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JOURNAL / JAPAN

日本 [宮崎]

日本有数のトロピカルフルーツ産地

在来種を守ることと新品種への挑戦が未来をつくる

2016.06.25

樹上で糖度を上げて、そのままおいしく
「完熟きんかん」

日本におけるキンカンの歴史は、江戸時代に中国から伝えられたことに始まると言われています。それ以前から存在したという説もありますが、古くから栽培されてきた品種の名前が「寧波(ネイハ)」(中国・浙江省にある都市の名前)と聞くと、中国渡来説が濃厚かもしれません。

宮崎では伝統的に「寧波」の露地栽培が盛んでした。しかし、1981年2月、マイナス9℃という大寒波に見舞われ、多大な被害を受けてしまいます。以来、結実する時期になると、キンカンを守るため、ビニールで覆うようになり、ハウス栽培へと移行していくのです。

キンカン生産量日本一の名誉にかけて、品質も日本一を目指して磨き上げられたのが、この「完熟きんかん」。生で食べることを目的として、ハウス栽培で開花から210日以上置いて、樹上で完熟させています。樹上での完熟により、大きく甘く、丸ごとそのまま食べられるキンカンになります。

完熟きんかんの中でも、糖度16度以上を「たまたま」、糖度18度以上で直径3.2cm以上は「たまたまエクセレント」と称されます。ちなみに「たまたま」という名前は「玉々」ではなく「偶々」、おいしいキンカンはたまたましか実らないという意味が込められています。


憧れのトロピカルフルーツ
「ライチ」

パパイヤ、マンゴー、フィンガーライムなどトロピカルフルーツの優良産地としても名高い宮崎ですが、最近力を入れているのは「ライチ」。平成22年度からハウスによる栽培もスタートさせるなど本格的に取り組んでいます。生のライチは、輸入の冷凍ライチにはないみずみずしい食感と爽やかな香りが身上。それにしても、憧れのトロピカルフルーツを生で楽しめるのはうれしい限りです。

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