「Destination Restaurants 2023」発表 !!
2023.07.18
photographs by Yoshiaki Tsutsui
「The Japan Times Destination Restaurants」の2023年の受賞レストランが発表された。
海外に本拠地を置くレストランセレクションが影響力を持つ昨今の社会状況に対して、「日本人が選ぶ、世界に伝えたい日本のレストランリスト」として2021年に発足。「日本人の視点で、世界の人々に、日本の姿を伝える」をポリシーとして、辻?芳樹、本田直之、浜田岳文の3氏が選考にあたる。「日本の風土の実像は都市よりも地方にある」との考えから、東京23区と政令指定都市を対象から除外して、訪れるべき10店を選出するのが特徴だ。
今年のセレクションは下記の通り。
青森県八戸市「カーサ・デル・チーボ」池見良平
山形県山形市「レストラン パ・マル」村山優輔
福島県いわき市「HAGI」萩 春朋
新潟県新発田市「登喜和鮨」小林宏輔
富山県富山市「御料理 ふじ居」藤井寛徳
栃木県宇都宮市「オトワレストラン」音羽 元
山梨県北杜市「Terroir愛と胃袋」鈴木信作
長野県軽井沢町「レストラン ナズ」鈴木夏暉
奈良県奈良市「白」西原理人
沖縄県今帰仁村「6(シス)」小杉浩之
(敬称略)
さらに10店の中から、福島県いわき市「HAGI」が「2023年 Restaurant of the Year」に選出された。オーナーシェフの萩春朋氏は、東日本大震災の後、地元生産者の食材の価値を伝えるべく、彼らと連携を取りながら、メニューを組み立てていったという経緯がある。
気候風土の中で長い時間をかけて形成されていった農業や漁業があり、その上に育まれた地域地域の食の様相がある。日本料理の伝統があり、さらにフランス料理やイタリア料理など外来の調理技術もすっかり根付いた。近年では野生の動植物の採集への関心も高まり、今、日本のガストロノミー界には豊穣な広野が広がっていると言っていい。その広がりから特筆すべき食の担い手をすくい上げるこのセレクションが示唆するものは大きい。
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