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Meetup / Report





味わって、知る
茨城の“本当” の魅力

Meetup / ReportJan. 16, 2020

text by Saori Bada / photogpraphs by Kiyu Kobayashi

初秋の9月、食のプロ達が訪ねたのは、東京からわずか1時間でアクセスできる茨城県。畑、里山、ブドウ園などさまざまな場所を巡り、肉、野菜、果物、ワインなど食材とその生産者を訪ね、育成方法や食べ方など産地ならではのお話を伺いました。

当日は1人でじっくり料理と向き合う人から、会話を弾ませるグループまで集い、満席に。



料理のヒントがたくさん詰まった食のショートトリップから戻ったら、さあ、今度は伝える番。「清澄白河フジマル醸造所」でMEETUPイベントの開催です。オーナーの藤丸智史さんとシェフの甲山雄也さんが出会った食材を主役に、茨城県の笠間焼作家による器とコーディネートしながら、テーブルの上で茨城の食の魅力を多角的に表現していただきました。

関西出身ながら、全国各地の食材に精通する藤丸智史さん(右)とシェフの甲山雄也さん(左)

参加者は、茨城の新鮮な食材を使った甲山シェフの料理をいただきながら、一皿ごとに食材の特徴や現地で感じたこと、料理についてなどをお二人から伺い、食材の味わいがより一層深まります。



当日ぎりぎりまで、レシピの調整を行った甲山シェフ。

一皿目は「〆鯖と富有柿のカルパッチョ」。大野香織氏の笠間焼の黒い八寸皿に、柿のオレンジ色が映えます。自然農業を営む仲居農園のカブとカブの葉はピクルスにして添え、すっきりした酸味が印象に残る前菜に。脂の乗った鯖をほどよく酢で締め、旬の富有柿と柿で作った上品な甘さのドレッシングを添え、味覚も視覚も秋らしく楽し気です。




各料理には、茨城県つくばワイナリーのワイン各種が自由に組み合わせられます。


当日提供されたワイン。(右から)茨城武藤観光農園のぶどうを使用した「マスカットベリーA」、つくばワイナリーの「ツインピークス(富士の夢)2013」「マルスラン2017」「ツインピークス(リースリング×北天の雫)2013」「ツインピークス(シャルドネ)2017」



今回のツアーで訪ねたつくばワイナリー・ツインピークスブランドの富士の夢や北天の雫などは、日本で生まれた山ブドウ系の品種を使用したワイン。穏やかな果実味、柔らかい味わいが、日本ワインのこれからを予感させてくれました。

二皿目は「あんこうのカダイフ巻き 浮島レンコンとレンコンのピクルス」。Keikondoの黄色がかった茶が華やかな笠間焼にレンコンの乳白色の組み合わせは、温かみを感じます。「まるっと太い浮島レンコンは、縦横の切り方で全く異なる食感になる特徴を存分に活かしたかった」と甲山シェフ。



切り方で食感が変わるレンコンの味わいは、今回の産地訪問で得た大きな収穫。

あわただしく厨房を行ったり来たりしながらも、しっかりと参加者への説明に時間をとってくれた甲山シェフ。


「横に切ったものはしゃきっと歯応えのよいピクルスに、縦に切ったものはローストしてほくっとした食感を、すりおろしたものはあんこうのだしを加え、とろみのあるソースに活かしました」。旬を迎えるアンコウは身をカダイフで巻いて揚げ、パリッと軽く。レンコンのソースを絡めることで、様々な食感のコントラストが楽しめる一皿です。



里芋、さつまいも、カブと自然農業を営む仲居農園の秋の味覚をふんだんに加えた一皿。


三皿目は「仲居農園のさつまいもを使ったニョッキ 仲居農園の里芋と奥久慈しゃものフリカッセ」。肉質がしっかりした奥久慈しゃもは火入れが難しいものですが、低温でゆっくり仕上げたしゃもの胸肉はしっとり柔らかく、旨味も濃厚で食べ応えあり。そこに合わせたのは、ほのかな甘さのニョッキ。



美しい器と料理のコラボレーションに、スマホのシャッター音が響く。



香りも甘さもしっかりしている仲居農園のさつまいもを練り込んでニョッキにし、小ぶりな里芋は皮ごと蒸して。


ニョッキのほのかな甘さとクリーミーなしゃものソースがよく合ううえに、ニョッキと共に出されたフォカッチャも会場で大人気。「つくばワイナリーのワインと、ブドウの搾りかすのヴィナッチャを練り込みました。ワインで味わう以外にも、パンでブドウを楽しんでいただければ」と甲山シェフ。あちこちのテーブルで、この組み合わせを楽しむ声が聞こえてきました。



生地はブドウ独特の風味がして、ぷちぷちした食感もあって香ばしく、クリーミーなソースとも相性抜群。



しゃものだしで取った旨味の濃いソースと合わせて楽しむ参加者たち。



メインディッシュは「奥久慈しゃものロースト しゃもの出汁で炊いたリゾット添え」。濃厚な奥久慈軍鶏の出汁で炊いたリゾットは、しゃも鍋の締めの雑炊からイメージしたという甲山シェフの説明に、参加者もうなずきながら味わいを堪能します。



ともすると硬く締まってしまうしゃもは、甲山シェフの腕でふんわりと。



しゃものローストは香ばしい皮もごちそうで、中はジュ―シー、皮はパリッとの火入れ具合に、地元茨城からの参加者もうなります。



ホクホクした栗を軽やかにモダンに仕上げた一品。



最後を飾るデザート「湯崎栗園 栗のタルト」は、上品な和栗のモンブランにシナモンやクローブ、ジンジャーなどスパイスたっぷりのクランブルを添え、和栗のシロップ煮をのせて。舟串篤司の乳白が柔らかい印象の器と組み合わせたモダンな雰囲気の、秋を感じる可憐な皿になりました。



「何気ない普段の都心の食卓の中で、鮮度を保持して届く茨城食材は、重要な役目を果たしている」と藤丸さん。



今回茨城のテーブルをプロデュースしてくださった藤丸さんは「どんな食材も、収穫してからできるだけすぐに料理できるのが理想で、産地と食卓が近いと何よりもおいしい。茨城県は東京からわずか1時間とすぐそばなので、まさに東京の食を支える大切な産地。旬のものも、朝採って夕方にはレストランに届くという近さは、とても有難いと感じます。



茨城食材は、目立たないけれども、東京の食卓の縁の下の力持ち。会場には県出身の参加者も。



東京が世界に誇る食都と呼ばれるのも、こういった素晴らしい食材が身近にあるおかげであり、また生産者と直接交流できることは、日々の刺激にもなっています」と、今回の旅の思い出を振り返りました。
茨城の魅力が目でも舌でも感じられる、食べるショートトリップのような2時間。参加者の皆さんは、次は自分で茨城を訪ねてみようという、大きなきっかけにもなった様子でした。



器は、すべて今回のシェフの料理のためにデザインされたもの。左の縦2枚が大野香織氏、中央の縦2枚がKeicondo氏,右の縦2枚が船串篤司氏の作品。



食事の終了後、器はお店でも販売しました。





【器作家プロフィール】 ※50音順

・大野香織
茨城県工業技術センター窯業指導所成形Ⅱ科修了後、堤綾子氏に師事。2004年茨城県笠間市にて独立。
12年茨城県つくば市に移築。陶芸教室「つくば陶スタジオ」主宰。つくば市の閑静な住宅街にて作陶。日本の伝統文化や茶にも親しみ、黒色の焼締め陶など使い勝手の良い器から茶道具も手がける。

・Keicondo
茨城県笠間出身。茨城県窯業指導所 釉薬Ⅰ科修了し、2009年笠間にて独立。
Keicondo色とも呼べる優しさと時に力強く温かみのある色彩が特徴。近年はkuroシリーズを発表し、新たな魅力を見せる。
https://instagram.com/keicondo/

・船串篤司
茨城県水戸市出身。酒井芳樹氏に師事し、茨城県窯業指導所 釉薬Ⅰ科修了。2009年笠間市にて独立。白釉、鉄釉、銀彩、貫入などを用いてさまざまな表情と舟串フォルムとも呼べる造形、料理を盛って完成する器を生み出す。
https://instagram.com/atsushifuna/







【問い合わせ先】
茨城県農産物販売推進東京本部

東京都大田区東海3-2-1大田市場事務棟4F
☎ 03‐5492-5411













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