飲食店のための食中酒、食中茶を極めるブランド。「éks」「HANAAHU TEA」
2026.03.05
日本の食が世界から注目されていると言われるいっぽうで、日本酒、日本茶といった世界に誇る食文化が、日本人の食生活からどんどん遠のいている。そのギャップをどうしたら埋められるのか? その一つの解として誕生したのが日本酒ブランド「éks」と日本茶ブランド「HANAAHU TEA」だ。
まず着目したのは、飲食店が抱える「日本酒を選べない」という悩み。日本酒の醸造技術が高まり味わいが多様化する中、特定名称(大吟醸など)やかつての味わいの指標(甘口、辛口)では料理に合う日本酒を選べない。そんな声に応え、SUSHI、YAKINIKU、KAISEKIなど料理ジャンルごとに全国有数の酒蔵がピンポイントで味を設計し、各ジャンルのトップシェフが監修に立って試作と利き酒を繰り返す、「究極のマリアージュ体験ができる日本酒」を生み出した。
さらに日本酒はワインなどと違い、飲食店も一般の小売価格で仕入れることが通例のところ、éksは利益を確保しやすいよう飲食店向けの卸価格を設定している。飲食店が選びやすく、かつ利益もきちんと得られる設計にすることで、日本酒をおきたくなる=飲むシチュエーションが増える=日本酒の消費が伸びるという目論見だ。
いっぽう「HANAAHU TEA」は、飲食店でのノンアルコール需要の高まりに着目。アルコールと同程度の利益率で、食事とのペアリングができるお茶として開発された。これまで日本茶で重視されていた「旨味」偏重から、食事に寄り添い飲み続けられるよう、「旨味・苦味・渋味・酸味」を茶師とソムリエがバランスよく設計し、品種、摘採時期、発酵、火入れを緻密にコントロールする。お茶は淹れる温度で味が変わるため「水出し」に特化することで、飲食店での取り扱いを容易に、安定した味を抽出できるようにした。四季をイメージした4種のブレンドで、魚から肉まで様々な素材を使った料理とのペアリングが可能だ。
これまでも蔵元は蔵元で、茶師は茶師で味を極めてきたところへ、「飲食店での体験をつくる」という視座を取り入れ、極める方向性をチューニング。また、料理人やソムリエの意見を反映して味をつくり上げることで、なぜ食事に合うのか、日本酒業界、茶業界にロジックが蓄積される。世界で日本酒、日本茶を広めようと思ったら、「飲めばわかる」では通用しない。なぜ食事に合うのかを説明できる言葉をもつことは、業界にとって大きな意味を持つだろう。
そんな「éks」の日本酒と「HANAAHU TEA」の日本茶をすしと共に体験する会が開かれた。銀座「ふじおか」の藤岡寛生さんが握るすしに合わせ、ソムリエの保坂卓さんがペアリングと飲み方を提案する。これまでも数々のすしと日本酒のペアリングを手掛けてきた保坂さん曰く、「éksは味の設計が緻密。藤岡さんは魚に合わせ酢飯の温度を変えて握る。変化に富んだ流れに合わせ、éksシリーズ3種とHANAAHU TEAを2種類挟みました」。
飲み疲れをしない、流れるようなコースは、まさに編集力の賜物。日本酒、日本茶の可能性はまだまだ広がるはずだ。
◎鮨ふじおか
東京都中央区銀座5-9-17 銀座あづまビルB1F
tel. 03-6228-5977
https://sushi-fujioka.com/
(料理通信)
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