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JOURNAL / 世界の食トレンド

France [Paris]

ブラス親子が手掛ける「穀物」がテーマのレストラン誕生

2021.08.16

  • text by Sakurako Uozumi / photograph by Laurent Dupont



  • パリ1区レアール地区に位置する「ブルス・ド・コメルス(Bourse de Commerce)」は、20世紀初めまで商品取引所として利用されていた。その歴史建造物が安藤忠雄の設計で美術館に蘇った。

    建物の最上階には、フランスを代表する自然派の料理人ミシェル・ブラス(Michel Bras)と息子のセバスチャン(Sébastien Bras)によるレストラン「アール・オ・グラン(Hall aux grains=穀物市場)」が誕生。小麦の貯蔵庫だった歴史に敬意を捧げ、テーマに「穀物」を掲げた。

    世界各地から取り寄せた種子や穀物を、焙煎、発芽、グリル、発酵、膨張させるなどして縦横無尽に用いる。たとえばレンズ豆や大麦で味噌を造ったり、大麦のフレークにコショウを付着させるなど、種子や穀物の活用法を追求し、料理に反映させた。

    ミシェル氏は「ありふれたものに美しさを見つけることが料理の真実だ」と言う。牛や仔羊などは、故郷のオーブラック産を使用。それぞれの素材の味と香りが混ざり合い、シンプルでありながらも洗練された深い余韻を残す。パリのど真ん中にいながらオーブラックの大地の恵みを堪能できる、唯一無二の食体験になること間違いない。

    (写真)「オーブラック産牛肉のポアレ」48ユーロ(アラカルトメニューから)。大麦で造った味噌のジュを添えて。味噌造りは日本の製法を学び、15年の歳月をかけて完成したという。コクとかすかな酸味があリ、肉本来の旨味を引き立てる。



    ◎Halle aux grains
    2 rue de Viarmes 75001 Paris
    Bourse de Commerce内3階
    ☎+33.(0)1.82.71.71.60
    昼12:00~15:00、午後15:00~19:00、夜19:30~24:00(LO22:30)
    火曜昼・午後休み
    ランチコース 3皿54ユーロ、おまかせコース 5皿78ユーロ、7皿98ユーロ
    アラカルト 前菜19~32ユーロ、メイン38~52ユーロ、デザート16~24ユーロ
    https://www.halleauxgrains.bras.fr/en
    Instagram:@halle_aux_grains_bras_paris


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