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JOURNAL / JAPAN

日本 [滋賀]

観光直売で高品質な果物を

在来種を守ることと新品種への挑戦が未来をつくる

2016.06.25

果肉に“ゴマ”が出てきたら食べ頃です
「西村早生」(カキ)

収穫時期の早い早生品種「西村早生」は、延暦寺の門前町として栄えた大津市・下坂本地区が発祥の地。昭和20年代中頃、富有柿と赤柿が混在した西村弥三郎氏の園で自生樹として偶然発見され、昭和35年に、2代目の弥蔵氏により品種登録されました。

柿の熟期が10月~11月頃をピークとすると、西村早生は9月中下旬から収穫が始まります。当時は、ブラジルや韓国にまで穂木を送るほど重宝されたそうです。果皮は淡い橙色で艶があり、果肉はやや硬め。ほどよい果汁とさっぱりした甘さが持ち味で、“ゴマ”と呼ばれる茶褐色の斑点が果肉に入ると「食べ頃ですよ」の合図です。

現在は、全国約230haの栽培面積を数えますが、県内では1ha弱。高島市今津町を中心に栽培されています。


6つの基準をクリアしたエリートブドウ現わる!
「紅式部」(ブドウ)

滋賀県で採れる「竜宝」「紅伊豆」「紅富士」は兄弟品種。糖度が高く、多汁で皮離れも良く、人気の高いブドウです。ただ、輸送性が悪く、管理にも手がかかるため、市場出荷主体の他府県ではあまり栽培されません。ならば地元直売が主体の県内で改めて着目しよう! と、平成20年に誕生したのが「紅式部」ブランドです。

上記3品種から、「果皮色・鮮紅色」「糖度」「房の大きさ」「一粒あたりの重さ」「収穫時期」「滋賀県環境こだわり農産物」の6基準をクリアしたものだけが「紅式部」の称号を勝ち取れます。特に糖度は17度以上、一粒の重さは14gと大粒で、まさにブドウ界のエリート。その名には、源氏物語と共に千年以上を経てなお愛される紫式部のように、末永く愛されてほしいという願いが込められています。

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