HOME 〉

FEATURE / MOVEMENT

GALBANI ASSAGGIAMO! ガルバーニ通信

vol.5 リコッタ x 「リストランテ センソ」近藤正之シェフ 編

1970.01.01

text by Mieko Sueyoshi / photographs by Hide Urabe

日伊のプロが愛用する「ガルバーニ」のチーズ。
現地の味を、体で知っているシェフに、その魅力を引き出す料理を教えていただきます。

連載5回目は、再びリコッタの登場です。
10数年に渡り滞在したイタリアで活躍した後、2015年末に帰国し、業界から注目を集める「リストランテ センソ」近藤正之シェフに、リコッタが決め手となる斬新な一皿を教わりました。



ムール貝の深い旨味に、リコッタのコクを加える。

世界中のシェフ達が愛用するイタリア最大手老舗ブランド「ガルバーニ」。高度な品質管理と伝統製法から生まれるリコッタチーズは、ミルキーな甘味と上品な口溶けで、料理やドルチェに幅広く使われている。

「イタリアでは水牛のリコッタをよく使っていたのですが、製品によって水分量にばらつきがあり、水分量が少ないものはラヴィオリの詰め物にするしかなかった。その点、ガルバーニのリコッタは適度な水分量があるので、必要に応じて自分で水分量を調整でき、とても使いやすいです」と近藤シェフ。品質の安定性にも信頼が置けるという。

「センソ風 ムール貝のフィレンツェ風」は、クリーミーな貝のスープに浮かべたムール貝に、酸味のあるトマトソースとレモンの泡、パセリを添えた前菜。
ムール貝は高温に熱した鍋に入れて炭酸水で蒸すため、身がレアな状態で取り出せ、ふっくらとした食感が楽しめる。またムール貝のだしが効いたスープにはミルクの甘味とレモンの酸味がバランス良く溶け合い、ミルキーでコクのあるリコッタの特長が最大限に活かされている。

近藤シェフはリコッタを「野菜など味が単調で水っぽい素材にコクを足す“固形の生クリーム”」と位置づけ、焼いて皮を剥いたナスのピュレと混ぜてソースにしたり、水分を絞ってジャガイモと合わせてニョッキにしたりするのだとか。ムール貝のスープも、リコッタを足して味を深める技が活かされている。

Cozze alla Fiorentina
~ センソ風 ムール貝のフィレンツェ風~

シェフの技がわかる動画付きのレシピはコチラから!

[材料](6皿分)
ムール貝 …… 800g
炭酸水 …… 200ml
<スープ>
ムール貝のだし汁 …… 100g
ガルバーニ リコッタ …… 250g
<ソース>
トマトピュレ(裏漉ししたもの) …… 150g
水 …… 適量
塩 …… 1g
E.V.オリーブ油 …… 5g
<レモンの泡>
水 …… 200ml
砂糖 …… 20g
大豆レシチン …… 3g
レモン汁 …… 30g
<仕上げ>
レモンの皮(すりおろす) …… 適量
イタリアンパセリ …… 適量

[作り方]
1. フライパンに蓋をして強火で空炊きをし、薄く煙が立つまで熱する。
2. ムール貝、炭酸水を加えてすぐ蓋をし、2~ 3分蒸す。
3. 鍋の中が大きく煮立ち、ムール貝の殻が開いたらザルで漉す。だし汁とムール貝を分ける。
4. 3のだし汁を目の細かいザルで漉し、砂などのゴミを取り除く。だし汁のボウルを氷水にあて、ヘラで混ぜながら粗熱を取る。
5. 3 のムール貝の殻から身をはずし、足糸(身に付いている糸のような部分)を指で引っ張って取り除く。4 のだし汁に戻し入れ、ヒダの部分の汚れを洗い流す。再びだし汁をザルで漉す。
6. ボウルにリコッタチーズと5 のだし汁を加え、泡立て器でまんべんなく混ぜる。
7. 6をザルで漉し、滑らかにする。
8. ソースを作る。鍋にE.V.オリーブ油とトマトピュレ、水を加えて火にかけ、ひと煮立ちしたら弱火に落とし、塩を加えて味を調える。
9. コップ型のプラスチック容器に移し、ハンドミキサーで撹拌して滑らかにする。
10. レモンの泡を作る。鍋に水、砂糖、大豆レシチンを入れてマドラーで混ぜながら強火にかけ、ひと煮立ちしたらレモン汁を加えて混ぜ、火からおろす。
11. 10をハンドミキサーで、細かな泡がしっかり立つまで撹拌する。
12. 器に7 のスープを流し、5 の身と8のソース、オリーブ油(適量・分量外)、10の泡を盛りつけ、レモンの皮、イタリアンパセリを散らす。

今回のレシピに使用しているチーズは、ガルバーニ リコッタ250gです。



シェフの技を、動画でチェック



   Column 僕とイタリアチーズの想い出




「リストランテ センソ」近藤正之シェフ
印象深いのはピエモンテ時代に知ったペッピーノ・オッチェッリ氏のチーズです。
アルプス山麓にある工房の、カステルマーニョはじめ十数種類のチーズは、牛が放牧される場所の違いや、シーズンによって食べる草の違いでミルクの味が異なります。そのミルクの味を毎回確かめてから、昔ながらの製法でチーズを作る職人気質には感動しました。



◎Ristorante Senso リストランテ センソ
東京都港区白金台5 -17-10
☎ 03-5449-6777
18:00 ~ 21:30LO 日曜休
東京メトロ、都営線白金台駅より徒歩5 分

お問い合わせ先
◎ラクタリス・ジャポン
☎ 03-5730-6191
www.galbani.jp




















料理通信メールマガジン(無料)に登録しませんか?

食のプロや愛好家が求める国内外の食の世界の動き、プロの名作レシピ、スペシャルなイベント情報などをお届けします。