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おいしいパルマハムの極意

素材と向き合う料理人が語るパルマハムとすしの共通項 vol.1

Feature / MovementOct. 4, 2019

text by Rieko Seto / photographs by Hide Urabe

スライスしたパルマハムの香りが客席に届く距離でレストランを営みたいと、厨房と客席が一体化した6席限定の店を開いた「ペレグリーノ」高橋隼人さん。マグロを使わず白身や青魚を長期熟成させることで、素材が持つ旨味を最大限引き出す「すし 㐂邑」木村康司さん。プライベートでも仲の良い2人が語るパルマハムとすしの共通項とは?

サクサク軽やかな揚げたて、熱々のトルタフリッタに、切り立て、極薄のパルマハムをふわりとのせて。あっさりした味の内モモ肉はほどよく溶けて、豊かな香りと旨味が広がる。

パルマハムも魚も酸化が大敵




高橋 パルマハムは熟成された豚肉加工品ではあるけれど、生魚と同じように切った瞬間から酸化が始まります。だから、表面に塗られたスーニャ(乾燥防止用のパテ)だけではなく、スライスする度に酸化した脂や肉の表面を削り落とさなくてはいけないんです。まあ、難しく考える前に、単純においしくない部分を取り除くってことなんですけれど。

木村 僕もいろんなお店でパルマハムを食べますけれど、「あれ? おいしくない」って思う原因はまず、酸化。酸化ってものをまったく気にせずに切っていると、すぐわかります。

高橋 魚の場合は、酸化して色が変わったのがわかりやすいけれど、パルマハムはわかりにくいのかも。そうは言っても、酸化した脂や肉の表面は色もきれいではなく、臭いもよくないと思うんですけれど。

木村 魚の熟成で言うと、基本的に魚はパルマハムほど厚みがないので、酸化させたらもう終わり。失敗です。酸化して色が変わったから削ごうっていうのでは、もう臭い魚になってしまっている。だから魚の状態を見て、「明日あたり酸化しそうだから削いでおこう」という感じで、酸化する前に予測して調整しないといけないんです。

高橋 酸化する前に酸化させないようにするってことなんですね!



イタリア料理人「ペレグリーノ」高橋隼人さん
1978年、新潟県出身。29歳で渡伊し、エミリア=ロマーニャ州パルマのリストランテで修業。帰国後、独立。2015年に移転し、6席限定で調理からサービスまで1人で行なう。

木村 そう、だから見極めがすごく難しい。経験値でしかなくて。削ぐ部分は多くなるから、もったいないと言われることもあるけれど、おいしいものを出すために削ぐわけで、もったいないとは思いません。

高橋 僕もパルマハムの至福の一枚を出すためには素材そのものを吟味して、酸化したところをしっかり削いで、なんの負の要素もなくすことが大事だと思っています。酸化した臭いが少しでも残ってしまったら、そのパルマハムの個体に対してすごく失礼ですから。

木村 僕はね、縁あって僕のところにやって来た魚にしっかり向き合って、その子の100%、いや120%のポテンシャルを伝えることが、すしの仕事だと思っているんです。その魚の持っている臭みや要らない水分をうまくコントロールして、できるだけ手を加えずに一番おいしい状態にしてあげる方法が、僕にとっては熟成なんだと思います。

高橋 パルマハムの場合は、すでに職人の手によって完成された加工品です。僕はパルマで修業して、上手に切るためには知識も技も道具も必要だということを学びました。スライスの仕方によってパルマハムの魅力を最大限に引き出すことができるので、それだけで満足のいくひと皿になると確信したんです。

よく切れる刃で切ることが一番大切



木村 切る道具は大事ですね。常に100点満点の切れる状態にして、細胞を壊さないで切ることがすごく重要です。僕は、研ぎやすいように刃が軟らかいものを使っています。それから、刃はある程度の長さがほしい。尻から先端まで刃を滑らせれば、1回で魚が切れることもすごく重要です。

高橋 僕もパルマハムを手動スライサーで切るとき、途中で止めずに約1回転半させて1枚を切り終えるようにしています。

木村 ハムも魚もギザギザ切れば細胞が壊れて嫌なものが必ず出てしまいますし、潰れてもしまいますから、スライサーであれ包丁であれ、一発で切るっていうのはすごく大事だと思いますね。



すし職人「すし㐂邑」木村康司さん
1971年、東京都出身。すし屋の3代目として生まれ、祖父や叔父の店で修業した後、天ぷら「美かさ」でも修業。33歳で現店をオープンし、独自の「熟成鮨」を切り開く。

高橋 木村さんの包丁と同じように、スライサーを切れ味のよい状態にしておくことは、本当に重要なポイントだと思います。毎日付着した脂を拭き取って清潔にして、刃も研がなければいけない。どんなに良いパルマハムが手に入っても、刃が切れなくて分厚くなったら台無しです。できるだけ薄く、なめらかにスライスしてこそ、パルマハムのおいしさが伝わる。切れるスライサーで切ることで、1枚1枚に味と香りを封じ込めてやるんです。


おいしいパルマハムの極意(1)スライスする都度、酸化した箇所を削ぐ

パルマハムは空気に触れたところから酸化するので、皮は使う分だけ削ぎ、酸化した切断面は都度、切り落とす。変色した脂や血管の残りを取り除くことで、風味が格段にアップ。




おいしいパルマハムの極意(2)よく切れるスライサーで切る

高橋さんは刃渡り35cmの手動式スライサーを使用。電動に比べ、最低限の刃の回転数で切れるため熱を持ちにくく、脂が溶けない。日々、付着した脂を拭き取って清潔に保ち、「研ぎ」も欠かさない。





◎ ペレグリーノ
東京都渋谷区恵比寿2-3-4
www.pellegrino.jp

◎ すし 㐂邑
東京都世田谷区玉川3-21-8
www.sushikimura.tokyo











お問い合わせ先
パルマハム・インフォメーションセンター (旭エージェンシー内)
☎ 03-5574-7834
info@parmaham.org











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