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RECIPE

古くなった緑茶をおいしく 自家製ほうじ茶の作り方

レスキューレシピ【捨てないレシピ編】

2023.03.16

photographs by Hide Urabe

連載:レスキューレシピ

日本の食品ロス量は年間570万トン*と言われています。生鮮食品においても、豊作で余ったり、規格外、傷、スレがあって売り物にならず、行き場のない食品が日々廃棄されているのです。家庭内で料理中に出る端材や余らせがちなパーツも、新たな魅力を見出し、活用法を考えることで捨てる量を減らせます。食材を無駄にせず、おいしく食べるための活用術をシェフの技に学びます。
*農林水産省「日本の食品ロスの状況(令和元年度)」

目次






教えてくれた人:東京・表参道「櫻井焙茶研究所」櫻井真也さん

日本茶専門店「櫻井焙茶研究所」所長。1980年長野県生まれ。和食料理店「八雲茶寮」、和菓子店「HIGASHIYA」を経て2014年独立。厳選した日本茶、店内でローストしたほうじ茶やブレンド茶を販売し、茶房ではお茶のコースや茶酒を提供する。お茶と食事のマリアージュ、お茶とお酒の融合、お茶に関する企画・提案、セミナーなど、国内外で日本茶を伝える活動を続けている。


遠火の強火で約1分。焙煎したての香りと味わいを楽しむ

茶葉を「ロースト」して作るほうじ茶。焙煎したては香り、味わいともに格別です。専用の器具がなくてもフランパンでできますから、家庭でもほうじ茶作りを楽しんでください。茶葉は、煎茶や茎茶などの緑茶を使用します。古くなった緑茶でも焙じることで湿気を飛ばし、香ばしさが加わり、再びおいしく飲むことができますよ。 

十分に熱したフライパンに茶葉を入れたら、遠火の強火にかけ、焦がさないようフライパンを絶えず振ります。茶葉が含む水分が湯気になって上がり、香りが立ち上るまでわずか1分程度。作り置きせず、飲むたびに焙煎できるのも自家製ならではの愉しみ方ですね。 

店では、茶葉の産地や品種別に常時6種類のほうじ茶を用意して、味わいの違いを楽しんでいただいています。さっぱりして緑茶の風味を感じる煎茶、より香ばしく、甘味も含む茎茶。そのままでも、ブレンドしても面白い。深めか、浅めか、焙煎の加減でも味は変わります。その日の気分で焙煎加減を変えたり、果物やハーブ類を加えたり、楽しみ方が広がるのもほうじ茶の魅力です。


「自家製ほうじ茶」の材料と作り方

[材料]
緑茶(煎茶、番茶、茎茶)・・・適量
※古くなった茶葉でOK。細かい茶葉は焦げやすいので向かない。

[作り方]
[1]フライパンを熱する

フライパンを強火にかけて熱する。

[2]茶葉を入れる

茶葉を入れる。
POINT:一度に入れすぎない。フライパンの表面に広げられる程度の量に。

[3]均等に火を入れる

フライパンを振りながら、強火の遠火で均等に火を入れる。
POINT:フライパンを持ち上げ、強火の遠火で高温、短時間で!

[4]湯気があがる


茶葉の水分が蒸発して湯気があがる(約40秒後)。

[5]香りが出たら火からおろす

ほうじ茶の香ばしい香りが立ち上る(約45秒後)。緑の部分がなくなり、全体が色づいたら火から下ろす。

[6]取り出して冷ます

余熱で火が入るので、熱いうちに移して冷ます。

茎茶を焙煎。湯気が消えた瞬間、香ばしい香りがぶわっと立ち上る。この香りも自家製する醍醐味だ。
淹れるときは、まず急須と湯のみを温める。急須に茶葉を多め(1人あたり4g)に入れ、90℃の熱い湯を注ぎ、30秒抽出(濃くしたいときは長めに)。器に最後の一滴まで注ぐ。


「自家製ほうじ茶」をもっと楽しむアイデア

<フレーバーほうじ茶を作る>
紅茶の世界ではよく知られたフレーバーティー。ほうじ茶でもオリジナルの味づくりに挑戦してみよう。

ショウガほうじ茶・・・フリーズドライのショウガチップを合わせて。香ばしいほうじ茶に、ショウガの辛味、香りが加わり、心も体も温まる。生のショウガをせん切りにして加えてもよい。

イチゴ&ミントほうじ茶・・・フリーズドライのイチゴとミントを合わせて。イチゴの甘酸っぱい香りがふんわり立ち上り、爽やかなミントの風味で、すっきりした口当たりに。生のイチゴの場合は、潰して加える。

ギフトに・・・オリジナルのフレーバーを作って小瓶に詰め、ギフトにしてみよう。

<ほうじ茶を使ったレシピ>
ほうじ茶の風味をスイーツやドリンクにプラスして、ほっこりティータイムを。

ほうじ茶ラテ・・・温かくて甘やかなミルクのコクに、ほうじ茶の香ばしさ、ほろ苦さが加わった、風味豊かな日本茶ラテ。

[材料](作りやすい分量)
自家製ほうじ茶・・・5g
牛乳・・・300ml
生クリーム・・・15ml
ガムシロップ・・・15ml

[作り方]
[1]鍋にすべての材料を入れ、火にかける。
[2]沸騰する手前くらいの火加減で、5分間煮る。
[3]ザルで漉す。
[4]ミルクフォーマーで泡立て、器に注ぐ。

ほうじ茶シロップ・・・ほうじ茶の香ばしい香り、旨味をぎゅっと凝縮。香り高い茶葉を選べば風味も格別に。アイスクリームやかき氷にかけて。

[材料](作りやすい分量)
自家製ほうじ茶・・・50g
水・・・1L
グラニュー糖・・・500g

[作り方]
[1]鍋にすべての材料を入れ、火にかける。
[2]半量になるまで煮詰める。
[3]ザルで漉す。
[4]粗熱を取って冷蔵庫で冷やす。30日保存可能。


「櫻井焙茶研究所」店舗情報


◎櫻井焙茶研究所
東京都港区南青山5-6-23 スパイラル5F
☎03-6451-1539
茶葉販売11:00~20:00
茶房11:00~22:00LO(土、日曜、祝日~20:00)
無休(スパイラルに準ずる)
各線表参道駅より徒歩5分
https://www.sakurai-tea.jp/

※新型コロナウイルス感染拡大等により、営業時間・定休日が記載と異なる場合があります。事前に店舗に確認してください。

(雑誌『料理通信』2017年5月号掲載)

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