〝ジャンキー〞なおいしさで、野菜を看板料理に「カリフラワーステーキ カルダモンと自家製アリッサ」 プラントベースの始め方09

健康や環境への配慮から、植物性の食材を主体とする“プラントベース”な食事法が注目されています。肉や魚や乳製品に頼らずとも「おいしい」料理を作る知恵は、世界各地に存在します。身近なレシピからおいしくプラントベースを始めるヒントを紹介します。

日本料理を通じた社会復帰プログラム。北イタリアの刑務所で、プロが“和食の授業”を開催 Italy [Lecco]

2024年11月末、北イタリアの街レッコにある「ペスカレニコ刑務所」の食堂は、だしや照り焼きの香りに包まれた。イタリアで初めて、日本料理を通じた受刑者の再教育を目的としたプロジェクトが実施され、8名の受講者が、2日間で合計12時間の和食の授業に挑んだ。刑務所に協力したのはミラノにある調理師学校「ニッポン・フード・アカデミー(NIPPON FOOD ACADEMY)」だ。 初日は代表取締役パオロ・トゥッチ氏による和食の体系的な知識を学ぶ授業。醤油や米酢、柚子胡椒などの日本食材の知識から、“うまみ”や懐石料理の定義まで、日本料理の基礎知識を解説。2日目は同校の日本人講師、城戸貴志氏による実技指導が行われ、参加者たちは「鮭の手巻きずし」「おにぎり」「鶏の照り焼き」「豆腐とわかめのみそ汁」の4品を習得した。三徳包丁で鮭をおろす工程も含み、本格的なコース内容だったという。 スペインの星付きレストランで経験を積み、14年前からイタリアに在住する城戸氏は「この話を受けた時、受刑者たちが日本料理に興味を持ってくれるか心配でしたが、授業では全員が懸命に取り組んでいました。彼らと共に仕事ができたことは、私自身にとっても貴重な経験となりました」と話す。 調理実習では生徒が全受刑者と関係者、合わせて120名に刑務所初の和食ランチメニューを提供。刑務所にいることを忘れてしまうほどの充実した時間だったようで、ニッポン・フード・アカデミーの日本料理基礎コースの修了証を受領した受刑者からは、また実施してほしいという予想以上のポジティブな反響があったという。 翌日には、この前例のない取り組みが地元レッコの数社の地方紙の一面を飾り、料理業界のプロたちが協力した試みが高く評価された。 ペスカレニコ刑務所のルイーザ・マッティーナ刑務所長は、今回の日本料理コースは単なる料理教室以上のものであり、受刑者にとって新しいスキルの習得、自己形成、日本という遠い国、異文化とのつながりを提供する有意義な機会となったことを評価。料理を通じて、他者との連帯感が促進され、外部の世界との新しい関係を築くきっかけになったと強調した。 「食」の力を通じて受刑者の社会復帰、再犯率の低下を目指すイタリア。革新的で多様なプロジェクトの成果に期待が寄せられている。

中東・ドバイで日本のプラントベースのパンを焼く。砂漠に芽吹くサステナブルな食文化

食料自給率が2割を切る砂漠の地で、あえて地産地消を試みるレストランが「Teible(テイブル)」です。2024年夏、テイブルは日本の小さなプラントベースベーカリー「ユニバーサルベイクス」と手を組みました。「この地だからこそできる挑戦」にかけた、両者の出会いから始動までを追います

昔懐かしの郷土料理をドイツ国民が再評価の兆し?ダンスホール併設の目から鱗の注目店 Germany [Berlin]

ドイツではこれまで、ドイツ料理の人気は非常に低かった。2019年のある調査によれば、対象となった52カ国のうち、国内で郷土料理の看板を掲げているレストランが最も少ない国がドイツだったという。しかしここ数年で、再評価の動きが高まっている。

77歳。「畑もあるし、野菜作ってるなら『お好み焼き屋』でもやろかなって」 生涯現役|広島・安芸太田町「星の郷 あまんど」増田初美

広島市内の電気屋に勤めた後、市内で34歳から19年間、喫茶店兼カラオケスナックを切り盛り。両親が他界したのを機に、安芸太田町に戻り、築150年を超える実家を改装して「星の郷 あまんど」を開業。カラオケの十八番は、美空ひばり、天童よしみ。趣味は畑仕事。店の隣にある2アール(200平方メートル)の畑も一人で管理している。

インド産スペシャルティコーヒー×インド産クラフトジンで新しいカクテル体験を提案 India [Mumbai]

インドの飲み物といえばチャイがおなじみだが、実は南インドはコーヒー文化圏として知られる。たっぷりのミルクと合わせる南インド式フィルターコーヒー「カーピ」にインスピレーションを受けたコーヒーマティーニが誕生し、反響を呼んでいる。

新麦コレクションの全粒粉「61 SIXTY-ONE」で考える、80年前の品種「農林61号」が注目される理由。

外麦に負けない製パン適性を持つ新しい品種が次々と誕生する中で、麺用粉とされてきた農林61号をあえて使うパン職人がいる。国産小麦によるパン作りが浸透した今、街場の職人たちが次のステップとして見据えるのは、自分たちの足元の麦で焼くパン――そんな動向の表れだろうか。