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2カ国の米を混ぜて結ぶ、おむすびと人の繋がり

United Rice Ball 2nd RICE BALL 「THAILAND×JAPAN」

Feature / MovementJan. 12, 2021

日本で一般的に食されているお米は、粒の短い短粒種。世界の米消費量に占める短粒米の割合は2割程度で、多くの国で食されているのは長粒種だ。特性も栽培方法も異なり、調理方法、食習慣やおいしさの捉え方も違うのだが、あまりにもお米が身近にある日本ではその認識は薄い。
「米」をテーマに、日本の米と外国の米を混ぜたおむすびを作り、両国の人と共に食べる。お米を結び、人を結ぶイベント「United Rice Ball」は今年で2回目を迎えた。昨年はスペインとのコラボレーション。今年は、国交130年目を迎えるタイとのコラボレーションで開催された。


1回目、2019年開催の「United Rice Ball」で出された日本米とスペイン米をミックスしたおむすび。中粒の熱帯ジャポニカ種「レドンド」をオリーブオイルで炒め「ひとめぼれ」と一緒に炊いた。スペインの食文化を取り入れたおむすびが振る舞われた。


今回、オンライン開催のため全員で体験したのは塩むすびのみだが、タイ大使館ではおむすびが並んだ。タイで人気のコットンブランド「コマパット」の布に日本の帯を重ねたuniteな設え。

コロナ禍でのオンライン開催、タイ大使館からの配信に国内各地、タイ、他の国々から200人以上が参加した。この企画を主催するのは、クリエイティブディレクターの倉成英俊さん。「おむすび=Unite。2つの国のお米で作ったおむすびを、2つの国の人が食べたら、どんな味がして、どんな感情になるのか?試してみたかった」。その思いを共にするメンバーでチームが結成された。

お米の選定と解説はお米ライターの柏木智帆さん、2国の米にレシピで橋を架けるのはフードユニット「つむぎや」の金子健一さんとマツ―ラユタカさん。ロゴデザイン(古谷萌氏)、WEBデザイン(上江洲佑布子氏)、イベントを盛り上げるDJ(moodman)などクリエイティブの第一線で活躍する面々が、このユニークな取組を盛り上げていく。



東京の在日タイ大使公邸は1943年にヒゲタ醤油の濱口氏の邸宅を購入したという瀟洒な洋館。シントン・ラ―ピセートパン駐日タイ大使夫妻も出席した。



画面越しに200人以上がつながった。



2年前にタイの米事情を視察したという柏木さんから、タイの米事情と選定した2つの米の特性、選んだ理由についてレクチャーが行われた。

まずはタイ米の品種と栽培について。タイの米は長粒のインディカ種で、今回選ばれたのは「カオホンマリ」という最高級ランクの香り米で、タイ米の中では粘り気のあるタイプだ。タイ米と聞くと、1993年の米騒動を思い出す方も多いだろう。国内の米不足を補うために輸入したタイ米の評判が芳しくなく、以来タイ米はおいしくないというイメージが定着してしまった。タイの米栽培は二期作で、二期目は食味が劣ると言われるが日本に輸出したのがこの二期目の米で、品種も人気品種ではなかった。次にタイでの米の保存について。タイでは、玄米の状態では虫が発生しやすく酸化臭も出やすいので精米後に常温で保存。古米の方が人気で値段も高いという。

ちなみに、昨年のスペインとのコラボでは、中粒の熱帯ジャポニカ種で、アルデンテの食感を出しやすい「redondo(レドンド)」を選んだ。スペインでは米を徹底して乾燥保存し、賞味期限はなんと精米後1年6ヶ月。保存食品と位置付けられているため、古米の方が高価とされる。

今回、タイ米とのコラボに選んだ日本の米は福島県産の「里山のつぶ」。2017年に中山間地域での栽培用にデビューした品種で、米粒が大きく、しっかりとした歯ごたえがあり、タイ米と程良く馴染む適度な粘りが決め手となった。
自身も米栽培に携わる柏木さんの、品種から栽培方法、流通、食習慣に至るまでの広範な知識とフィールドワークによる解説で、お米の見方ががらりと変わっていく。


レシピを考案する「つむぎや」の金子健一さん。今回はオンラインで作り方をレクチャーした。



これだけ性質の異なる米を、ただ一緒に炊いてもおいしいおむすびはできない。「つむぎや」の二人は「カオホンマリ」をハーブと共に茹で、「里山のつぶ」は炊飯し、最後に混ぜ合わせた。品種の特性を考え、何度も試作を繰り返して2種の米の比率、炊き方を編み出していった。

お米の食感は、でんぷん質に含まれるアミロースの量よって決まる。短粒米はアミロース量が少なく、炊飯すると粘りが強くなる。一方の長粒米はアミロースの量が多く、炊飯すると硬くなるので多めの水で茹でてから余分な水を捨てる「湯取り法」が採られる。タイ米の中では粘り気の多めな「カオホンマリ」をレモングラスとコブミカンの葉と共に茹でてタイらしい香りをまとわせ、炊きあがった「里山のつぶ」と混ぜ、手に水と塩を軽くつけて、おむすびを結ぶ。ふんわりとハーブが香り、しっかりとした歯ごたえと適度な粘りの塩むすびは、米粒を噛みしめる喜びを感じさせる味わいに仕上がっていた。

クラウドファンディングで申し込むと、2種のお米とスパイス、メニューのストーリーとレシピカード、手ぬぐいが送られてくる。



クラウドファンディングで申し込んだ参加者には、事前に2カ国のお米セットとレシピが届き、それぞれにおむすびを作ってオンライン上に集合する。画面上には参加者の食卓におむすびがずらりと並び、200人余りの人々が一斉に「いただきます!」と味わった。

発起人の倉成英俊さん。電通のクリエイティブ局で多数の広告を企画制作。APEC JAPAN 2010、IMF/世界銀行総会2012日本開催の総合プロデュース、佐賀県有田焼創業400周年事業などのプロジェクトを推進。2014年より「電通Bチーム」を組織、2020年7月Creative Project Baseを起業。



ラジオ番組からの取材依頼を受けた際、倉成さんがその理由を尋ねると「分断の時代に、繋ぐっていいなと思った」と答えが返ってきたという。「昨年参加した芸大生は『違う国の人と接する時も、相手のことを考えてひと手間かければ、もっとうまくいくんじゃないかと』と。いいこと言うな、と思いました」
5回は開催すると決めていて、最後はNYの国連本部でやりたいと語る。イベントの終了後も、繋がった人々をSNSで結び続けている。3回目はどの国と日本が結ばれるのだろうか。

タイ大使による乾杯の挨拶に登場したのは、沖縄の泡盛メーカー瑞泉酒造によるスパークリング泡盛リキュール。グアバのような甘い香り。「アユタヤから琉球王国(現在の沖縄)にタイ米が伝わり、タイ米を原料に泡盛が作られました。タイと日本は国交樹立した133年以前から米を通じて結ばれていたのです」



タイ大使館が用意してくれた、特製おむすび。汁気を煮詰めたグリーンカレーの具は文句なしのマッチング。



オレンジの具はタイ版「でんぶ」で魚の身を塩と砂糖で味付けしてほぐしたタイでポピュラーな食材。













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