アラン・デュカスのDNAを受け継ぐ2人によるコラボレーション・イベント開催報告
2025.03.14

京都・嵐山のスモール・ラグジュアリーホテル「MUNI KYOTO by 温故知新」で京都きってのガストロノミーを提供する「MUNI ALAIN DUCASSE」。2025年2月26日、27日、パリを代表するパラス「ル・ムーリス ドーチェスター・コレクション」の二ツ星レストラン「Le Meurice Alain Ducasse」エグゼクティブシェフ、アモリー・ブウール氏を迎えて、“FOUR HANDS DINNER”と題するコラボレーション・イベントが開催された。


アモリー・ブウール氏と「MUNI ALAIN DUCASSE」のエグゼクティブシェフ、アレッサンドロ・ガルディアー二氏は、「Le Meurice Alain Ducasse」で共に腕を磨いた仲。アレッサンドロ氏は、2022年7月の現職着任まで、アモリー氏のアシスタントシェフを務めていた。副題に「パリと京都、友情が紡ぐコラボレーション・イベント」と謳うように、アラン・デュカス氏のもとで切磋琢磨した同士が再びタッグを組んで美食の宴を披露した。

世界には様々な料理が存在する。国ごとに、地域ごとに、それぞれの気候風土の上に独自の料理文化が築かれている。そんな中で、フランス料理の技術は、世界中が学び、世界中で行使されている。あたかも言語における英語のように、音楽におけるクラシックのように。
フランス料理が世界中どこでも成立する理由を、アレッサンドロ氏は「適応力」という言葉で説明する。土地によって自然環境や生活様式は異なるが、その違いに適応できる技術体系をフランス料理は持っているということだ。さらに「それをベースとして、料理人の個性を発揮していく」と語るのは、アモリー氏。
アラン・デュカス率いるデュカス・パリは世界9カ国30のレストランを展開するが、ひとつとして同じレストランはない。それはシェフの個性もさることながら、各々の土地の自然環境や食材、精神性に適応して料理が生み出されていくからである。それこそがアラン・デュカス氏の哲学であり、デュカス氏に学んだシェフたちはそのDNAを受け継いでクリエイションを繰り広げている。

2年半ぶりに一緒にキッチンに立ったアレッサンドロ氏の仕事ぶりに、アモリー氏は「地元の生産者とのコミュニケーションの中で食材を決めながら、素材が持つ自然を表現している。デュカスのDNAが発揮された料理を提供していると感じました」と話す。それを受けて、アレッサンドロ氏は「たとえば、今の季節で言えばタケノコだったり、京都の食材には良い意味で影響を受けています。市場へ行けば、魚の種類が豊富で、活締めが施された質の高いものが並ぶ。それらと向き合うことで、フランス料理の技法を駆使しながら自ずとこの土地の表現になっていく」と京都で料理する醍醐味を語った。
“FOUR HANDS DINNER”では、両シェフそれぞれ3品ずつに加えて、アミューズを2品ずつ提供した。日本料理へのオマージュを組み込んだアモリー氏、日本の食材と向き合う日々の仕事の結実を感じさせたアレッサンドロ氏。華やかさの中に潜むフランス料理の強靭さを実感させるコラボレーションだった。






「MUNI ALAIN DUCASSE」
京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町3 MUNI KYOTO by 温故知新
17:30~(最終入店19:00、21:00LO)
水曜休
☎075-873-7771(10:00~18:00)
https://muni.by-onko-chishin.com/
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