マリネして、豪快に焼き上げる「仔羊の炭火焼」
【アウトドアレシピ】「オルガン」紺野真さん
2025.11.06
photographs by Kouichi Takizawa
連載:アウトドアレシピ
アウトドアの新メニューに加えたい、外でも作りやすく、家でもリピートしたくなる味をプロに習います。今回はマリネして焼くだけの、豪快な「仔羊の炭火焼」。網の上を移動させて火力を調整するのがポイントです。
目次
教えてくれた人:東京・西荻窪「オルガン」紺野真さん
高校卒業後、1987年に米国・ロサンゼルスに移住。南カリフォルニア大学に通いながらロックミュージシャンを目指すも、現地のレストランで働いた経験から食の世界に転向。97年に帰国し、カフェやフレンチレストランでサービスをしながらワインを学ぶ。05年、自然派ワインブームの先駆けとなる東京・三軒茶屋「uguisu」を、11年には西荻窪に「organ」を開く。23年末、麻布台ヒルズにオープンしたコンランショップ併設のレストラン「Orby」のヘッドシェフに就任。
網の上を移動させて火力を調整
休みごとにキャンプに明け暮れるほどアウトドア好きという「オルガン」の紺野真さん。
ハマる理由の1つ目は、「火起こし」。アウトドア・クッキングに不可欠なこの行為は、火を操る」ことを生業とする料理人の本能を掻き立てるようだ。2つ目は「ギア選び」。極力コンパクトな装備と手数でいかにおいしい料理を作るかが、プロの腕の見せ所。そのために必要な道具を吟味し、活用する楽しさがある。3つ目は「インスピレーション」。普段の厨房とは違う環境の下、「自然の中に解き放たれて気付くことも多い」とか。普段の厨房と違う環境から生まれる発想があるのだという。
仔羊のローストは店でも出しているが、前日に塩だけ揉み込み、焼く前にマリネするだけでアウトドアでも楽しめる。火の通り具合に合わせて火力の強い場所と弱い場所を移動させるのがポイントだ。肉だけはネットショップなどで上質なものを選ぶとなおよい。
紺野流!炭火のセッティング術
炭の位置で火力を調節
炭の3分の1以上に火が付いたら、配置を決める。片側に炭を寄せ、火力の強弱を作ることで、焼き過ぎた食材を逃がすことができる。今回は右を近火、左をじんわり遠火ゾーンに。
横から見ると……
左側には炭を置かない!
「仔羊の炭火焼」の材料と作り方
[材料](作りやすい分量)
仔羊肩ロース肉*・・・600g
ニンニク(すりおろす)・・・3片
ヨーグルト・・・30g
ディジョンマスタード・・・20g
タイム・・・4枝
ローリエ・・・3枚
塩、黒コショウ・・・各適量
E.V.オリーブ油・・・適量
*肉は前日に塩適量を表面に擦り込みラップで包み、冷蔵庫に置く。
<ジャガイモホイル焼き>
ジャガイモ(小)・・・8個
ニンニク(スライス)・・・1片
タイム・・・6本
ピペラード・・・適量
[作り方]
[1]ジャガイモの下準備
ジャガイモを洗い、塩を振る。ニンニク、タイムを加え、E.V.オリーブ油を回しかけてアルミホイルで包む。
[2]ジャガイモを焼く
炭の上に直接置き、火が通るまでゆっくりと火を入れる。【POINT】ほったらかしでOK!
[3]肉をマリネする
常温に戻した肉の表面にニンニク、ヨーグルト、ディジョンマスタードをまんべんなく塗る。【POINT】液状の調味料はクリームの絞り袋に入れて使うと手が汚れにくい。
[4]焼き始める
上からオリーブ油をかけ、炭火にかける。
[5]返しながら焼く
炭火の火力の弱い箇所を使い、ゆっくりと火を入れていく。肉の上下を頻繁に返し、一方向から火が入るのを防ぐ。
[6]ハーブの香りをつける
ハーブをのせ、さらに火を入れる(最初からハーブをのせると焦げるため注意)。
[7]火の当たらないところへ移動
だんだん焦げやすくなってくるため、炭火のあたらない部分(でも弱熱はある)へ移動させる。焼き上がりまで約20分。【POINT】時々うちわで仰いだり、炭を足したりして温度を調整する。
[8]表面に焼き色をつける
仕上げは強い火で表面に焼き色をつける。切り分けて、ジャガイモとともに皿に盛る。【POINT】肉汁が滴ると煙が上がるため注意!
(雑誌『料理通信』2019年12月号掲載/本文はウェブサイト用に一部調整しています)
東京・西荻窪「オルガン」の店舗情報
◎organ
東京都杉並区西荻南2-19-12
☎03-5941-5388
火~金曜17:00~23:00
土・日曜12:00~15:00、17:00~21:00
月曜休、第4火曜と翌水曜休
JR西荻窪駅より徒歩7分
Instagram:@organ_tokyo
※営業時間・定休日が記載と異なる場合があります。事前に店舗に確認してください。
掲載号はこちら
関連リンク