乾き物とは思えない極上の旨味「ブイヤベース風スープ」 フェーズフリーな食材レシピ:乾物・缶詰

乾物や缶詰など、常温で長期保存でき、ビタミンやミネラルなど栄養価も高い食材は、備蓄食品にも向く優れもの。普段の食事で使い慣れておくことで、「いざという時に賞味期限が切れていた」「食べ慣れない味で食が進まない」という問題も避けられます。「いつも」と「もしも」をつなぐフェーズフリー*な食材を、おいしく活用するレシピ。今回はアウトドアで重宝する乾物や缶詰を活用したレシピを紹介。防災に通じるアウトドア・テクニックも必読です。

ナポリの家庭料理フリッタータを極上素材でヘルシーなファストフードに Italy [Milano]

2024年1月6日、ミラノ市南部のボッコーニ大学地区に、ミラノ発パスタのフリッタータ専門店「ティーナ・マッケローニ(Tina Maccheroni)」がオープンした。 パスタのフリッタータとは元々、残り物のパスタに卵を混ぜ、オリーブ油をたっぷり入れたフライパンで焼くナポリの家庭料理。そのおいしさのあまり、この頃は残り物パスタではなく、初めからフリッタータ用に作ることもある。SNSでも活躍するナポリ出身シェフ、エドアルド・ノティチアさんもケータリングの際にいろいろな味のフリッタータを並べて、好評を博した。 2023年、知り合った同じくナポリ出身のフランチェスコ・グアルディネーラさんと意気投合し、試作を重ねて「洗練され誰もが楽しめるフリッタティーナ」を考案する。形状もワンポーションの小さな丸型にし、オーブン加熱にしてオイリーさを控え、素材にも気を配った。パスタは乾麺で有名なナポリ近郊グラニャーノ産のブカティーニを使い、平飼いの新鮮な有機卵や苦味のある野菜フリアリエッリ、エトナ産ピエンノロ(吊るしプチトマト)などを取り寄せ、あくまでもナポリの味を守る。

おやつのように食べたくなる魚料理。“フィッシュケーキ”売上アップ大作戦 Norway [Oslo]

海産物大国のノルウェーだが、家庭では海産物よりも肉が圧倒的な人気を誇る。養殖サーモンなどは日本など国外での需要が高い。共働き家庭が多く、魚の調理方法がわからない世代もいるノルウェーでは、一般家庭に魚をもっと浸透させようと、食品業界が様々な手法でアピールしてきた。 ノルウェー海産物審議会の年次カンファレンスが開催された2024年1月、北欧地域のシーフード製品の製造・販売に携わるインシュラ(INSULA)社の事業開発部長インゲル・ヨハンネ・ソルハウグさんが、業界に向けて、「消費者主導のイノベーションは可能だ!」と力強い成功ストーリーを共有した。

スパイスが口の中で、花火のように弾ける「大豆ミートのペッパーマサラ」 プラントベースの始め方40

健康や環境への配慮から、植物性の食材を主体とする“プラントベース(Plant Based)”な食事法が注目されています。肉や魚や乳製品に頼らずとも「おいしい」料理を作る知恵は、世界各地に存在します。身近なレシピからおいしくプラントベースを始めるヒントを紹介します。

ガストロノミックなパイ包焼きにかぶりつく!若手料理人が手掛けるストリートフード France [Paris]

高級バーガーなどグルメストリートフードが人気のパリに、新たな注目店が誕生した。トゥルト(パイ包み焼き)専門店「グルート(Groot)」だ。仕掛け人はテレビの大人気料理コンテスト番組の、2023年優勝者と参加者コンビ。揃って三ツ星レストランでの修業経験を持つ20代半ばの若者だ。 ジューシーな具材をフイユタージュ生地に包んで焼き上げるトゥルトは、火入れ加減が難しく、高度な技術を要する伝統的ガストロノミー料理の代表で、高級店の腕利きシェフらがスペシャリテにするレベルの料理。それをストリートフードで展開し、多くの人々に楽しんでもらうコンセプトだ。

インドのフードシステムをニュースレターで配信。対話を生む若手リーダーに世界が注目 India[Bangalore]

環境を含め、社会全体が大きな変革期を迎えている今、人々を支え、未来を育くむフードシステムの構築は重要課題である。 エンジニアのアヌシャ・ムールティさんと料理人のエリザベス・ヨークさんは、2018年1月、イタリアのモデナ・レッジョ・エミリア大学大学院の修士課程「フードイノベーションプログラム」でクラスメイトとして出会った。アヌシャさんはテクノロジー導入の観点から、エリザベスさんは食関連の教養を深めるために、それぞれのバックグランドを活かしてフードシステムを学ぶために参加したのだ。 「コースワークは西洋的な視点が主体だったので、インドに当てはめるとどうなのか、まず現状を知るべきだと思いました」と2人の意見は一致。すぐに、インドのフードシステムを伝えるためのニュースレターの作成を始めた。翌月には、インドにおける細胞農業の未来や、フードデリバリースタートアップなどのニュースをピックアップした「エディブル・イシューズ(edible issues)」の第1号を、知り合いを中心に配信。これまでになかった「学び、対話し、異なる視点から食について考える場」の反響は広がり、配信を重ね、2018年7月にはインド・ムンバイ市のレストランで初めてのイベントを開催した。

手でポイポイつまめる「スパイシーヒヨコ豆」 フェーズフリーな食材レシピ:ヒヨコ豆

乾物や缶詰など、常温で長期保存でき、ビタミンやミネラルなど栄養価も高い食材は、備蓄食品にも向く優れもの。普段の食事で使い慣れておくことで、「いざという時に賞味期限が切れていた」「食べ慣れない味で食が進まない」という問題も避けられます。「いつも」と「もしも」をつなぐフェーズフリー*な食材を、おいしく活用するレシピ。今回は乾燥ヒヨコ豆を使ったスパイシーな南インドのつまみを教わります。

味見、味見、味見・・・その連続から生み出される菓子 東京・碑文谷「パティスリー ジュンウジタ」宇治田 潤

一度食べたら忘れない、「この人のお菓子をまた食べたい」と思わせるお菓子には、その人にしか描けない味の着地点と、おいしくなる原理原則が詰まっています。若手からベテランまで、6人のパティシエの人格のあるお菓子への道筋を解き明かします。第2回は東京・碑文谷「パティスリー ジュンウジタ」のエクレア。

ひとたらしで料理に深みを与える「檸檬塩」 【DIYレシピ29】野村友里

塩蔵、乾燥、発酵・・・調理メソッド&テクニックを身に着けて、普段買っている食べ物を一から作ってみると、自分で味を作る喜びや安心感を得られます。天日に干したり、発酵させたり、自然の力にゆだねるレシピは、人間本位ではない生き方を学ぶ処方箋。シンプルな材料と道具で作れる自家製アイテムを食のプロに教わります。今回は、料理にキレと深みを与える「檸檬塩」。季節の柑橘でも応用できる自家製調味料です。

小松菜栽培を通して「食と農」の理想形を探る 有機栽培の小松菜 [群馬]未来に届けたい日本の食材 #38

変わりゆく時代の中で、変わることなく次世代へ伝えたい日本の食材があります。手間を惜しまず、実直に向き合う生産者の手から生まれた個性豊かな食材を、学校法人 服部学園服部栄養専門学校理事長・校長、服部幸應さんが案内します。

人を治癒する果実、ベルガモットの再生の旅 Vol.71 カラブリア州のベルガモット栽培農家&加工品生産者

パリの老舗カフェ「ル・プロコープ」、アールグレイ、オーデコロン。 この3つに共通するものと言えば、ベルガモットだ。希少にしてミステリアス、さらに信じられないほど多くの栄養素を含んだ果実。木の高さは3~4メートル以上にも達し、デリケートでうっとりさせる香り、口にすればレモンのような苦味がありながらレモンよりフルーティーだ。 栽培できるのはレッジョ・カラブリア県のイオニア海を望む海岸線 150 キロのエリアで、収穫時期は11 月から2月。この地で 100 年以上もベルガモットを生産している一家の一員、ジョバンナ・ピッツィ(Giovanna Pizzi)に話を聞いてみよう。 「ベルガモットが食品として利用されるようになったのは 1500 年代に遡ります。当時、神聖ローマ皇帝カール5世の祝宴に、皮を砂糖漬けにしたものが供されていたそうです。その後、シチリアの貴族だったフランチェスコ・プロコピオ・デ・コルテッリという人が、カラブリアでベルガモット精油の存在を知り、1686 年にパリで「ル・プロコープ」というカフェを開きました。そこでベルガモット精油を用いた薄黒くエキゾチックな飲み物が人気を博し、アクエ・ジェラーテ(acque gelate=氷水)に混ぜたり、ベルガモットのソルベとして提供していました。 太陽王ルイ 14 世は、感染症を恐れて体をあまり洗おうとはせず、そのぶん香水を大量に用いたため、ベルガモット精油から作られた香水はベルサイユ宮の寝室を飛び出し、ヨーロッパ中の優雅なサロンに瞬く間に普及していきました。後にオーデコロンと呼ばれるようになったこの「アクア・アドミラビリス(素晴らしい水の意)」は、ベルガモットがなかったら生み出されなかったでしょう。 いっぽう紅茶の「アールグレイ」は、1830~34 年に英国の首相を務めたチャールズ・グレイ伯爵にベルガモット精油を加えた紅茶が贈られたことに因んで名がつけられました」

優しい甘味がじわり広がる「ダイコンの春巻き」 レスキューレシピ【冬野菜編】

日本の食品ロス量は年間 570 万トン*と言われています。生産者が丹精込めて作った食材を無駄にしないための活用レシピをシェフに教わります。今月のテーマは【冬野菜】。ダイコンや長ネギ、冬においしくなるサツマイモなど、ある程度日持ちはするものの、安心しているとつい食べ時を逃してしまう・・・。そんな日常の食材を上手に使うワザを紹介します。*農林水産省「日本の食品ロスの状況(令和元年度)」