鈴木鉄平さん&山代徹さん「青果ミコト屋」
第1話「旅する八百屋」(全5話)
2016.04.01
BETWEEN FARM AND DINING
1冊の本があります。
『1 / 365 by micotoya』
『1 / 365 by micotoya』
これ、「青果ミコト屋」という八百屋さんが作ったビジュアルブックです。共に1979年生まれの同級生、鈴木鉄平さんと山代徹さん二人が立ち上げた八百屋。
八百屋といっても、彼らは店を持ちません。
トレードマークのベンツの古いキャンピングカーで全国の農家さんを巡り、直接送ってもらった野菜を仕分けて、各家庭まで宅配します。イベントに出店して野菜を売ることもあるし、パッタイなどのフードを販売することもあります。出店先はさまざまで、逗子海岸の映画祭にも行けば、自由が丘の人気セレクトショップにも行きます。
八百屋といっても、彼らは店を持ちません。
トレードマークのベンツの古いキャンピングカーで全国の農家さんを巡り、直接送ってもらった野菜を仕分けて、各家庭まで宅配します。イベントに出店して野菜を売ることもあるし、パッタイなどのフードを販売することもあります。出店先はさまざまで、逗子海岸の映画祭にも行けば、自由が丘の人気セレクトショップにも行きます。
改めて、八百屋の定義って、何でしょう?
八百屋の仕事は、もちろん野菜の販売です。
それを、ミコト屋は「畑と食卓の間(between farm and dining )」に立つ仕事と捉えています。仕入れた野菜をただ売るのではなくて、野菜を通して食卓で自然を感じてもらうのも自分たちの仕事だと言います。
「都会に暮らしていると、風の便りとか、虫のしらせとか、五感で感じられる本能が薄れているなと感じます。そうすると、自分がいま食べているものが自然か不自然かも判断できなくなってくる。自然の本能を取り戻すには、自然に触れることしかない。僕たちは野菜をきっかけに、自然をもう少し近づけたい。自然とともに生きる心地よさも伝えたいと思っています」
そう語るのは、ミコト屋代表の鈴木鉄平さん。
「畑と食卓をむすぶ仕事」として八百屋を捉えると、ぐっとクリエイティブな可能性が生まれて、なんだかワクワクしてきます。
八百屋の仕事は、もちろん野菜の販売です。
それを、ミコト屋は「畑と食卓の間(between farm and dining )」に立つ仕事と捉えています。仕入れた野菜をただ売るのではなくて、野菜を通して食卓で自然を感じてもらうのも自分たちの仕事だと言います。
「都会に暮らしていると、風の便りとか、虫のしらせとか、五感で感じられる本能が薄れているなと感じます。そうすると、自分がいま食べているものが自然か不自然かも判断できなくなってくる。自然の本能を取り戻すには、自然に触れることしかない。僕たちは野菜をきっかけに、自然をもう少し近づけたい。自然とともに生きる心地よさも伝えたいと思っています」
そう語るのは、ミコト屋代表の鈴木鉄平さん。
「畑と食卓をむすぶ仕事」として八百屋を捉えると、ぐっとクリエイティブな可能性が生まれて、なんだかワクワクしてきます。
同世代に食べてほしい、"スタンダード"な野菜
畑の様子を、食べ手に伝えたい。
そんな思いを抱き、野菜流通業や飲食業に携わる人は少なくないでしょう。しかし、どうつなぎ、何を伝えるか、実現できずに悩んでいる人もいるかもしれません。
ミコト屋は明確なターゲットとメッセージ、具体的なイメージを持って起業しました。
ターゲットとしたのは、高収入でない“普通の家庭”。
「僕らと同じ世代に野菜を届けたい」という想いがありました。
店のイメージは、移動式の“旅する八百屋”。
八百屋のオルタナティブな価値を示し、「野菜についている土臭いイメージを払拭して、スタイリッシュな価値を持たせる」ことを目標としました。
だから、ミコト屋の陳列はなんだか“かっこいい”。
ベンツのキャンピングカー「ミコト屋号」の前に木製ラックを置き、アースカラーの布をひいたり、使い込まれた木の器を使ったりしながら、力強い色彩を持つ野菜を並べます。店内イベントの時もミコト屋らしさは変わりません。思わず、目を奪われる八百屋。二人の風情も、八百屋らしからぬ一因かもしれません。
そんな思いを抱き、野菜流通業や飲食業に携わる人は少なくないでしょう。しかし、どうつなぎ、何を伝えるか、実現できずに悩んでいる人もいるかもしれません。
ミコト屋は明確なターゲットとメッセージ、具体的なイメージを持って起業しました。
ターゲットとしたのは、高収入でない“普通の家庭”。
「僕らと同じ世代に野菜を届けたい」という想いがありました。
店のイメージは、移動式の“旅する八百屋”。
八百屋のオルタナティブな価値を示し、「野菜についている土臭いイメージを払拭して、スタイリッシュな価値を持たせる」ことを目標としました。
だから、ミコト屋の陳列はなんだか“かっこいい”。
ベンツのキャンピングカー「ミコト屋号」の前に木製ラックを置き、アースカラーの布をひいたり、使い込まれた木の器を使ったりしながら、力強い色彩を持つ野菜を並べます。店内イベントの時もミコト屋らしさは変わりません。思わず、目を奪われる八百屋。二人の風情も、八百屋らしからぬ一因かもしれません。
とはいえ、野菜をファッションとして捉えているわけではありません。
同世代に野菜についての意識改革をすることで、「最終的に自分たちが扱っている(自然栽培や有機栽培など)“特別”と思われている野菜を“スタンダード”にしたいんです」。
ミコト屋が取り扱うのは、農薬も肥料も使わないで栽培された野菜がほとんど。固定種や在来種の野菜も多い。こうした農法で育てられた野菜を「おいしい」と思う人が増えることで、作り手(農家)改革もできるのではないか――。ミコト屋が夢見ているのは、そんな壮大なビジョンなのです。
2011年、たった1軒の農家から野菜を仕入れて30軒の家庭へと宅配した「ミコト屋」は、3年間で約80軒の農家と契約し、宅配で200軒の家庭へと定期配送するまでに成長しました。週末は野外イベントに引っ張りだこ。ジャムやお茶などの加工品も手がけています。
そんな「旅する八百屋」がどう生まれ、どう成長しているのか、話を聞きました。
(次の記事へ)
同世代に野菜についての意識改革をすることで、「最終的に自分たちが扱っている(自然栽培や有機栽培など)“特別”と思われている野菜を“スタンダード”にしたいんです」。
ミコト屋が取り扱うのは、農薬も肥料も使わないで栽培された野菜がほとんど。固定種や在来種の野菜も多い。こうした農法で育てられた野菜を「おいしい」と思う人が増えることで、作り手(農家)改革もできるのではないか――。ミコト屋が夢見ているのは、そんな壮大なビジョンなのです。
2011年、たった1軒の農家から野菜を仕入れて30軒の家庭へと宅配した「ミコト屋」は、3年間で約80軒の農家と契約し、宅配で200軒の家庭へと定期配送するまでに成長しました。週末は野外イベントに引っ張りだこ。ジャムやお茶などの加工品も手がけています。
そんな「旅する八百屋」がどう生まれ、どう成長しているのか、話を聞きました。
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