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JOURNAL / JAPAN

日本 [長崎]

びわの名産地の古株と新顔

在来種を守ることと新品種への挑戦が未来をつくる

2016.06.25

長崎出島に始まります
「茂木」(びわ)

長崎県の茂木びわは、1830年頃、茂木出身の女性・三浦シヲが奉公先の出島で中国人通訳から唐びわを譲り受けたことに始まります。シヲはその種を生家に蒔き、やがて茂木はびわの産地となりました。

日本の古い文献にびわの記述があることから、日本におけるびわの歴史は古いと言えます。ただ、中国から入ってきたびわのほうが大粒で珍重されたようです。茂木びわが初めて出荷されたのは明治維新前後でしたが、外観、食味共に優れていたため、有利に取引されたと言われています。

ちなみに長崎を代表する銘菓、びわを丸ごと包み込むように仕立てた茂木びわゼリーは、昭和59年の生まれです。


期待の新星は、早く、大きく、柔らかく
「なつたより」(びわ)

長崎では期待の新品種「なつたより」も登場しています。

栽培品種が「茂木」に集中していたため、収穫時期も集中してしまい、規模の拡大が図れない……そこで、長崎県農林技術開発センターが「長崎早生」と「福原早生」を交雑育成したのが「なつたより」、「茂木」よりも早く成熟する品種です(平成21年品種登録)。

熟期が早いばかりでなく、豊産性で、実は大粒、果肉は柔らかく、高糖度、しかも、外観良好のスグレモノです。

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