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FEATURE / MOVEMENT

Birdy グラスタオル開発物語 vol.1

飛躍的に快適な拭き心地を実現する

2019.04.05

text by Kyoko Kita / photographs by Hide Urabe

「二度拭きがいらなくなった」「1日に何枚も取り替えていたのに、1枚で足りるようになった」「瞬時に水滴を吸い取り、しかも吸水性が持続する」「拭き上げた後のグラスの輝きがまるで違う」「拭き心地が驚くほどスムーズで、手肌にもやさしい」……
「BIRDY.」のグラスタオルを使うバーテンダーやソムリエは、その性能と使い勝手の良さを驚きと共に評価します。「バーテンダーの仕事が飛躍的に快適になる、かつてないツール」という声も聞かれます。

現場で生まれ、現場で進むものづくり

「BIRDY.(バーディ)」は、自動車部品や建材などを製造する愛知県豊田市の「横山興業」が、金属加工の技術を生かして展開するファクトリーブランドです。
2013年に第1弾として誕生したフラッグシップ商品のカクテルシェーカーは、丸みを帯びた独特のフォルムと、職人が1点1点内部を研磨して縦方向に施す0.0001㎜=0.1ミクロン単位の凹凸が特徴。従来のシェーカーとは一線を画す使いやすさと、そのシェーカーが生み出す味わいの完成度が、国内のみならず海外のトップバーテンダーからも支持されています。





Birdyカクテルシェーカーについて
内部を研磨してつけた凹凸が繊細な泡を生み、カクテルの香りを開かせ、まろやかな口当たりを飲み終わりまで持続させる。また横方向に刻まれていることの多かった凹凸を縦方向につけることで、よりスムーズにカクテルを混ぜ合わせることが可能に。直線的ではなく流線形のフォルムは、手の小さい女性のバーテンダーにも持ちやすいと好評。日本が誇るべきすぐれた地方産品“The Wonder 500”に選出されている。



カクテルシェーカーやタンブラー、デキャンタなど、用途に合わせて最適な研磨を施す。最終段階では、通常はステンレス加工に使われない工業用ダイアモンドペーストを使い、磨きの精度を高める。1点1点職人の手が生み出すミクロの凹凸は、お酒や果汁などの素材の風味を最大限に引き出す。



自動車産業という全くの異分野からの参入にも関わらず、これほどまでに成長したのはなぜか?理由のひとつが、徹底した現場主義にあります。



BIRDY.のブランドマネージャーの横山哲也さん。



「シェーカーが実際に使われている現場へ行かずには作れません」と、BIRDY.のブランドマネージャーである横山哲也さんは言います。
バーテンダーがシェーカーに求めているのは何か。不満に感じている点はどこか。何を考えながら振っているのか。シェーカーの中で何が起きているのか。
「客として何度もバーに通い、様々な考え方を持つバーテンダーから意見やアイデアをいただきました」

2014年からは、英国を拠点として世界的に活躍するカリスマバーテンダー、エリック・ロリンツ氏とタッグを組み、さらに高度なレベルで性能や使い心地を追求するようになりました。試作品を最低2~3週間、実践的に使ってもらい、その感想をヒアリング。完成後も現場での最終トライアルを経てから発売に臨みます。
BIRDY.のものづくりは、常に現場から始まり、現場の声と共に進むのです。



拭くストレスを減らすために




グラスタオルの開発も、きっかけは現場にありました。
ある日のこと。横山さんはいつものようにカウンターに座り、バーテンダーの動きをじっと観察していました。すると、グラスやシェーカーなど物を拭いている時間がとても長いことに気付きます。横山さん自身、デパートなどでデモ販売をする際、拭くという作業をストレスに感じていました。
また、精巧に作られたBIRDY.のカクテルシェーカーを普通のタオルで拭くことで傷がついてしまわないか、心配する声も上がっていました。
「もっと良いタオルがあれば、素早く、快適に、傷を気にせず拭けるようになるのではないか」
現場で拾い集めたアイデアの種は、こうして横山さんの中で芽を出したのです。

海外へ生産拠点が移るなか、日本のモノづくりを絶やしてはならないという信念の下、BIRDY.シリーズは全てのパーツが国内の工場で作られている。実は“Made in Japan”には規定がない。最終加工を国内で行っただけでも表記ができるが、信念を持ってものづくりに取り組む姿勢を“All processed in Japan”として表明している。



ひょっとすると、そのバーテンダーにとって、グラスを拭く時間が特別長いとは感じていなかったかもしれません。何脚も拭いているうちに水を吸わなくなるのも、毛羽がついてしまうのも、二度拭きが欠かせないのも、干してもなかなか乾かないのも普通のこと。グラスタオルとはそういうものだと思って使っている。それがメジャーブランドのものであればなおさらです。

しかし、横山さんは言います、「完成形だと思っているものでも、まだまだ育つ可能性がある」。
カクテルシェーカーがそうでした。従来の常識をリセットし、ゼロ地点から構造を検討。0.1ミクロンという人の手でしか出せない領域に踏み込んだ「アナログハイテクノロジー」を実践することで、カクテルシェーカーの可能性を切り開いたのです。
「タオルも同じように、突き詰めれば良いものができるという直観がありました」。

金属加工を売りにしてきた横山興業にとって、タオルの開発は未知の世界。しかし、自社にない技術を他社の技術で補いながら形にするノウハウは、自動車部品製造で培われてきたものでした。何より現場の声という最強の羅針盤が目指すべきゴールへと導いてくれる。「素材が変わっても、飛び抜けた品質を実現して、ものづくりの幅を広げたい。そして現場の人々の望みを叶えるブランドとしてさらに成長させたいという思いがありました」



グラスタオルのあるべき姿を徹底探求

マイクロファイバーは吸水力に優れている反面、使用率100%だとグラスに吸い付き過ぎる感覚がある。そこにポリエステルを適量混ぜることで、手にやさしく、吸水力は維持しながらも滑りがよくなり、拭き心地がスムーズになった。



かくして始まったグラスタオルの開発は、繊維問屋との連携により進められていきました。
先行して開発が始まっていたキッチンタオルに求められる性能は、圧倒的な吸水力と、湿っても吸水性が落ちない保水力、速乾性、拭く物や肌を傷つけない柔らかさ。グラスタオルに関しては、それらに加えて、滑りの良さやストレッチ性も望まれました。すべてを叶えるため、糸や織り方を変えて何度も試作。



ソムリエやバーテンダーが求める理想を叶えるため、糸選びから織り方まで2年がかりで模索。織り機の違いまでも見極める厳しい目が現場での評価に繋がっている。



「同じ工場で、同じ糸、同じ織り方で作ってもらっても、織り機が違うと質感が微妙に変わるんです」。ミクロの世界を極めてきた厳しい目で、「グラスタオルのあるべき姿」を追求していったのです。

2年がかりで完成したグラスタオルは、吸水力に優れた最高品質のマイクロファイバーに、適量のポリエステルを混ぜて滑りの良さを実現。縁のステッチをなくすことで、グラスの細い溝にもフィットし、乾きも早く、洗練された美しいデザインに着地しました。
その使い心地は冒頭の通り。BIRDY.のグラスタオルは、今日も現場に立つバーテンダーたちの仕事を静かに支えています。




レストランや家庭のキッチンでも大活躍

BIRDY.のグラスタオルが活躍するのはバーカウンターばかりではありません。レストランや家庭のキッチンで、グラスのみならず、様々なガラス器でもそのポテンシャルを発揮します。

「これからの季節はガラス器が多用されるだけに、拭き心地の良いグラスタオルを選びたいですね」と語るのは、料理家・松田美智子さんです。

「BIRDY.のグラスタオルはサイズがたっぷりしているので、場所を変えながら、存分に吸い取れる。手触りが滑らかで滑りも良く、気持ちよく拭き上げられます」



縁が波打つ流麗なデザインのガラス器を、BIRDY.のグラスタオルで拭き上げる。ガラス器は曇りのない輝きが命。



BIRDY.のキッチンタオルなら、松田美智子さんが自ら開発した愛用の土鍋「香味鍋」もご覧のように余裕の拭き上げ。






◎ Birdy グラスタオル/BIRDY. Supply
サイズ:M 40×70cm、L 40×90cm
カラー:クールグレー
素材:ポリエステル85%、ナイロン15%
原産国:日本
価格:M 2052円(税抜価格1900円)L 2592円(税抜価格2400円) 

購入はこちら http://www.birdy.shop/
http://birdy-j.com/

◎ 販売元 横山興業株式会社
471-0815 愛知県豊田市大見町1-61
☎ 0565-58-5558





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