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FEATURE / SDGs





全国調理師養成施設協会主催 調理技術教育学会第1回学術大会開催

服部学園服部校長が示唆する
SDGs達成に貢献する食教育とは

Feature / SdgsSep. 19, 2019

text by Kyoko Kita / photographs by Hide Urabe


潜在的に持つ問題意識

「SDGsという言葉を知っていますか?」
この問いに対し、「内容まで含めて知っている」もしくは「内容はわからないが名前は聞いたことがある」と答えた人は、16.0%だったそうです。(電通2019年2月調べ)

SDGs(Sustainable Development Goals=持続可能な開発目標)は、2015年9月の国連サミットで、2016年から2030年までの15年間で達成することを目指し掲げられた国際目標。世界中の国や地域が抱える経済、社会、環境など様々な分野の課題を解決すべく、17の目標と、それぞれの具体的な事例として合計169の“ターゲット”が設定されている。


認知度16%の内訳を見ると、どの年代でも女性より倍近く男性の認知が高いのがわかります。その理由を国連広報センター所長の根本かおる氏は、「SDGsが現状ではビジネスの文脈で語られることが中心で、まだ暮らしやライフスタイルに浸透していないためかもしれない」と考察しています。

一方、SDGsの内容を伝えた上で、「この考え方に共感するか」という問いには、各目標平均で73.1%の人が「はい」と回答しており、「今後SDGsに関係があるような企業の商品やサービスを選んでいきたい」と答えた人も4割に上るなど、多くの人が潜在的に何らかの形で目標達成に貢献したいと考えているようです。

漠然とした問題意識を抱えながらも、SDGsへの取り組みが日々の暮らしに落とし込まれていない。
このもどかしい状況を打開する糸口が、「食育」にあるのではないか。
8月に(公社)全国調理師養成施設協会主催の調理技術教育学会学術大会(*1)で行われた、服部栄養専門学校校長であり日本の食育を牽引してきた服部幸應氏の講演から可能性が見えてきました。

*1: 調理技術教育学会は、調理師養成の軸を成す施設に在籍する教職員並びに在校生、卒業生、関連分野の研究者、教育者、技術者及び学生・生徒を対象とし、調理技術の発達、養成教育の水準の向上に寄与することを目的として、(公社)全国調理師養成施設協会が2019年4月に設立。当学会の第1回学術大会が2019年8月服部学園で行われた。



食育とSDGsの関係


「15年以上も食育について考え続ける中で気づいたのは、SDGsと食育が密接にかかわっている、ということでした。SDGsに掲げられている17の項目はすべて食育の視点でも当てはまります」。 服部氏は17の目標を大きく4つに分類し、SDGsと食育を以下のように重ね合わせます。



Ⅰ.食のすべてに安心と安全

1 貧困をなくそう
⇒開発途上国だけでなく身近な貧困にも救いの手を

2 飢餓をゼロに
⇒食料援助も意識的な選食で支援も

3 すべての人に健康と福祉を
⇒身体と精神の両面で健康になれる食づくりを

6 安全な水とトイレを世界中に
⇒身近な水について知り日頃から大事にしよう

Ⅱ.平等を生活と仕事に

5 ジェンダー平等を実現しよう
⇒みんなで食卓を囲もう

8 働きがいも経済成長も
⇒スポイルのない食産業で経済成長を支える

10 人や国の不平等をなくそう
⇒選食や共食で、国も地域も宗教もこえて平等をつくる

16 平和と公正をすべての人に
⇒社会的に弱い立場の人に希望と可能性を

Ⅲ.教育と知恵を優しい経済に

4 質の高い教育をみんなに
⇒食育の充実でSDGsを実現

7 エネルギーをみんなにそしてクリーンに
⇒つくる、選ぶ、使うまでエネルギーをきちんと意識

9 産業と技術革新の基盤をつくろう
⇒サーキュラーエコノミー

11 住み続けられるまちづくりを
⇒災害に強い支え合いのまち

Ⅳ.自然と調和する食生産

12 つくる責任 つかう責任
⇒持続可能な生産と循環を意識した資源利用

13 気候変動に具体的な対策を
⇒温暖化に配慮した生産

14 海の豊かさを守ろう
⇒海洋資源を守る漁業・養殖 海洋汚染をふせぐ暮らし

15 陸の豊かさも守ろう
⇒森林や土壌を守る生産



食卓から世界を変える


いくつかの項目に共通するのは、「選ぶ」ことです。
たとえば、環境や人への負荷を軽減した生産方法や労働条件で作られた食品、エネルギーを選ぶ。無駄を出さない、ゴミを減らす工夫をする。国産、地元産の食材を買う。生産者や労働者の利益が守られる商品を選ぶ。健康的な食生活を選択することで医療費を抑え、税金を適切に配分させる。
さらに、ハラールやヴィーガンなど多様な食習慣への理解を深める、食事の準備などに関わる男女の役割分担を見直すなど、いずれも日常生活の中で実践することができます。
そのすべてに共通するのは、「教育(=食育)」によって行動を変えられるということ。

「SDGsにある項目は、どれも当たり前に達成されるべきことばかりです。しかし、一人ひとりがその意識を持たないと、地球を救うことはできません」と服部氏。




貧困や飢餓も、発展途上国での労働問題も、気候変動も、一人の力ではどうにもならない大きな課題で、国や企業が取り組むべき問題と捉えられがちです。しかし、毎日の「食」を見つめ直すことは誰にでもできます。その小さな積み重ねは、地球の反対側に住む誰かの暮らしを少し豊かにするかもしれません。
環境、社会、文化、経済、幅広い分野に関わる「食」。人が生きていく上で非常に大きなウェイトを占める「食」。食育には、個人に留まらず世界を変える力もあるのだと、服部氏は示唆しています。


◎ 服部学園
東京都渋谷区千駄ヶ谷5-25-4
https://www.hattori.ac.jp/

◎ 調理技術教育学会
東京都渋谷区代々木2-13-4 新中央ビル3階
(公社)全国調理師養成施設協会内
https://www.cte-jatcc.jp/











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