HOME 〉

MEETUP

おいしいパルマハムの極意

本当においしいパルマハムを知ろう!

2016.11.14




photographs by Hide Urabe



10月29日土曜日 本当においしいパルマハムを知ろう!MEETUPを開催。
講師には駒場東大前のイタリア食材店「ピアッティ」岡田幸司さん、門前仲町イタリアン「パッソ・ア・パッソ」有馬邦明さんをお迎えしました。
駒場東大前 イタリア食材店「ピアッティ」岡田幸司さん
東京都目黒区駒場4-2-17 03-3468-6542 11:00~20:00 月・火休(祝日の場合は営業)




門前仲町 イタリアン「パッソ・ア・パッソ」有馬邦明シェフ
東京都江東区深川2-6-1  03-5245-8645 18:00~21:30L.O. 水休(臨時休業あり)








「ピアッティ」岡田さんより、パルマハムについてレクチャーが始まります。
パルマハムにとって一番大事なことは?それは新鮮さ。切りたてで酸化・劣化していないパルマハムが最良です。私たち日本人には、パルマハムをお刺身に置き換えると理解しやすいでしょう。現在のパルマハムは、口の中でとろけるように作られています。ですからそのような食感を得られるようにスライスしていきます。




岡田さんは部位の説明を、自身の太ももを使って説明。「リニツィオと呼ばれるモモの付け根部分。チェントロと呼ばれる中央部分。ガンベットと呼ばれる膝付近の部分。部位が違うと味わいが違うけれど、それは優劣ではないのです。単なる味の違いなので、その違いを楽しんで下さい」。




ゲストは、岡田さんがスライスしたパルマハムを、手渡しで受け取り味わいます。なかなか体験できない、一番贅沢なパルマハムの味わい方です。「本当においしいパルマハムに対する感覚を持って欲しいのです」。その時の自分の体調や状況、気分で求める味わいは変わります。パルマハムを心から楽しんで味わって下さい。




パルマハムに20ヶ月熟成や30ヶ月熟成など熟成期間の違いがありますが、これはパルマハムになるために要する時間。その長さに優劣はありません。生肉の状態を見極め、このモモ肉が一人前のパルマハムになるのに必要なおおよその熟成期間や、適正な塩加減などが決められていきます。ただ、熟成期間によって味の傾向はありますので、やはり好みの問題になります。しかしながら、熟成期間云々よりも本当においしいパルマハムに大事なことは、最初にお話した通り“新鮮”であるかどうか、くちどけのよい切り方になっているか、なのです。




例えば9kgのパルマハムをスライスしておいしく食せるのは、だいたい半分程度で、後はトリミングします。トリミングしたものは不要な部分ではなく、貴重な食材として活用でき、素晴らしい料理になります。まだまだ「上手に活用する」ということへの認知が広がっていないのが現状ですが、職人が作り上げたパルマハムを余すところ無く使いこなして欲しいと岡田さんは言います。




それに応えて数々のお料理を紹介してくださったのが「パッソ・ア・パッソ」有馬シェフです。有馬シェフは、自身のお店「パッソ・ア・パッソ」でも、パルマハムを扱うときには、骨から全て余すところ無く、料理として活用しています。




「パルマハムは旨味が凝縮した調味料になります」と有馬シェフ。パルマハムから取り除いた部分を茹でて出汁をとる。パルマハムを茹で、冷ますと脂分が固まる。その部分を火にかけて水分を飛ばせば“パルマハムオイル”が出来上がる。このMEETUPでゲストに召し上がって頂く料理の全ては、パルマハムそして、パルマハムの出汁やオイルを巧みに使った料理です。




〈料理〉
・パルマハムとかぼちゃのリゾット(パルマハム出汁で炊き込む)
・大根と鮑のパルマハムボリート パルマハムと鮑の肝ソース(パルマハム出汁とパルマハム)
・茹で野菜とピクルス
・グリッシーニ(パルマハムオイルをバター代わりに使用)
・黒糖パン(パルマハムオイルをバター代わりに使用)
・吉田牧場のモッツアレラを切りたてパルマハムとともに
・パルマハムとラディッキオの赤ワインビネガー煮
・カポナータ(パルマハム出汁で調理)
・パルマハムの詰め物をしたホロホロ鳥のロトロ パルマハムとトマトのソース(味を薄めに仕上げて、パルマハムを巻いて味を完成させるようにしている)
・トウモロコシとパルマハムのパッサート (パルマハムの出汁)




〈デザート〉
・パルマハムとリコッタチーズのプディング(パルマハムは刻んで入れる) チョコレートソースは切りたてパルマハムとも併せて(!)
・パルマハムと柚子のパウンドケーキ(パルマハムオイルをバターの代わりに使用)
・柿のトリュフあえを切りたてパルマハムとともに
・焼きリンゴ(パルマハムオイルでりんごを焼いて、砂糖をキャラメリゼして五香粉(ウーシャンフェン)をまぶす)






MEETUPの参加者は、パルマハムとパルマハムを活用した料理を堪能しながらも、






しっかりと学びつつ。






パルマハムと同郷の微発泡ワイン、ランブルスコとマルヴァジアと一緒に、本当においしいパルマハムを知ることができました。
































































料理通信メールマガジン(無料)に登録しませんか?

食のプロや愛好家が求める国内外の食の世界の動き、プロの名作レシピ、スペシャルなイベント情報などをお届けします。