HOME 〉

JOURNAL / 世界の食トレンド

China [Hong Kong] タブレット状の茶葉も登場!若い世代の間でお茶への関心が急上昇

2022.10.17

text by Rie Suzuki

香港人にとって日々の暮らしと共にあるお茶文化。季節ごとにお茶を選んで体調を整え、外食時には好みの茶葉を持ち込むこともある。祝日には、家族や友人と伝統茶芸やセレモニーを楽しむ。

ニナ・チャンさんは、日常生活をシンプルに、より豊かにするためのお茶の時間を提供したいと、ティースタジオ「プランテーション・バイ・ティーカ(Plantation by teakha)」を2017年にオープンした。

オーナーのニナ・チャンさん。香港島西部・西常盤(サイインパン)の店舗は現在改装中だが、湾仔(ワンチャイ)にあるティースタジオでは予約制でワークショップを開催している。オンラインでも受講可能。


扱う茶葉は中国、台湾、インド、日本産で、その多くが人間の介入がなく、農薬を使わない環境で育った野生の木や、樹齢100年の稀少な茶木のもの。茶葉の摘採から乾燥まで契約の茶葉農家が手作業で行い、それらの茶葉でオリジナルブレンドを作る。茶葉の見た目や手触り、香りを確かめながらブレンドしたお茶は、ハチミツのような甘味、深いハーブ香、ウッディな味わい、シルキーな口あたりをもたらす。

お茶は淹れ方や使用する茶器によって味わいが大きく変わる。ステイホーム後、「プランテーション」ではお茶の基礎知識が学べるマスタークラスが人気だが、知識や茶芸だけでなく、茶木がどこで育ち、茶葉が誰によってどのように作られたのか、お茶の世界をもっと深く知りたいと、ますます関心が高まっている。

若い世代に上質なお茶の楽しみ方を提案するだけでなく、小規模農家に茶葉栽培に関する貴重な知恵と技術を提供し、お茶の需要が次世代まで持続することにも努めているというニナさん。香港の新しいお茶文化の発信に期待したい。

野生茶の「フォレスト・ワイルド・ブルーム・ティー(Forest Wild Broom Tea)」(42香港ドル/2束)は、小さなつぼみと成熟した葉を束ね、竹のマットで数日かけてゆっくり乾燥させたもの。ティーバッグのように気軽に楽しめる。

茶葉を月明かりの下で夜明け前に乾燥させ、チョコレート・バー状に押し固めた白茶「雲南ムーンライト・ホワイトティー・バー(Yunnan Moonlight White Tea Bar)」(148香港ドル)は、バーのひとマスを割り、お湯を注ぐだけだ。

茶葉を月明かりの下で夜明け前に乾燥させ、チョコレート・バー状に押し固めた白茶「雲南ムーンライト・ホワイトティー・バー(Yunnan Moonlight White Tea Bar)」(148香港ドル)は、バーのひとマスを割り、お湯を注ぐだけだ。


◎Plantation by teakha
Teahouse(改装休業中)
18 Po Tuck Street, Sai Ying Pun, Hong Kong
Plantation Tea Studio(予約制)
Rm 602B, 6F, Wan Chai Commercial Centre, 194-204 Johnston Rd, Wan Chai, Hong Kong
ティーテイスティング 220香港ドル
マスタークラス 680香港ドル~
https://plantation.hk

*1香港ドル=18.5円(2022年9月時点)

料理通信メールマガジン(無料)に登録しませんか?

食のプロや愛好家が求める国内外の食の世界の動き、プロの名作レシピ、スペシャルなイベント情報などをお届けします。