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行動を起こすきっかけに。

SDGsの本質を体験するカードゲーム「2030 SDGs」

Feature / SdgsOct. 15, 2019

text by Kyoko Kita /photographs by Hide Urabe

様々な価値観や目標を持つ人がいる中で、私たちはどのようにSDGsのゴールを実現していくのでしょう。「2030SDGsカードゲーム」は、企業や学校などでサステナビリティについての学びやビジネス機会創出、社内研修の有効策として活用されています。世界で起こる問題を自分ごとに捉え、行動を起こすきっかけとなるゲーム*を、料理通信社でも実施しました。



*カードやボード、ロールプレイング型のゲームでは、歴史、流通、貿易など構造が複雑で難解な題材でも、その世界の登場人物として主体的に考え状況を動かすことができる。さらに役割が変わると、多角的かつ俯瞰的な視点でテーマを捉えることができる。



SDGsの本質を体験するゲーム

2015年に国連が採択した国際目標、SDGsをテーマにした日本発のカードゲームが話題です。その名も「2030SDGs」。一般社団法人「イマココラボ」が開発、今年4月には国連本部で世界各国の若者を集めて実施されるなど、海外でも高い評価を得ています。
参加プレーヤーは、各チームに与えられた理想(ゴール)を実現すべく様々なアクションを起こしながら、同時にSDGsが掲げる目標達成を目指します。2030年までに自分と世界はどう変化していくのか、その道のりを疑似体験し、なぜSDGsが私たちの世界に必要なのか、SDGsでどんな変化や可能性があるのか、ゲームを楽しみながらSDGs」の本質を理解できる仕組みになっています。


風が吹けば桶屋が儲かる

チームは2人1組。各チームには、お金(複数)、時間(複数)、ゴール(1枚)、プロジェクト(複数)のカードがランダムに配られます。
ゴールカードには、「悠々自適」「大いなる冨」「貧困撲滅の聖者」「環境保護の闘士」「人間賛歌の伝道師」といったチームが目指す理想の姿、その実現に必要な具体的目標が書かれます。これは、社会には多様な価値観の人がいることを示しています。
プロジェクトとは「交通インフラの整備」「薬とワクチンの供給」など世界で行われている活動です。プロジェクトカードには、実行に必要なお金と時間、得られるお金、時間、意志(やりがい、経験など) が記されます。



最初に配られる4種類のカード。理想(ゴール)、時間、お金、プロジェクトカード。


さらにプロジェクトを提出(実行)する事務局の横には、世界の「状況メーターの変化」を表すホワイトボードが設置され、経済(青)、環境(緑)、社会(黄)の3つの指標で、各色のマグネットで表示されます。プロジェクトを実行するたびに、環境へ「+1」、社会へ「マイナス1」などカードの記載に沿って、世界の状況を変化させていくのです。


事務局にプロジェクト実行に必要なお金と時間を提出。

プロジェクトの実行が与える「経済」「環境」「社会」への影響に合わせてマグネットを足し引く。

ゲームの進行は、公認ファシリテーターのみが行うことができる。ゲーム後の振り返りもあわせて所要時間は2、3時間程度。



手元にあるお金と時間を使って一つのプロジェクトを実行した結果、新たなお金、時間、やりがいや経験、世界に及ぼす影響がわかります。まさに「風が吹けば桶屋が儲かる」。チームが繰り広げる仮想空間では、それぞれが実行したプロジェクトの集積が、世界の状況を刻々と変えていくのが、手に取るようにわかるのです。




自分本位から全体最適へ

この日は料理通信社社員を含めた14名7チームでゲームを行いました。前半、各チームは自分の目標に合わせてプロジェクトを実行します。資金集め、意思カードの収集、時間カードの保持・・・・・・。自分たちのゴールに直進すべく、行動します。すると前半を終えた時点で、ボードのマグネットは、経済が16、環境は3、社会は1と表示されました。「富は一部に集中し、差別が横行、人と人との温かみのない世界です」。進行を務めるファシリテーターのアナウンスが入ります。個の主義を突き進んだ結果、世界は一気に深刻な状況です。「お金の亡者がいるからだ!」と隣のチームの懐事情を覗き、茶化す声も聞こえます。

中間発表に世界の危機を感じた参加者たち。後半は、一気に全体最適へと舵を切っていきます。すると、少しずつ様々なことに気づき始めます。「あれ、環境に+になるプロジェクトが少ない・・・・・・。そうか、経済目的で動いていたから、環境に貢献できるカードが入ってこないのかも」「他のチームの目標達成のために、援助できることがある」など、横のつながりも積極的に始まります。



求めるゴールが違うチーム間では、カードのトレードも可能。


さて最終結果。経済15、環境5、社会13。「経済的に発展し、その恩恵もきちんと分配され、改善は見られましたが、環境には課題を残した世界」です。振り返った参加者からは、「環境って失うとなかなか取り戻せない」「プロジェクトの実行だけでは、全員の目標達成ができない。チーム間で助け合わなくては」「人それぞれ理想(ゴール)は違うから、互いのゴール達成のため、コミュニケーションが必要」「人との協力なしでは持続可能な社会は作れない」「社会全体の課題解決は、最終的に自分の課題解決につながる」など、実社会に落とし込んだ理解がありました。




世界を変えるのは一人ひとり

多様な価値観を持つ人がそれぞれの幸福を実現できる世界とは何か。競争ではなく、協力し合うこと、「全体」がうまく機能してはじめて「個」の幸福も実現できる、ということ。SDGsと日常はリンクすることを、ゲームは気づかせてくれます。



ワークショップでは油をテーマに、生産現場、環境への影響、消費~生産の一連の流れをビジュアルで学ぶ。



ゲームの後はワークショップで、より具体的な事例から、地球と日常との関係を紐解きます。テーマは、本誌「揚げもの」特集にちなんだ「油」。我々が日々摂取する植物油が何から採られ、どんな風に作られているか、その油の採取が環境やそこに暮らす人々にどんな影響を与えているか。知っているかどうかで、選択は違ってきます。
一本の油を買うという小さなプロジェクトが、まるでマグネットを移動させるかのごとく、今日も「世界の状況メーター」を動かす。一人ひとりのそんな意識が、2030の世界を明るく変えていくのです。










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