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世界に伝えたい日本の老舗 服部幸應 「明神下 神田川本店」 since 1805

日本の食 知る・楽しむ

 

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世界に名を轟かせる電気街、秋葉原とは目と鼻の先。まるで、そこだけ時の流れが止まったかのような昭和の建物が「神田川本店」です。木の塀を巡らせた風情ある佇まいを鑑賞しつつ、いただくうなぎのおいしさは格別。幸せなことだと思います。お目当てのうな重のたれは辛口。しっかりしみ込んだご飯がまた旨い。11代目、神田茂さんにお話を伺いました。


上品な照りを湛えたうなぎは、職人の技が隅々に行き渡り見とれるほどの美しさ。「蓋をあけて『わぁ、きれい』とおっしゃる方が多いですね」。ご飯もうなぎと肩を並べるおいしさで、辛口のタレが最後まで飽きさせない。「うな重」は3200円と3800円の2つ。



手前どもの創業は1805年。江戸時代の後期ですね。幕府の台所に勤める賄方だった初代が、御家人株を売りまして、商売を始めたのが始まり。当時流行り始めた蒲焼きに目をつけ、大根河岸と呼ばれた青物市場にやって来る人足さんたち相手に屋台店を開いたと伝わっております。「1粒いくら」という汗をかいて働く人足さんが相手ですから、甘口のタレだったら受け付けてもらえない。だからうちのタレは辛口。激しい肉体労働へのご褒美、当時は「薬っ食い」などと言われ食べられたようです。

さて、うなぎ屋にとりましてタレは「命」。タレさえあれば、店が崩れても大丈夫。よしず張りの屋台店でもウチの味で出せますから。先般の東日本大震災の時にも、揺れが収まるまで、私、つけダレの入った大きな甕を抱えておりました。味を含めて、受け継いだタレを守るのは代々主人の役目なんです。

タレはシンプルに醤油とみりんを合わせて、2割ほど詰めたものです。使って減った分だけ、この元ダレを足していきます。毎日使って使って、また足して足して、味に年輪ができて、独特の旨味が加わります。一朝一夕にできるものではないから「命」なんです。

うなぎは「裂き3年、串打ち5年、焼き一生」と申します。手前どもではうなぎの白焼きと蒲焼きは串を打ったままお出ししておりますが、それは職人の技、心意気を見せるためでもあるんです。

まず、焼き上がった時に串がぴしっと平行になるよう、焼ける時に身が縮む分を計算した上で少し斜めに打ちます。さらにうなぎから串の先が出すぎては意気ではないので、数ミリしか串が出ないよう打ちます。これが焼きと同じく職人の腕の見せどころなんです。こうすると、鉄弓に引っかかる部分がわずかしかありませんから、ヘタに焼くと炭の上に落ちてまう。

さらに素焼きにする時は「手返し百遍」と申しまして、身と串が焦げないよう、また炭に落ちた脂から上がる煙が身につかないよう、うちわであおぎ続け、うなぎを絶え間なく返していきます。反対に、タレをくぐらせて焼く「焼きつけ」の時は、燻すように煙をまとわせながら、最高の照りと色に仕上げていきます。これが一番難しい。だから職人は「焼き一生」を肝に銘じ、火鉢の前に立つのです。実際、照りと色がきれいに上がると、味もおいしくまとまっているものです。


風情のある2階建ての店舗は昭和27年に建てられたもの。道を挟んですぐ前は秋葉原。ビルとビルの間から店が姿を現すと、そこだけが異次元に映る。



柱や床が丁寧に磨き上げられ、凛とした空気が漂う玄関。



注文を通してからうなぎをさばくやり方を変えていないため、完成までに最低でも小一時間は待つ。1階は庭の見える部屋、2階には天井の高い、解放感溢れる座敷があるので、ゆったりとした気分で出来上がりを待ちたい。



関東、名古屋、大阪、京都でうなぎを裂く包丁の形は異なる。背から裂く関東の包丁は先が鋭利に尖り、木の柄が付く。



「『じいさんに背負われて来た時と同じ味』が最高の褒め言葉ですね」と神田茂さん。


text by Michiko Watanabe / photographs by Toshio Sugiura / English text by Susan Rogers Chikuba



◎明神下 神田川本店
東京都千代田区外神田2-5-11 
☎ 03-3251-5031
  11:30~13:30(14:30閉店)17:00~19:30(21:30閉店)
日曜、祝日、第2土曜休
JR、東京メトロお茶の水駅より徒歩5分




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