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Vol.1 トップソムリエが語るワインの今 コンラッド東京 ヘッドソムリエ 森 覚  | 料理通信

今、日本ワインの世界はとても面白い時期を迎えています。
若い世代が、様々な考え方と体験の上に、従来の日本ワインにはなかった取り組みを繰り広げていて、つくり手の考え方の数だけワインの種類がある。そんな状況がとても新鮮です。
海外にお手本を求めた時代を卒業して、拠り所を自分の足元、自分が立つ土地に求めるようになりました。
つくり手同士、ざっくばらんに意見を交換し合い、刺激し合っているのもいい。たった一人で営む小さなワイナリーと大手メーカーとが、同じつくり手として交流し合う空気があること、サイズやスタイルに縛られない関係性ができていることがすばらしいと思います。様々なワイナリーのつくり手たちと登美の丘ワイナリーの渡辺直樹ワイナリー長が、立場を超えた交流を続けていて、そこにソムリエも一緒に入ってコミュニケーションを取り合っているんですね。
正直なところ、日本のワイナリーの多くは、自分の土地に本当に適性のある品種は何なのかを必死で探している段階だと思います。様々な試みをして、つくり手同士が情報や経験の共有をして、その中から自分はどんなワインをつくるべきか、方向性を見出そうとしている。日本ワインは今、そんなワクワクする時期にあるんですね。
登美の丘のワインづくりを見ていて、いい具合に肩の力が抜けてきたなと感じます。
かつて赤ワインにおいてはボルドースタイルを目指し、濃くて強いワインをつくろうとしていた時代がありました。それが、登美の丘の持ち味を生かすのであれば、強さじゃないよねということに気付いた。カベルネ・ソーヴィニヨンにこだわらなくてもいいじゃないか、樽を使わなくてもいいじゃないか、と考えるようになった。2009年頃からでしょうか。
考えてみれば、当然なのかもしれません。ビステッカ・フィオレンティーナ(フィレンツェ風Tボーンステーキ)があるから、キャンティのようなワインがある。分厚い塊肉に負けない赤ワイン、肉を食べさせるワインとしてキャンティがあるように、土地の料理とワインとは一体なんですね。
とすれば、日本にあるべきワインとは何か? そう考えると、和食に寄り添うワインということになり、力強さよりも優しさや柔らかさが特徴となるワイン像が浮かんできます。
登美の丘の白のフラッグシップである「登美 白」も、世界のトップクラスの白と比べた時、その持ち味は「優しさ」ということになると思います。
そんな中でも、2011年は引き締まって均整がとれ、アタックからフィニッシュまで一貫したまとまりがあって、後半の伸びもよく、すばらしい。ミネラルと酸が伸びやかです。
今回、『料理通信』8月号(P.16~17)では、「登美 白 2011」に「純白の石平目 白貝と ホワイトアスバラガスでより白く」を合わせていますが、このマリアージュは絶妙ですよ。ワインと食材の格を揃え、白い皿に白い食材しかのせない真っ白なビジュアルが湛える雰囲気とワインが持つテイストを合わせています。そもそも、ヒラメは、身質がきめ細やかで火入れにデリケートさが要求される繊細な魚。その繊細さと「登美 白 2011」との相性が抜群なんです。同じ「登美 白」でも、2012年になると、蜜のような柔らかさとボリュームがあって、こうなると、より旨味や脂質がのった甘鯛などのほうが合ってくる。今回ご紹介しているマリアージュは2011年ならではのエレガントな組み合わせだと思いますね。
登美の丘のワインは、ひと言で言えば「上質」です。常に安定して、「上質」。
このことは、これからの日本ワインにとって、とても大きな意味を持ちます。
私は、これからの日本ワインに必要なのは一貫性と安定感であると考えています。継続的に一貫性のある味わいをつくり続けることは、常においしいワインを送り出している産地として認識されることであり、飲む側に大きな安心と信頼をもたらすものなのです。
そのためには、量も大切です。それなりの量がなければ、人々の認知を得ることはむずかしいでしょうし、一樽しかつくれないのであれば、自己満足と言われてもしかたがありません。
その意味において、サントリーというしっかりした母体とほどよい規模を持つ登美の丘ワイナリーがこれから担っていく役割はとても大きい。私はそう考えています。


森 覚
コンラッド東京 ヘッドソムリエ

2008年第5回全日本最優秀ソムリエコンクールや2009年第1回アジア・オセアニア最優秀ソムリエコンクールなど数々の権威あるワインのコンクールで優勝。2010年、2013年の世界最優秀ソムリエコンクールには日本/アジア・オセアニア代表として出場するなど、日本ワイン界をリードする存在。


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