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JOURNAL / 世界の食トレンド

スマホでオーダー、部屋までお届け ルームサービスはアウトソーシングの時代

Spain [Sevilla]

2024.01.25

text by Yuki Kobayashi
(写真)マドリードのホテルチェーン「メリア」向けメニューより。左上からマグロのタルタル19.35ユーロ、グリルチキン15.75ユーロ、野菜のクリーム11.25ユーロ、ギリシャ風サラダ13.50ユーロ。

ホテルでルームサービスを利用する機会がある人は、意外と少ないのではないだろうか? スペインの場合、例えばバルセロナやマドリードなど外食のオプションが多い都市ではことに、ホテルの食事を利用するのは朝食ぐらいだろう。とはいえ、星付きのホテルではルームサービスをなくすわけにはいかず、夜分に到着したり、ホテルで仕事をする客には欠かせないサービスだ。

ニーズの少ないルームサービスの効率化を突き詰めたのが、2017年に設立され、コロナ後急成長を見せているセビリアのスタートアップ「ル・ルーム・サービス(Le Room Service)」社だ。同社はいわばルームサービスのアウトソーシング。ホテルは比較的少ない数の注文のために厨房を開けておいたり、人を雇う必要もない。ホテル客はこれまでのルームサービス同様、ホテルに用意されているメニューを見て、専用のプラットフォーム、もしくは自分の携帯で電話をかけて注文するだけだ。

(写真)専門員が商品を部屋まで届けてくれるのも、サービスの特徴のひとつ。

Uber Eatsなどのデリバリーサービスだと、ホテルから注文してもレセプションまでしか届けてくれないことが多いが、同社のサービスはホテルと提携しているため、客室まで運んでくれ、現地で決済を済ませるだけ。これまでにレストランチェーンやデリバリー企業がホテルと提携する動きはあったが、同社は完全にホテルのルームサービスに特化しているところが強みだ。現在ではマドリード、バルセロナ、セビリアの国内三都市とリスボンで、300軒のホテル、計3万室がこのサービスを使用しており、注文は月間1万件、月間売上は20万ユーロを超えているという。

2022年には前年比150%増で成長しており、140万ユーロの投資金を集めたばかり。新たなサービス形態として注目を集めている。

(写真)左からクラブサンド17.50ユーロ、クラッシックハンバーガー16.50ユーロ、キヌアと枝豆のサラダ15ユーロ。アルコール飲料はビールに始まり、ワインは国内一級品、缶入りカクテルやカバなども揃える。

(写真)サステナビリティも同社の重要な軸となるコンセプト。デリバリーの箱はダンボールを使用。箱にはデザインオプションがいくつかあり、ホテル側が選ぶことができる。使用するプラスチック類はすべて100%再生可能素材。カラトリーはトウモロコシ粉が原材料だ。


◎LE ROOM SERVICES
13:00〜23:30LO
デリバリーには30分を要する
https://leroomservice.eu/en/

1ユーロ=157円(2023年12月時点)

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