ヨーグルトのホエー+牛乳でリコッタチーズを作ろう!
【DIYレシピ】「CHEESE STAND」藤川真至シェフ
2024.08.08
photographs by Hide Urabe
連載:DIYレシピ
塩蔵、乾燥、発酵・・・調理メソッド&テクニックを身に着けて、普段買っている食べ物を一から作ってみると、自分で味を作る喜びや安心感を得られます。天日に干したり、発酵させたり、自然の力にゆだねるレシピは、人間本位ではない生き方を学ぶ処方箋。シンプルな材料と道具で作れる自家製アイテムをシェフに教わります。
教わるテクニック:凝固
教えてくれたシェフ:東京・渋谷「CHEESE STAND」藤川真至シェフ
ふんわり甘くなるのは、ホエーのなせるわざ
リコッタチーズの「リコッタ」は「二度煮る」という意味。チーズを作る過程で、生乳に乳酸菌を加えて加熱し、凝固後、残った液体のホエー(乳清)を再度加熱して作るから。この方法は徹底した温度管理と乳酸菌が必要で、家庭では難しい。
簡単な方法として、牛乳にレモン汁や酢を加えて凝固させる方法があります。ただ、チーズに強い風味が残る。そこで、今回はヨーグルトのホエーを使う作り方を紹介します。
ヨーグルトの上に分離して浮き上がってくる水分がホエーです。メッシュタイプの漉し器に入れ、ホエーを100mlほど取り出します。牛乳と塩を合わせて85℃に熱した鍋にこれを加えます。分量は固まり方を見ながら加減して。ヨーグルトの賞味期限が近かったり、酸が強い種類だとホエーの量は少量で済みますが、酸が弱ければ多めに。
固まり始めるのは5分程度なので、加熱後、固まりそうになかったら少量ずつ足します。沸騰は厳禁。滑らかさがなくなり、ポロポロになります。残った液体が白濁から黄色になればリコッタを取り切った合図。白濁している間は何度でも取れます。
繊細な風味のリコッタは塊のまま、生が最も風味を生かせます。加熱する場合は間接的に。イタリアではよくラビオリの具にします。スープに混ぜるときは、最初に加えるとだらっと馴染んで味に存在感がなくなります。最後にそっと、が基本ですよ。
自家製リコッタチーズの極意
1 常にヘラでかき混ぜる。
2 チーズの固まり具合で、ホエーの分量は調節する。
3 温度は約85℃でホエーを加える。
【材料】(作りやすい分量)
ヨーグルト・・・1パック(450ml)
牛乳・・・500ml
塩・・・2g
[1] ホエーを作る
ヨーグルトを6時間以上かけて、メッシュタイプのザルで漉す。1パックで約100mlとれる。
[2] 牛乳を温める
鍋に牛乳と塩を入れ、強火にかける。
[3] 混ぜながら、加熱する
木べらで混ぜながら加熱する。
[4] ホエーを加える
フツフツと鍋フチに細かい気泡が立ち、温度が85℃になったら、ホエー(100ml)を加える。以後、85℃を保つ。
[5] 最初の塊ができ始める
かき混ぜながら、加熱を続ける。表面に白い塊が浮かび始める。
[6] 表面を大きな塊が覆う
表面を大きな塊が覆うくらい凝固が進む。
[7] ザルですくう
塊を網じゃくしですくい、ザルに移す。
[8] 鍋に残った液体を、再度加熱
残った液体が白濁していたら再度85℃に調節し、ホエーを少量加え、塊をすくう。
[9] 完成
ザルで軽く水気を切って、完成
◆制作日数:6時間程度 ◆食べごろ:すぐ ◆保存方法:冷蔵で2~3日
<リコッタチーズの料理展開例>
繊細な味のリコッタチーズは、生のままか、生地で包んで具にするなど間接的に熱を加えることが、風味を生かすコツです。
◎SHIBUYA CHEESE STAND
東京都渋谷区神山町5-8 1F
☎03-6407-9806
11:00~22:30(日曜は~20:00)
月曜休(月曜が祝日の場合は翌日休)
東京メトロ代々木公園駅より徒歩6分
https://cheese-stand.com
※新型コロナウイルス感染拡大等により、営業時間・定休日が記載と異なる場合があります。事前に店舗に確認してください。
(雑誌『料理通信』2016年4月号掲載)
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