HOME 〉

RECIPE

〆まで旨い。火にかけるだけで完成する「鶏とジャガイモのローズマリー風味焼き」

アウトドアレシピ

2024.11.11

〆まで旨い。火にかけるだけで完成する「鶏とジャガイモのローズマリー風味焼き」

text by Michiko Watanabe /photographs by Atsushi Kondo

連載:アウトドアレシピ

アウトドアの新メニューに加えたい、外でも作りやすく、家でもリピートしたくなる味を人気店に習います。今回は、一鍋に仕込んで火にかければ完成する「鶏肉とジャガイモのローズマリー風味焼き」です。同じ鍋で〆まで楽しめる、一度で2度おいしいレシピです。

目次







教えてくれた人:生活雑貨店「tamiser table」店主 高橋みどりさん

スタイリスト 高橋みどりさん

フードスタイリスト。女子美術大学短期大学部で陶芸を専攻後、テキスタイルを学ぶ。ケータリング活動を経て、1987年フリーに。おもに料理本のスタイリングを手がける。著書に『うちの器』(メディアファクトリー)、『伝言レシピ』(マガジンハウス)、『ヨーガンレールの社員食堂』(PHP研究所)、『おいしい時間』(アノニマ・スタジオ)など。2021年末に東京から夫の故郷・栃木県黒磯へ移住し、22年4月から生活雑貨の店として「tamiser table(タミゼ テーブル)」を営む。


作り続けることで、音と香りの変化で出来上がりがわかるように

高橋みどりさんはフードスタイリストとして100冊以上の本を手がけてきた。撮影現場では、プロの手元を間近で見たり、試食させてもらうことも多々。そのたび、「なるほど」「今晩これ作ろう」と、食いしん坊ならではの観察を重ね、家で試してみる、を繰り返してきた。加えて料理上手の知人から教わる味も多く、それらをまとめた著書が『伝言レシピ』だ。

ここ10年(2019年当時)、週末は黒磯へ。東京、黒磯、どちらの家でも、またキャンプでも喜ばれているのが、友人の画家、牧野伊三夫さんに習った「鶏とジャガイモのローズマリー風味焼き」だ。「これも再生率が高いですね。鍋に仕込んで火にかけるだけ。あとはやることがない分、鍋から聞こえる音や香りを意識するようになり、今では音の変化で出来上がりのタイミングを判断します。放置が思わぬところで自分の感覚を磨いてくれました」

教わったのは、料理が鍋中で完成するところまでだったが、食べ終わったあとの鍋底を見て、おいしいオイルも鶏の脂もお焦げももったいないと、米を入れてピラフにしてみたら、これが「ビッグヒット」。こびりついたお焦げもきれいに取れる。「このご飯を食べるためにこの料理があったんだ、と思うくらい」。牧野さんに感謝だ。

無類の食いしん坊が実際に見て味わって、おいしい、真似してみたいと思ったプロの料理。そのいいところを、料理のプロではない高橋さんが自分なりに抽出、自分らしく消化したレシピは、力の抜き加減も的を射、誰もが作りやすい。その上、誰もが自分らしい工夫を凝らせる余白もある。いいレシピって、こういうことだ。


「鶏とジャガイモのローズマリー風味焼き」材料と作り方

[材料](4人分)
鶏モモ肉・・・小さめ2枚
ジャガイモ・・・小12個
ローズマリー・・・3枝
E.V.オリーブ油・・・50ml
粗塩・・・適量

[作り方]
[1]材料を準備する

鶏肉を一口大に切る。ジャガイモは皮付きのままよく洗う。

鶏肉を一口大に切る。ジャガイモは皮付きのままよく洗う。

[2]鍋に仕込む

厚手の鍋に鶏肉の皮を下にしてジャガイモと隣り合うように敷きつめる。ローズマリーの枝から葉をはずして全体に散らし、たっぷりのE.V.オリーブ油をまわしかけて、塩を振る。

厚手の鍋に鶏肉の皮を下にしてジャガイモと隣り合うように敷きつめる。ローズマリーの枝から葉をはずして全体に散らし、たっぷりのE.V.オリーブ油をまわしかけて、塩を振る。

[3]落し蓋をして焼く

アルミホイルに菜箸などを使って穴を7~8カ所開ける。これを落とし蓋にし、強めの中火にかける。

アルミホイルに菜箸などを使って穴を7~8カ所開ける。これを落とし蓋にし、強めの中火にかける。【POINT】適度に水分を蒸発させながら焼く。

[4]火を弱める
強めの中火にかけ、ジュージューと勢いよく音が出て、湯気が上がってきたら、少し火を弱める。

[5]火入れ具合を見ながら加熱
途中、ジャガイモに竹串を刺して半分ほど火が入っているのが確認できたら、弱火に落とし、軟らかくなるまで火を入れる。【POINT】火入れはトータルで25~30分が目安。ぷちゅぷちゅと煮える音が途中で軽くなったら終了の合図。


〆で旨味を回収

〆のピラフ

〆のピラフ

「鶏とジャガイモのローズマリー風味焼き」を食べ終えた鍋を再び火にかけ、みじん切りにしたタマネギ小1個と粗く刻んだドライトマト3個を炒める。米2合半を加え炒め、米と同量の水を加えて炊く。

(雑誌『料理通信』2019年10月号掲載)

栃木・那須塩原「タミゼ テーブル」の店舗情報


◎tamiser table(旧tamiser kuroiso)
栃木県那須塩原市本町3-13
☎ 0287-74-3448
13:00~18:00
火曜・水曜休
JR宇都宮線黒磯駅より徒歩2~3分
https://tamiser.com

※営業時間・定休日が記載と異なる場合があります。事前に店舗に確認してください。

料理通信メールマガジン(無料)に登録しませんか?

食のプロや愛好家が求める国内外の食の世界の動き、プロの名作レシピ、スペシャルなイベント情報などをお届けします。