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ニューヨーク行きを賭けた戦い
「スモーガスバーグ大阪2019」ルポ

Feature / MovementDec. 2, 2019

photographs by Tomoaki Kawasumi

ニューヨーク・ブルックリンの一大フード屋台マーケット「スモーガスバーグ(Smorgasburg)」が一昨年、日本に初上陸した先は大阪・梅田。舌の肥えた客が多い大阪で切磋琢磨する飲食店のレベルの高さ、それを応援する気概のある商人気質の街で、食で起業したい、世界に出たいと願う人々の「スモールフードビジネスの実験場」として着々と根を張っている。


今年10月最後の週末、3回目の開催となる「スモーガスバーグ大阪」は、出店者の中から投票で本場ニューヨークのスモーガスバーグ出店の権利を獲得できる!というビッグチャンス付き。応募者の中から本気で世界を目指すチャレンジャー7店が選ばれ、11時~22時まで2日間、中津高架下で自ら考案したフードを来場者にアピールし合った。



オリジナリティが炸裂!本気のチャレンジャーたち




それでは本気のチャレンジャーたちとフードを紹介しよう。

■大阪・吹田市「Heays pantry」の覚醒フレンチトースト



会場入ってすぐの屋台でいきなり「ケトローフ」という耳慣れないグルテンフリーパンで作るフレンチトーストに遭遇。オーナーの永濱愛子さんはニュージーランドとオーストラリアで計3年過ごし、そこで多様な食嗜好をもつ人々が当たり前に尊重され食卓を囲む光景に、グルテンフリー、ベジタリアン、低糖質などに対応するフードブランドを立ち上げた。吹田市の工房で自家製するケトローフは、小麦粉を使わずアーモンドとココナッツ粉をベースにメレンゲとグルテンフリー酵母でしっとり焼き上げたパン。これをフレンチトーストにして「赤」「白」「黒」の3種のソースでトッピングしたフードで勝負。


■大阪・神戸「○△□(マルサンカクシカク)」の季節のタルト



お隣のシックに飾られた屋台は、大阪・神戸に展開するタルト専門店。見た目も華やかな季節のタルトを1切れずつパッケージング。ナイフもフォークもなくても台紙を引き出して崩すことなく食べられる、日本ならではの包む文化をアピール。


■大阪・北新地「レオーネ」の魂の次世代ヌードル2019



イタリア料理店としてスタートし、今では国境を越えたレストランとしてスパイスカレーで名を轟かせる「レオーネ」。その吉川健太郎シェフが生みだしたのが“ハンディなラーメン”だ。「ラーメンでも焼きそばでもパスタでもない麺を」と、とん平焼きをヒントに鉄板で焼いた特製麺にカットステーキをのせ、ケチャップ、サルサ、チーズソースで仕上げた。そのまま食べるとメキシコ料理のよう、しかし残った麺を添えられたスープに浸して食べるとラーメンに変身するという驚きの一品。


■大阪・天神橋筋「コアラ食堂」の丸鶏のフライドチキンサンド



過去にもスモーガスバーグ大阪に出店経験のある「コアラ食堂」は、今年5月現地ニューヨークのスモーガスバーグを視察し、誰も食べたことのないフライドチキンを考案。五香粉、砂糖、酢、オリーブ油でマリネした丸鶏を70℃で2~3時間コンフィにした後、ゴマ油と醤油、コーンスターチの衣で2度揚げ、スイートチリソースとピタパンに挟んで食べるというもの。中までほっくりと火が通り、かつ味も沁みた丸鶏はクリスピーな衣の食感もあいまって食べ飽きない!スモーガスバーグの生みの親であり当日審査員を務めたエリックとジョナサンもリピート。最終日のディナーに一人1羽たいらげていた。


■東京・西麻布「葡呑(ぶのん)」のオープン稲荷寿司



東京から唯一の出店となったナチュラルワインと和食の店「葡呑」。店主の中湊茂さんは、世界各地でポップアップイベントを重ねている経験から、ヴィーガンにも対応できるオープン稲荷ずしで勝負。8種類全て購入のお客様には銅鑼を鳴らすなど、会場を盛り上げる演出もさすが。立ち飲みナチュラルワインとヴィーガン稲荷ずしというニューヨーカーを意識した屋台を展開。


■大阪・中百舌鳥「SEAGULL DINER(シーガルダイナー)」のチキンオーバーライスバーガー

アメリカ西海岸の雰囲気そのままを味わえるダイナーが提案するのは、ニューヨークの屋台フードの定番「チキンオーバーライス」を、日本発祥のライスバーガーに仕立てたもの。グリルチキンとフレッシュ野菜、オリジナルソースを挟んだライスバーガーをオリジナルのイラスト入りペーパーに包んで。


■兵庫・苦楽園「GOOD GOOD MEAT」の阿蘇牧草和牛のローストビーフ炙り寿司



様々なバックグラウンド出身の肉マニアの経営者たちが創業した畜産ベンチャー。日本各地の牧場を訪ね歩き、熊本・阿蘇の大草原で放牧されるあか牛に惚れ込んだ彼ら。最初は牧場と提携してスタートした会社が成長し、今では自ら阿蘇に土地を借りて牧草の種を播くところから畜産にも携わる。畜産から加工、卸、小売り、レストランまで一貫経営の強みを生かして、「肉ずし」をきっかけに日本のグラスフェッド和牛を世界に伝えたいと意気込む。

上記のチャレンジャー7店に加え、会場にはニューヨークのスモーガスバーグで人気の屋台2店舗が出店。2日間、来場者の反応を見ながら価格設定を変えるなど柔軟な対応とプレゼンテーションはさすが。


■ニューヨーク「D’Abruzzo(ダブルッツォ)」のアロスティチーニ(ラム串の炭火焼)

イタリア・アブルッツォ州の郷土料理、ラムの串焼きをアメリカに広めたいと2017年創業。小さくカットした串刺しのラム肉が焼ける匂い、ずらりと串が並ぶ炭台の光景が来場者を引きつける。


■ニューヨーク「Home Frite」のフライドポテト

フライドポテト発祥の地といわれるベルギーに影響を受けたという「ホームフライト」のフライドポテト。味の要となるアメリカ産ラセットポテトをこの日のために輸入し、選べる9種類の自家製ソースを添えて提供。パッケージも秀逸。

2日間、午前中から夜まで屋台が通し営業する会場では、ゴスペルのコンサートやライブペインティング、カクテルパフォーマンスなどが組み込まれ、DJによる選曲が会場の雰囲気を盛り上げる中、一人で来ても複数の屋台を巡ってゆっくり滞在する客が多かった。





世界を視野に入れる装置に

そして2日目の夜8時30分、いよいよニューヨーク行きを賭けた投票結果の発表。



まずはスモーガスバーグの生みの親、エリック・デンビー氏(写真右)とジョナサン・バトラー氏(写真左)から審査員賞を発表する。



見事ニューヨーク・スモーガスバーグの出店権利を獲得したのは「レオーネ」吉川シェフ。エリック氏は選考の理由をこうコメントした。
「今回は大変な審査でした。どの屋台も味、質とも甲乙つけがたく直前まで議論しましたが、ニューヨークのスモーガスバーグにないもの、ニューヨークの人々にとって驚きがあるかどうかで選ばせてもらった」



続いて来場者の投票結果が発表。もっとも投票数の多かった「GOOD GOOD MEAT」が同じく本場での出店権利を獲得。

「世界を視野に」とはよく言うが、具体的にどう視野に入れていけばよいのか漠然としている中、「スモーガスバーグ大阪に出店する」という行為が世界を視野に入れた発想、フードを生んだ。大阪から世界に飛び出す装置として機能し始めた「スモーガスバーグ大阪」に今後も期待したい。





【スモーガスバーグ大阪に関するお問い合わせ先】
◎ 株式会社Office musubi

https://www.osakafoodlab.com/event/









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