ、何度か表裏を返して焼き上げる。











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