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365日、名水生活
~北海道・東川町~

旭岳の源水が支える暮らし

Feature / SdgsAug. 6, 2018

photographs by Hide Urabe

浄水器に通した水やペットボトルに入ったミネラルウォーターが暮らしの水として全国に浸透するなか、今も、蛇口から出た水がそのまま「おいしい水」として飲める地域があります。北海道のど真ん中、上川郡東川町です。人口8000 人の町の名水生活を訪ねました。



水道水がナチュラルミネラルウォーター

水源は大雪山国立公園の入口にある。



近隣の町からやってきたのか、ポリタンクで水を汲みにくる人の姿も。



旭川空港から車で10分。北海道のど真ん中に位置する東川町は、北海道の屋根とも称される大雪山連峰の中で、最も標高の高い旭岳を抱く。雄大な自然は国立公園にも指定され、なかでも東川町は平成の名水百選にも選ばれた「大雪旭岳源水」を擁する水の町だ。1分間に4600Lもの水が湧き出る源泉は、大雪山連峰の雪解け水が長い年月をかけて濾過されたもの。北海道で唯一、東川町だけに上水道の設備がないのは、この地下水(ナチュラルミネラルウォータ)だけで全戸の生活水が十分まかなえるからだ。



東川町の平地はほとんどが水田。秋の収穫期は黄金色に染まる。



水の町だけあって、東川町は道内随一の米どころとしても知られる。町の中心から山際まで、見渡す限りの田んぼが広がり、夏の夜には蛙の合唱が聞こえてくる。「JAひがしかわ」のキャッチフレーズは〝みずとくらす。〞。組合長の樽井功さんがこんな話をしてくれた。

明治28 年に富山から東川に入植した開拓民の子孫、樽井功さん。



JAひがしかわ
東川町では「ゆめぴりか」や「ななつぼし」などを栽培。地域団体商標登録をとり、「東川米」として流通させている。一等米のクオリティをさらに高く維持するため、独自に4段階の規定を設け、水の恩恵だけに甘えない志の高い米作りに町全体で取り組んでいる。



「3粒の米を実らせるためには、500mlの水が必要です。ごはん一膳が30000粒と言われますから、5000Lの水が使われている計算になります」
米が水の賜物であることがよくわかる。



おいしい水は、様々に姿を変えて、町を潤す

玄米メインの創作おむすび「ちゃみせ」を営む千葉紘子さん。町の人気店だ。



その米を地元の水で炊けば、もっとおいしいおむすびが作れるはず、と隣町から移住してきたのが「玄米おむすび ちゃみせ」の千葉紘子さんだ。東川町は週末ともなると、道外はもちろん、近隣の町や札幌からも観光に訪れる人が多いが、外から遊びに来た人だけでなく、地元に暮らす人々も千葉さんの創作おむすびに魅せられている。平日は明け方4時、大量の注文が入ると、日付が変わる頃から仕込みに入らないと間に合わないというから、その人気ぶりがうかがえる。



玄米おむすび ちゃみせ
季節野菜を取り入れた創作玄米おむすびの店。リピーターが多く、まとめ買いして冷凍保存して楽しむ人も。なかには、お茶漬けや炒めてチャーハンにする人もいるそう。最近のヒットアイテムは週末限定の「麹チキン」。道の駅にも卸している。こちらでは白米のおむすびも多数用意。



「私も東川へ遊びに来ているうちに、水の良さを知るようになって、店のオープンに合わせて住まいもこちらに移しました。東川の水はすーっと素直に体に入ってくる感じが違いますね」

「ヨシノリコーヒー」の轡田夫妻も、まったく同じ言葉を繰り返す。出張イベントでコーヒーを淹れた時に、いつもの味が出ないことに気づき、東川の水の良さを痛感したという。



「ヨシノリコーヒー」の轡田さん夫妻。東川町に移住して4年目に入る。

「上水道に使われるカルキが入らないぶん、コーヒーにやさしい甘さが出ますね。酸味の豊かな品種だとフルーツドリンクを飲んでいるような感覚も。お客さまも『何か(他と)違うんだよね〜』とよくおっしゃいます」。



2015年に旭川から家族で移住し、田んぼのど真ん中に開業した店も今年で4年目。水を汲みに水源を訪れた人が、ヨシノリコーヒーに立ち寄り、地元の水で淹れたスペシャルティ・コーヒーを味わって帰るというコースもできつつあるらしい。



ヨシノリコーヒー
スペシャルティ・コーヒーに特化し、ドリップとエスプレッソの2つのスタイルのコーヒーを提供。ドリップはペーパーフィルターではなく、「コレス」のゴールドフィルターを使っているので、コーヒー豆と水の味わいをダイレクトに抽出できる。



一方で、東川町では名水を守る活動も行われているようだ。「ひがしかわ株主制度」(ふるさと納税)を活用する事業の1つとして、水資源と地球環境を守る「ECOプロジェクト」を実施。水源の上流で植樹を行い、上流の土壌を守る・保つことから水源の保全に取り組んでいる。また水田の多い東川町では水田での農薬散布回数を削減するため「温湯種子消毒」(植え付け前に種もみをぬるま湯で消毒すること)を行ったり、東川米独自のGAPシートを作って栽培過程から出荷まで、すべてに渡るチェック項目を設定。様々な知恵と工夫で環境を守ることで農作物の価値を高める仕組みを作り、生産者の意識向上に繋がるアクションを取っているという。

水に魅せられて集まった人々が東川に新しい名品を生み、さらに新しい人を引き寄せる。おいしい水は、様々に姿を変えながら、これからも町を潤していく。




東川町で立ち寄りたい店

◎ 玄米おむすび ちゃみせ
北海道上川郡東川町西2号北2
☎ 0166-82-3887
8:00 ~ 15:00 売り切れじまい
月曜、火曜休
(火曜は予約注文のみ)

◎ ヨシノリコーヒー
北海道上川郡東川町北町
12-11-1
☎ 0166-56-0099
10:00 ~ 18:00
水曜、木曜休
http://www.yoshinoricoffee.com/








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地球規模でおきている様々な課顆と向き合うため、国連は持続可能な開発目標 (Sustainable Development Goals) を採択し、解決に向けて動き出 しています 。料理通信社は、食の領域と深く関わるSDGs達成に繋がる事業を目指し、メディア活動を続けて参ります。

 





  






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