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アルフィオーレの農場日記
第11回 私にとっての「継続」とは

People / Life InnovatorAug. 20, 2018





このコラムを読んで飛び込んできた。


サステナブル、エコ、自然派、持続可能、といった言葉を、雑誌、SNSなど至る所で見かけます。
人々が「持続可能性」「継続性」を課題として捉えているのを感じます。

ここしばらく、ワイナリーの立ち上げで忙しくて、原稿を書く時間を取れず、更新が滞っておりました。すみません。
今回は、そのワイナリーについて書こうと思います。

2年前、このコラムを読んで、当時26歳の坂口礼奈という女性がアルフィオーレに飛び込んで来ました。
彼女は建築家で、建築の視点から「建物を考えようと思ったら、そこに住む人の暮らしそのものが豊かでなくてはいけない」と言っていたのが印象的でした。なぜって、それは、私が料理店からワイナリーへと移行していった考え方とそう違わなかったからです。
こちらを向いている女性が坂口礼奈です。ワイナリーのオープニングレセプションの日、アルフィオーレの畑で。





何事においても、物事の本質を徹底的に突き詰めること。それも、継続的に。 それが成功への一番の近道だと私は考えています。坂口にはそれがありました。
設計事務所を離れて、フランスの田舎のコミュニティに飛び込んで生活してみたり、宮城県雄勝にある「モリウミアス」という自給自足の生活を体験できる施設でインターンしてみたり。「変わっていて面白い子だなぁ」と感心しながら、入社を受け入れました。
ワインのワの字も知らないそんな彼女がアルフィオーレに飛び込んで、365日休むことなく私のそばで働いて、この度、ワイナリーの代表になったのです。

元々、私の考えていたコミュニティモデルは、「集った各々が独立採算」が目標です。 そうしないと、施設や分野は分かれていても、ひとつの企業になってしまって、「コミュニティ」にならないからです。
様々な想いを持った人々が、大きな理念をもとに賛同して集まり、協力しながら、それぞれのアプローチの仕方で自分の居場所を作り、機能を果たす。 それがコミュニティの本質だと思っています。

今回のワイナリーの立ち上げは坂口が中心になって進めました。もちろんサポートはしましたが、彼女自身が空間設計のアイデアを出し、図面に落とし込む設計士と共に空間をつくり上げていった……。
素晴らしく面白い空間になったと私は自負しています。
廃校になった宮城県川崎町立支倉小学校の元体育館(右のピンク色の建物)が、アルフィオーレのワイナリーです。



入口はこんなに素敵に



体育館の舞台回りにタンクが並べられて。レセプションの日、ツバメが何羽も飛び回っていました。



共感が共感を生み、つながっていく。


それは、私たちがここ数年の間に出会った地元の人々との協働作業によってでき上がっています。
廃校の体育館の中に、今なお在来工法によって手刻みで建てる大工さんが、すべて宮城の木材を用いて建ててくださったり、木工作家さんがリラクジングスペース兼レストランの建具を一から作ってくださったり、染色家さんが看板代わりの暖簾を地元の素材で染めてくださったり。
たくさんの出会いをフラットに受け入れる才能にあふれた坂口が、このワイナリーを素晴らしい空間にしてくれました。
今もこれからも大切にしていかなくてはならない日本の文化、 それを伝えるツールとしてワイナリーが存在していく――それこそが、建築から離れても坂口がやりたかったことであり、彼女はそれを無意識に理解できていたのです。

ワインを製造・販売して、皆様から代金をいただくことが生業となる――当たり前のことでしょう。
でも、そればかりではありません。ワイナリーでは常に様々な出会いや物語が生まれています。
そのことを誇らしく伝えられたら、そして、それぞれの本質が素直であれば、訪れる人たちにもきっと共感を生み、そして、感動を覚えた人はサポーターとなってくれることでしょう。
看板代わりの暖簾。畑の景色が描かれ、隅には「EVERYTHING IS A GIFT」と書かれています。



オープニングレセプションでは、もちろんワインがふるまわれました。体育館の壁際に甕仕込み用の甕が並んでいます。



ワイナリー内には、リラクジングスペースやセラーなどもあります。気持ちの良い空間です。



コラムを休んでいる間にも、ゲストハウスを開きたい、チーズを作りたい、等々、いろんな連鎖反応を巻き起しています。物語はまだ始まったばかりですが、きっと無理なく矛盾なく進んでいくのだと思います。
なぜなら、私たちは、植えたブドウの樹を自分たちの世代だけで完結させようなんて思っていないから。 私たちが年老いても、ブドウは実をつけるでしょうし、ワイン造りも毎年続いていくのです。
この先、この土地に暮らしていく子供たちや、まだ見ぬ出会いによって、これからも受け継がれていく――。
そのためには、無理をしないこと。 等身大であり続けること。 それが、物事の本質であり、継続されるべき唯一のことだと思います。
ほら、すべての生命は、そうやっていつも循環していますよね?
猛烈に暑い日だったので、みなセラーの中でワインを堪能。



地元で活躍する料理人さんたちがレセプションの料理を担当。地元の食材をふんだんに使って。



畑ではブドウがすくすくと育っています。今年のワインも楽しみです。



目黒浩敬(めぐろ・ひろたか)
1978年福島県生まれ。教師を目指して大学に入るが、アルバイトで料理に目覚め、飲食店などで調理の基本を身に付ける。2004年渡伊。05年、仙台市青葉区に「アルフィオーレ」を開店するも、いったん閉めて、2007年現在地に再オープン。自然志向を打ち出した創作イタリアンとして評価を得る。2014年から宮城県川崎町の耕作放棄地にぶどうを植樹。2015年、店を閉め、農場づくりに本格的に取り組み始める。 https://www.facebook.com/hirotaka.meguro







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