村瀬美幸さん(むらせ・みゆき)フロマジェ
第1話「ワインに続け!」(全5話)
2016.11.01
ワインブーム再び
本題に入る前に、ちょっと寄り道してワインの話。
一昨年くらいからでしょうか、第7次ワインブーム、なんて言われているのをご存知ですか?
一昨年くらいからでしょうか、第7次ワインブーム、なんて言われているのをご存知ですか?
第1次ワインブーム(1972年) 高度経済成長によって暮らしは豊かになり、ワインの輸入自由化(1970年)も人気を後押し。
第2次ワインブーム(1978年) 国産の1000円台のワインが相次いで発売。
第3次ワインブーム(1981年) 日本各地の一升瓶入り地ワインが注目を集める。
第4次ワインブーム(1987年~90年) ボージョレーヌーボーが大フィーバー。バブル景気を追い風に、ボルドーやブルゴーニュなどの高額ワインを楽しむ人も増加。
第5次ワインブーム(1994年) 1000円以下の低価格ワインの発売。
第6次ワインブーム(1997年~98年) ポリフェノールの健康維持効果が注目され、赤ワインが人気に。
そして、今。
スーパーやコンビニには、500円以下から5000円クラスのワインまでが同じ棚に並び、レストランだけでなく、バル、カフェ、居酒屋、ファミリーレストランでも気軽にグラスワインが楽しめる時代です。
一方、自然派ワインもマニアだけのものではなく、広く認知されるようになりました。
海外で高い評価を受ける国産ワインも出てきましたし、自ら畑に立って、土作りからワインを考える若い造り手も日本各地で育っています。
第2次ワインブーム(1978年) 国産の1000円台のワインが相次いで発売。
第3次ワインブーム(1981年) 日本各地の一升瓶入り地ワインが注目を集める。
第4次ワインブーム(1987年~90年) ボージョレーヌーボーが大フィーバー。バブル景気を追い風に、ボルドーやブルゴーニュなどの高額ワインを楽しむ人も増加。
第5次ワインブーム(1994年) 1000円以下の低価格ワインの発売。
第6次ワインブーム(1997年~98年) ポリフェノールの健康維持効果が注目され、赤ワインが人気に。
そして、今。
スーパーやコンビニには、500円以下から5000円クラスのワインまでが同じ棚に並び、レストランだけでなく、バル、カフェ、居酒屋、ファミリーレストランでも気軽にグラスワインが楽しめる時代です。
一方、自然派ワインもマニアだけのものではなく、広く認知されるようになりました。
海外で高い評価を受ける国産ワインも出てきましたし、自ら畑に立って、土作りからワインを考える若い造り手も日本各地で育っています。
伝道師の下で
日本における、このワイン文化の成熟を、一人のソムリエ抜きに語ることはできません。
田崎真也さんです。
1983年に25歳の若さで日本一のソムリエとなり、95年には世界最優秀ソムリエコンクールで優勝。ヨーロッパ勢を押さえて表彰台の頂点に立った日本人に、世界が驚いたのは言うまでもありません。
メディアにも積極的に登場し、様々な形でワインの楽しみを広めると共に、ワインのプロフェッショナルを数多く育成。
2010~13年には、国際ソムリエ協会の会長も務めました。
そんな田崎さんを「ワインの伝道師」と仰ぐのが、今回の主役、チーズプロフェッショナルの村瀬美幸さんです。
シニアソムリエの資格も持つ村瀬さんは、実は田崎さんの教え子です。
世界一になる前から田崎さんに師事。タイトルの獲得をきっかけに日本中から注目を集め、その名前と顔と共に、ワインそのものが日本人の日常に浸透していく過程を目の当たりにしました。
田崎真也さんです。
1983年に25歳の若さで日本一のソムリエとなり、95年には世界最優秀ソムリエコンクールで優勝。ヨーロッパ勢を押さえて表彰台の頂点に立った日本人に、世界が驚いたのは言うまでもありません。
メディアにも積極的に登場し、様々な形でワインの楽しみを広めると共に、ワインのプロフェッショナルを数多く育成。
2010~13年には、国際ソムリエ協会の会長も務めました。
そんな田崎さんを「ワインの伝道師」と仰ぐのが、今回の主役、チーズプロフェッショナルの村瀬美幸さんです。
シニアソムリエの資格も持つ村瀬さんは、実は田崎さんの教え子です。
世界一になる前から田崎さんに師事。タイトルの獲得をきっかけに日本中から注目を集め、その名前と顔と共に、ワインそのものが日本人の日常に浸透していく過程を目の当たりにしました。
3度目の正直
田崎さんが世界一に輝いてから18年目の2013年6月、村瀬さんはチーズのプロとして、世界の頂点に立ちました。
まさかの日本人! しかも女性!
欧米では、チーズは男性の仕事だそうです。何せ重労働。長期保存を目的に大きく作るハード系チーズの中には、30~40キロするものもあります。それを動かしたり、切り分けたり。
世界各国から集まったファイナリスト10人のうち、女性は村瀬さんの他に1人だけでした。
2007年は4位、09年は2位。
国際大会3度目の正直、「優勝を狙っていました」。
まさかの日本人! しかも女性!
欧米では、チーズは男性の仕事だそうです。何せ重労働。長期保存を目的に大きく作るハード系チーズの中には、30~40キロするものもあります。それを動かしたり、切り分けたり。
世界各国から集まったファイナリスト10人のうち、女性は村瀬さんの他に1人だけでした。
2007年は4位、09年は2位。
国際大会3度目の正直、「優勝を狙っていました」。
1位でなくてはいけない
世界一。
それには大きな意味があると、村瀬さんは言います。
「田崎さんが世界一になったことで、ワインに関心を持つ人が増え、多様な楽しみ方が受け入れられるようになりました。
次は、チーズの番。
そのためには、やはり世界1位というタイトルが必要だったのです」。
09年の国際大会の後、取材に来た新聞記者が帰り際にぽろっと、こんなことを言ったそうです。
「1位なら全国版なんですけどね」。
掲載は、全国紙の地方欄でした。
「2位って、そういうことなんですよね」。
それには大きな意味があると、村瀬さんは言います。
「田崎さんが世界一になったことで、ワインに関心を持つ人が増え、多様な楽しみ方が受け入れられるようになりました。
次は、チーズの番。
そのためには、やはり世界1位というタイトルが必要だったのです」。
09年の国際大会の後、取材に来た新聞記者が帰り際にぽろっと、こんなことを言ったそうです。
「1位なら全国版なんですけどね」。
掲載は、全国紙の地方欄でした。
「2位って、そういうことなんですよね」。
ニュースになる
晴れて世界チャンピオンとなった村瀬さんのもとには、新聞(もちろん全国版!)の取材、雑誌(業界紙だけでなく女性誌や一般誌も)のインタビュー、ラジオ番組への出演依頼など、様々なオファーがありました。
それまでも、雑誌やテレビのチーズ企画には、ナビゲーターとして度々登場していました。
しかしあくまでチーズの企画ですから、もともとチーズに興味のある人が読者や視聴者の中心でした。
今回は違います。
日本人が、しかも女性が、世界のチーズコンクールで1位を取った、というニュース。
普段サッカーに関心のない人もワールドカップの応援では熱くなるように、世界で活躍する日本人、特に女性には皆、注目します。
プロセスチーズしか食べない人にも、そもそもチーズにはプロセスチーズとナチュラルチーズがあるなんてことを知らない人にも、「そんな日本人がいるのか、そんな奥深い世界があるのか」と知ってもらうことができる。
「まずは、そこから」。
村瀬さんが表彰台に上るまでの道のりと、これから向かう先について、話を聞きました。
それまでも、雑誌やテレビのチーズ企画には、ナビゲーターとして度々登場していました。
しかしあくまでチーズの企画ですから、もともとチーズに興味のある人が読者や視聴者の中心でした。
今回は違います。
日本人が、しかも女性が、世界のチーズコンクールで1位を取った、というニュース。
普段サッカーに関心のない人もワールドカップの応援では熱くなるように、世界で活躍する日本人、特に女性には皆、注目します。
プロセスチーズしか食べない人にも、そもそもチーズにはプロセスチーズとナチュラルチーズがあるなんてことを知らない人にも、「そんな日本人がいるのか、そんな奥深い世界があるのか」と知ってもらうことができる。
「まずは、そこから」。
村瀬さんが表彰台に上るまでの道のりと、これから向かう先について、話を聞きました。