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RECIPE

ふんわり、嫌みのない旨味「自家製かまぼこ」

【DIYレシピ】「煮炊屋 KINSAI」

2025.01.06

ふんわり、嫌みのない旨味「自家製かまぼこ」

photographs by Tsunenori Yamashita

連載:DIYレシピ

塩蔵、乾燥、発酵・・・調理メソッド&テクニックを身に着けて、普段買っている食べ物を一から作ってみると、自分で味を作る喜びや安心感を得られます。シンプルな材料と道具で作れる自家製アイテムをシェフに教わります。今回は、日本酒のお供につまみたくなる「かまぼこ」。シンプルな材料で、手作りならではの優しい旨味が楽しめます。

目次







材料はすり身、塩、砂糖、卵白だけ

かまぼこというと、色々な添加物が入るイメージがありますが、自家製すれば、白身魚のすり身、塩と砂糖、卵白だけで作れます。「KINSAI」では、市販の上すり身にホタテ貝柱を合わせて使っています。もっちりとした食感の生ホタテは甘味・旨味が強く、臭みがないので扱いやすいのです。

気をつけたいのは、ホタテの水気をよく拭うこと。怠ると臭みが出たり食感の悪さに繋がります。またすり潰しの作業も丁寧に。色々な道具を試しましたが、フードプロセッサーが一番、粘りのある滑らかな食感が出るように思います。

成形作業はすり身がくっつかないよう、手や道具を水に濡らしてから。また、木板にすり身をのせたら、ラップで包んで成形して蒸してしまえば、簡単にきれいな「かまぼこ型」に仕上がります。卵白も入るため、仕上がりはふんわりとはんぺんに近い食感に。市販のいわゆるぷりっとした食感とはまた違う魅力があります。

できる限り手作りして自分たちだけの味を。そんなところから自家製に挑戦したかまぼこですが、オンリーワンの味わいで常連さんに人気。板わさでシンプルに供せば、しっとりと柔らかい歯触りで旨味が優しく広がります。


「自家製かまぼこ」材料と作り方

「自家製かまぼこ」材料

[材料](18cm×4cmの木型2本分)
生食用ホタテ(冷凍)・・・200g
生上すり身・・・100g
卵白・・・1個分
塩・・・3g
砂糖・・・6g

[作り方]
[1]すり潰す

ホタテは解凍し、水気をよく拭う。材料を全てフードプロセッサーに入れて撹拌し、滑らかになるまですり潰す。

ホタテは解凍し、水気をよく拭う。材料を全てフードプロセッサーに入れて撹拌し、滑らかになるまですり潰す。

[2]空気を抜く

空気を抜く

2等分し、濡らした手で細長い小判型に成形する。ハンバーグを丸める要領で、叩きながら生地の中の空気を抜くこと。

[3]板の上に伸ばす

板の上に伸ばす

木の板を濡らし、2をのせて、濡らしたパレットナイフで伸ばし、かまぼこ型に成形する。【POINT】手も道具も、しっかりと濡らして作業するとくっつかない。

[4]ラップをまきつける

ラップをまきつける

ラップを広げ、上から1/3程の位置に置き、上を被せてから板ごと回転させて残りを巻きつける。

[5]かまぼこ型にする

かまぼこ型にする

ラップの上から生地を板になじませるようにならして形を整え、きれいなかまぼこ型に成形する。

[6]蒸す

蒸す

湯気の上がった蒸し器に入れ、中火で20分ほど蒸す。ラップを外し、常温で粗熱を取ってから冷蔵庫へ。

自家製かまぼこ

ホタテとすり身をベースに、調味料は塩と砂糖だけ。ふんわりと優しい味わいで、かまぼこの概念が変わる。


東京・中目黒「煮炊屋 KINSAI」の店舗情報


煮炊屋 KINSAI
東京都目黒区青葉台1-27-12
☎ 03-5725-9025
17:00~25:00
無休
東急線、東京メトロ中目黒駅より徒歩9分
Instagram:@nitakiya_kinsai

※営業時間・定休日が記載と異なる場合があります。事前に店舗に確認してください。

(雑誌『料理通信』2018年4月号掲載)

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