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FEATURE / MOVEMENT

フィンランドに学ぶスモールフードビジネスの始め方(全4回) vol.1 「レストラン・デイ」の仕掛人 

1970.01.01


フィンランドの首都、ヘルシンキで今もっとも注目のエリア、カッリオ地区のベジタリアンレストランに現れたこの人。ティモ・サンタラは、ヘルシンキ市職員であり、世界最大のフードフェスティバル「Restaurant Day」の仕掛人だ。
開口一番、「Good city people eat well(イケてる町の市民はいい食生活を送っている)」と話すティモが2011年、ゲリラ的に仕掛けた1日限りの移動自転車バーが、“Restaurant Day=誰もが、どこでも1日限りのレストラン(カフェ、バーetc.)を開ける日”として、世界中に飛び火。これまでに世界71カ国、8万人が1日限りの店主として参加する世界最大のフードフェスティバルに成長した。


Photo by Timo Santala



Photo by Kimmo Lind



「ヘルシンキの人口はたった500万人、資源は水と森だけで、高齢化も進んでいる。経済が縮小する中、生き残るためには、クリエイティブで革新的なアイデアを資源にする産業に力を入れるべき」とティム。でも、どうやって?



Photo by Marinella Ruusunen



Photo by Anssi Kumpula



「食は人生の重要なファクターだよね。おいしく食べることは健康福祉に繋がる。病気になった人の医療を考える前に、健康な気持ちで暮らせる町をつくること。そして、EUの中で人は自由に動く。住みやすい町はどこかな? と考えたとき、食べ物がおいしい町は自ずと“住みたい町”になる。ヘルシンキは小さい町だからこそ、市民を巻き込んで普通の人が暮らしやすい町になろう、というのがヘルシンキ市の政策なんだ」

そしてティモが、市の許可なく(!)始めたのが「Resturant Day」だ。


Photo by Tuomas Sarparanta



Photo by Marinella Ruusunen



「料理をつくって人をもてなす。これって誰でもやりたいことじゃない? どんな人も参加できて、コミュニティ作りにも繋がる。何より、こんな店があったらいいなと自由に発想して、それを実現できる。赤ちゃん向けレストランでも、おじいちゃん、おばあちゃんのレシピ専門店でもいい。営業許可? もちろん、ないよ。でも僕たち何でも許可を得て行動することに慣れすぎている。レストラン・デイは良いアイデアだから、やってみた。あっという間に広がったのは、それが楽しいから。日本のお花見みたいなものじゃないかな」



Photo by Anssi Kumpula



年に4回。世界規模で開催される「Resturant Day」は、ティモを始め3~9人のコアメンバーと世界中のアンバサダーメンバーによってボランティアで運営されている。 いわば公に法を破ってスタートしたこのムーブメントは、2011年にフィンランド教育文化省から表彰されたのを皮切りに、食文化、観光、ソーシャルメディア活用の観点など様々な賞を受賞する。次回開催は2016年2月21日。もちろん日本からも参加できる。詳細はこちらをチェック!
http://www.restaurantday.org/ja/







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