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RECIPE

セレブも愛飲!?発酵スパークリングティー「コンブチャ」の作り方

【DIYレシピ】東京・西麻布「大泉工場NISHIAZABU」

2023.08.07

【DIYレシピ】セレブも愛飲!?発酵スパークリングティー「コンブチャ」の作り方

photographs by Hide Urabe

連載:DIYレシピ

塩蔵、乾燥、発酵・・・調理メソッド&テクニックを身に着けて、普段買っている食べ物を一から作ってみると、自分で味を作る喜びや安心感を得られます。天日に干したり、発酵させたり、自然の力にゆだねるレシピは、人間本位ではない生き方を学ぶ処方箋。シンプルな材料と道具で作れる自家製アイテムを専門家に教わります。今回は欧米で人気の発酵飲料「コンブチャ」の作り方を日本初のコンブチャブルワリーに習います。

教わるテクニック:発酵
教えてくれた店:東京・西麻布「大泉工場NISHIAZABU」

大泉工場「_ SHIP KOMBUCHA」直営店。常時4種類のコンブチャを提供するほか、カレーやタコライス、テンペカツなどプラントベースのプレートやドリンク、グルテンフリーの焼き菓子、コールドプレスジュースが楽しめる。2023年、米国で開催されたコンブチャの世界一を決めるコンペティション「Kombucha Kup Award」で、SHISOフレーバーが1位、ORIGINALフレーバーが3位を受賞。


フルーティな酸味が楽しめる新たな発酵ドリンク

コンブチャは、欧米では「KOMBUCHA」と呼ばれ、健康飲料としても人気で、世界で200以上のブルワリー(醸造所)があり、コンブチャ専門のバーもあるとか。「NYのスーパーではヨーグルトと同じくらい大きなコンブチャ売り場があるほど、一般的な存在です」とは、日本で初めてコンブチャ製造認可を取得した大泉工場「_SHIP KOMBUCHA」のブリュワー、門田元さん。元藍染職人で、日本古来の発酵技術を用いた藍染を行うなかで発酵の面白さを直接届けたいという想いが強くなり、2020年にコンブチャのブリュワーへ。藍染職人時代にアルコール一辺倒のコミュニケーションに疑問を感じ、アルコールを飲む人も飲まない人も楽しめるような飲料を作りたいという想いで作っている。

コンブチャは、お茶に砂糖を加え、酵母菌や酢酸菌などの菌を添加して発酵させたもので、独特のフルーティな香りとほどよい酸味、微炭酸が特徴。発酵の過程で発生する、スコビーと呼ばれるゲルがキノコのようにも見えるので、日本では「紅茶キノコ」という名前で1970年代に流行した。酢酸菌が豊富に含まれており、整腸作用や免疫力の向上が期待できるそう。

「_SHIP KOMBUCHA」では2023年1月に有機JAS認証を取得。「身体だけでなく環境に優しい飲料として皆さんの手に取っていただきたい」と門田さん。

コンブチャの瓶の中に浮かぶ「スコビー」と呼ばれるゲル状の物質は、酢酸菌が合成するセルロース(食物繊維)でできている。これ自体が菌の塊なのではなく、発酵過程で発生する副産物。容器に溜まってきたら取り除こう。

コンブチャの瓶の中に浮かぶ「スコビー」と呼ばれるゲル状の物質は、酢酸菌が合成するセルロース(食物繊維)でできている。これ自体が菌の塊なのではなく、発酵過程で発生する副産物。容器に溜まってきたら取り除こう。

「昔流行した『紅茶キノコ』は酸味や甘味がきつく飲みにくかったそうですが、今一般的に飲まれている『コンブチャ』は甘味も酸味も穏やかで爽やかな飲み心地。優しい味わいで親しみやすいと思います」という通り、大泉工場のコンブチャ「_SHIP ORIGINAL」は、発酵由来のフルーティな香りにほんのり香るお茶の風味の余韻を感じ、すっきりと飲みやすい。

さらなるコンブチャの魅力はその汎用性の広さ。ベースのお茶は紅茶や緑茶だけでなく中国茶、ほうじ茶、そしてコーヒーでもOK。最近は「マテ茶やルイボスティーといったディカフェのお茶で作るのが人気」だそう。

大泉工場ではクラフトビールの製法を応用し、これまでに数十種類のフレーバーコンブチャを開発してきた。ハーブやスパイス、フルーツなどを組み合わせて漬け込めば、好みのフレーバーが作れる。

展開例:チャイ・・・シナモンとバニラの甘い香りにカルダモンの清涼感をプラスしてスパイシーに。バニラは種を取った後のさやだけを使用するのがポイント。

展開例:チャイ・・・シナモンとバニラの甘い香りにカルダモンの清涼感をプラスしてスパイシーに。バニラは種を取った後のさやだけを使用するのがポイント。


家庭で作れる「基本のコンブチャ」の作り方

[材料](作りやすい量)
熱湯・・・3L
紅茶葉(不織布バッグに入れる)(注1)・・・50g
砂糖・・・80~200g
スターター(注2)・・・300ml

注1:茶葉について
紅茶、緑茶、ウーロン茶などのほか、マテ茶やハーブティー、さらにはコーヒーでも作ることができる。慣れてきたら好みのお茶で挑戦。

注2:スターターについて
通販でスターターセットが販売されているほか、コンブチャを作っている人から分けてもらう方法も。「大泉工場NISHIAZABU」では毎月コンブチャワークショップでスターターとコンブチャの作り方を説明。

材料

 [作り方]
 [1]茶を煮出す

茶を煮出す

沸騰した湯に茶葉を沈め、かき混ぜながら2分煮出す。渋くならない程度の濃さに。

[2]砂糖を加える

砂糖を加える

熱いうちに砂糖を加えて溶かし、氷水にあてて28 ~30℃まで冷ます。

[3]スターターと合わせる

スターターと合わせる

スターターと合わせて清潔な容器に移す。

[4]蓋をする


蓋をする

コバエ除けに布や不織布を被せて隙間ができないよう紐でとめる。
POINT:通気性は確保

[5]室温で発酵させる

室温で発酵させる

室温(28~30℃が理想)で2週間置く。発酵が進むうちにスコビー(ゲル状の膜)ができてくる。


発酵温度:28~30℃(室温で可)
発酵期間:2週間
蓋:通気性が必要

発酵のめやす
①膜:青くなっていたりカビが生えたら×。
②匂い:フルーティな香りなら◎。甘ったるい匂いは腐敗。
③pH:3.6~7になったら飲み頃。下がりすぎに注意。
④糖度:発酵前より上がっていたら腐敗。

ハイビスカス&レモングラス

(写真左)「ハイビスカス&レモングラス」・・・コンブチャにハイビスカスとレモングラスを漬け込んだフレーバーコンブチャ。ベリーのような甘酸っぱさと酵母の風味が相まって、フルーツエールのような味わいに。(レシピは下に掲載しています)
(写真中央)「グリーンデトックスコンブチャ」・・・好みのジュースを加えてアレンジしても。ケールや柑橘で作るコールドプレスジュースと混ぜれば、野菜の程よい苦味で後味すっきり。ビタミンなどの栄養価もアップ。
(写真右)オリジナルコンブチャ「_SHIP ORIGINAL」・・・「_SHIP」の全てのフレーバーの軸となるコンブチャ。厳選した和紅茶や煎茶で作り、白ブドウや洋梨を思わせる発酵由来のフルーティな香りと酸味が特徴。華やかな香りと微炭酸の爽やかな飲み心地でコンブチャ初心者にもおすすめ。


応用レシピ:ハイビスカス&レモングラス

基本のコンブチャにハーブを漬け込み二次発酵させれば、簡単にフレーバーコンブチャを楽しむことができる。二次発酵には密閉できる容器を使って。

[材料](2L分)
基本のコンブチャ・・・2L
ハイビスカス・・・10g
レモングラス・・・10g

ハイビスカス&レモングラス

[1]基本のコンブチャを漉す

基本のコンブチャを漉す

基本のコンブチャをペーパーなどで漉す。ハイビスカスとレモングラスは不織布のバッグに入れる。

[2]室温で発酵させる

室温で発酵させる

を清潔な密閉容器に入れて容器の蓋を完全に閉め、密閉する。室温で2週間発酵させる


発酵温度:28~30℃(室温で可)
発酵期間:2週間
蓋:密閉できるもの



◎大泉工場「KOMBUCHA Brewery & Taproom」
埼玉県川口市領家5-4-1
☎048-222-1171
OPEN 金・土・日曜、祝日 
10:00-16:00
oks-kombuchaship.com

◎大泉工場NISHIAZABU
東京都港区西麻布2-13-13
☎03-6427-4749
8:00~20:00(火曜~土曜)、8:00~18:00(日曜)
月曜休
https://oks-nishiazabu.com/

※営業時間・定休日が記載と異なる場合があります。事前に店舗に確認してください。

(雑誌『料理通信』2018年8月号掲載)

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