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FEATURE / MOVEMENT

ベージュ アラン・デュカス 東京「10周年~シャネルとのランデヴー」“フレグランス”と“料理”を結ぶ自然界の香り

「CHANEL No5」。フレグランスの世界で燦然と輝きを放つ比類なき存在です。

1970.01.01


「CHANEL No5」。フレグランスの世界で燦然と輝きを放つ比類なき存在です。
東京・銀座「ベージュ アラン・デュカス 東京」は今年(2014年)、「10周年~シャネルとのランデヴー」と題して、シャネルとのコラボレーションを展開していますが、第3回のテーマは「魅惑の庭園」、“香り”です。
「シャネル」の調香師・研究開発ディレクターであるクリストファー・シェルドレイク氏とアラン・デュカスが会話を重ね、互いの専門性をぶつけ合う中から形作られました。






抽象のフレグランス、具象の料理

フレグランスと料理――一見、異なる世界のように思われるこの2つの底流にあるものは、実は共通です。
自然界の様々な事物に内在するアロマやフレーバーを引き出し、組み合わせることで、「心地よい」「おいしい」「うっとり」などと、人の五感に働きかけるものだからです。
嗅覚に訴えるフレグランス。
味覚、嗅覚、視覚、触覚とトータルに働きかける料理。
前者が、目で見たり、舌で味わったりしない分、イマジネーションに負う部分が大きく、抽象的な性格を持つのに対して、後者はずっと具象的と言えるでしょう。

料理が五感にトータルに働きかける中でも、ことに味覚と嗅覚は絡み合いながら機能していると言われますが、昨今では、より嗅覚に作用する方向へと、料理人の意識は向かっています。
料理がいっそう素材主義になり、自然派へと向かう中で、ハーブやスパイス、つまり、アロマで表現する領域が格段に広がっているのです。




香水の原液を手に取って

「シャネルのフレグランス工房から香水の原液をいただいたんですよ」と料理を担当した「ベージュ アラン・デュカス 東京」の小島景シェフ。




香水の原液の中から料理にふさわしいものを選んで試作を重ねた。

「ジャスミンやアンジェリカなど、料理と共通する草花が多いですね」
特に、小島シェフの興味を引いたのがアンジェリカでした。
食の世界でアンジェリカと言えば、コンフィズリー屋さんで売られている緑色の砂糖菓子として知られています。
蕗のような植物の茎の砂糖漬けで、日本でも昔、よくケーキの飾りに使われましたよね。
そのアンジェリカは香水の原料でもあるのです。

食の世界では茎を使い、フレグランスの世界では根から精油を抽出します。
茎はフローラルな香り、根はムスクのような独特の香りを放ちます。
小島さんは、その根から抽出したエッセンスを牛肉の料理に使いました。


引き出す香り、添える香り

試作の段階で、調香師・研究開発ディレクターのクリストファー・シェルドレイク氏が来日し、小島さんの料理を試食。

(c)CHANEL
シャネルの調香師・研究開発ディレクターのクリストファー・シェルドレイク氏。


「自分の目と鼻で確かめたいとおっしゃられて・・・。とても満足してくださいました」
どんな香りが料理を縁取ったかと言えば、アーティチョークにバラを、オマール海老にはヴェルヴェンヌを、ヒラメにはヴァニラを。
聞いているだけで、わくわくしてくるでしょう?
でも、小島さんにとっては、ちょっとした冒険だったようです。

「普段は、食材に潜む香りをいかに引き出すかに神経を使います。たとえば、仔牛のミルキーな風味を感じさせたいとか、アワビが持つ海藻の香り――あれは、アワビが海藻を食べているから香るんですね――それを引き出したいとか・・・。それらを際立たせようと思うと、余計なことはできない。アワビも、以前だったら、エスカルゴバター(パセリを混ぜたバター)でソテーしたりしていましたが、アワビに潜む香りと向き合おうとすればするほど、蒸すだけのほうがいいんじゃないか、となる。つまり、私自身は最近ますます他の香りを足すことをしなくなっていたんです」

「どうせ香りをまとわせるなら、ピュアに相性の良い香りを使いたいと思いました。そのためには、食材自体がどんな香りを抱え込んでいるのかをもっともっと知る必要がある。と同時に、香りをプラスすることで、新しい領域が開かれることも実感しました」




調香師になっていたかも?

小島さん、実は幼少の頃にお母様から「調香師になったら、いいんじゃないかしら」と言われたそうです。「においに敏感だったらしいです」。
その嗅覚は、今、料理人として生かされているわけですね。



小島さんはこんな可愛いスヌーピーの手帳にアイデアをメモしています。第1回「パリ-ダラス」の時のメモから。

香りへの意識とイマジネーションを高めてくれる「10周年~シャネルとのランデヴー」第3回「魅惑の庭園」は、12月5日(金)~7日(日)、東京・銀座「ベージュ アラン・デュカス 東京」で開催されます。

――「10周年~シャネルとのランデヴー」第3回「魅惑の庭園」の料理より――

ヒラメとオマール海老、マロンとヴァニラ、ポワロー添え
Hirame et homard bleu,marron légèrement vanillé, jeunes poireaux,sucs de cuisson

牛ヒレ肉の柑橘風味、根セロリ ジャガイモとレモン アンジェリック風味
Filet de bœuf croûté d’agrumes,céleri rave,pomme de terre et citron de pays cuisinés à l’angelique

イチゴのヴルーテ、ジャスミンの香り
Velouté de fraise,crème légère au jasmin


◎小島景シェフ

◎アラン・デュカス氏





今後の予定

第3回 : 魅惑の庭園 Le Jardin extraordinaire
2014年12月5日(金)~7日(日)
シャネルのパルファムにちなんだ花や草木の香りを取り入れたコース
ランチ:16,000円と26,000円の2コース
ディナー:26,000円の1コース
お問い合わせTEL:03-5159-5500
E-mail info@beige.co.jp





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