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JOURNAL / 世界の食トレンド

Peru [Lima]

さようなら、プラ容器。ペルーで使い捨てプラスチック禁止法が発効

Feb 21, 2022

text by Keiko Harada

世界的な潮流として年々そのうねりを強める脱プラスチックの流れは、ここペルーにも大きな変化をもたらした。2018年12月にいわゆる「使い捨てプラスチック禁止法」が国会で可決、大統領令第006-2019-MINAMを通じて施行された。同令には36カ月の猶予期間が設けられていたが、リマ市内の大手スーパーマーケットは早々にレジ袋の素材をリサイクル可能なものへと転換し、翌年6月には有料化するなど業界を挙げて取り組んでいった。

一方、国内に約1万3000軒あるポジェリア(pollería/鶏の炭火焼き店)や、国民の1/3以上が常食するチーファ(chifa/ペルー風中華料理店)を始め、街の食堂では依然として軽く安価な発泡スチロール製容器が使われ続けていた。飲食業界における脱プラスチックの動きは、一部のハイエンドなレストランを除き決して早いものではなかったといえる。

その流れを一気に変えたのがコロナだ。パンデミック以降、テイクアウトやデリバリーを利用するたび増え続ける家庭ゴミに辟易した消費者は、メニューや価格だけでなく、使われる容器の質や素材にも目を向けるようになっていった。接客規制のためデリバリーに生き残りをかける飲食店にとって、環境に配慮した容器の採用は新規顧客獲得へのアドバンテージにもなった。

施行猶予期間明けの2021年12月20日、ペルーでは使い捨てプラスチックや食品保存用発泡スチロール製容器等の生産、輸入、流通、納品が全面禁止となった。すでに多くの店で容器の入れ替えが進んでいることもあり、今のところ大きな混乱は起きていないものの、世界的な石油価格高騰を受けた物流コスト上昇に伴う輸入製品への価格転嫁が懸念され、国産容器の生産力向上が求められている。脱使い捨てプラスチックに向け大きく舵を切ったペルー、その影響を今後も注視していきたい。

(写真)生分解性製品の製造販売、マーケティングを手掛ける国内企業エコパック・ペルー(Ecopack Perú)。サトウキビや小麦の天然繊維、コーンスターチ、竹セルロースなどから食品用容器を製造している。



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