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JOURNAL / 世界の食トレンド

Australia [Sydney]

シドニーの魚シェフ、次の一手はサステナブルなフィッシュ&チップス

Feb 10, 2022

text by Akiko Ganivet

「魚といえば、ジョシュ・ナイランド(Josh Niland)」と料理人の間で一目置かれる彼が、2021年9月、ロックダウン中にオープンしたのはシンプルなフィッシュ&チップス店。ローズベイに佇む「チャーコール・フィッシュ(CHARCOAL FISH)」は、新しい年を迎えた今でも行列ができる人気店だ。

2017年、シドニー市内中心部近くに「セント・ピーター(SAINT PETER)」を開店して以来、ワールド・レストラン・アワード(The World Restaurant Awards)など数々の賞を受賞してきたナイランド氏は、“エシカル&サステナブル”をキーワードに、魚の全ての部位を無駄なく使ってクリエイティブな料理を作るシェフとして名を馳せてきた。翌年には、カスタマイズした熟成機などを備えた魚の専門店「フィッシュ・ブッチャリー(FISH BUTCHERY)」を隣にオープンし、サーモン以外あまり魚に馴染みがないシドニーっ子に、最高のシーフードを提供する夢を叶えた。

素材使いや組み合わせのアイデアで勝負してきたニランド氏だが、新店はシンプル極まりない。キハダマグロを使ったバーガー(20豪州ドル)の他、マーレー川に生息するスズキに似た白身の淡水魚マーレー・コッドを使ったフライ、BBQ、ロティサリーのみ。マーレー・コッドは乱獲が原因となり今では養殖でしか育たず、サプライヤーは環境や社会に配慮した養殖を行う1社のみ。もし手に入らないことがあれば店を一時閉めるという徹底ぶりだ。シェフの気概は、サステナビリティの重要性に目覚めたシドニーっ子たちの心を掴んでいる。

(写真)しっかりした身質でほのかに甘いマーレー・コッドを使ったフィッシュ&チップス(28豪州ドル)など。川でなく池で養殖するので泥臭さがなく、1年中収穫できるので冷凍する必要が一切ないそうだ。魚の油はチップスの揚げ油に使うなど、魚の92%は店で無駄なく使い切る。



◎CHARCOAL FISH
670 New South Head Road, Rose Bay, NSW
12:00~15:00, 17:00~20:30
月曜、火曜休
https://www.charcoalfish.com/

*1豪州ドル=81.3円(2022年1月時点)

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