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JOURNAL / 世界の食トレンド

新技術で可能に。ポリフェノール含有量が飛躍的に高いオリーブオイル

Italy[Roma]

2024.04.15

新技術で可能に。ポリフェノール含有量が飛躍的に高いオリーブオイル

text by Manami Ikeda
(写真)搾油したての新鮮なオリーブオイル

オリーブオイルとその関連食品メーカー「アクティブ・イタリア(ACITVE ITALIA)」社は、ローマのラ・サピエンツァ大学と共同で10年以上、オリーブオイルに含まれるポリフェノールについて研究を重ねてきた。そして、これまでは水分や搾りかすに残留したオレオカンタール、オレアセイン、チロソール、ヒドロキシチロソールなどのポリフェノールを、薬剤などを使うことなくオリーブオイル中により多く抽出することに成功。オリーブオイルを健康に良い食品というだけでなく、“効率よくポリフェノールを摂取できる天然のサプリメント”として提供できるようになったという。

抗酸化力を持つポリフェノールは、オリーブオイルの味、風味、安定性に影響し、そして人体には抗炎症、抗菌、抗発がんの効果が期待できるとされる。オイル中の含有量はオリーブの品種、栽培環境、搾油など様々な要因で変化する。

オリーブオイルを健康に良い食品というだけでなく、“効率よくポリフェノールを摂取できる天然のサプリメント”として提供できるようになった。

(写真)若いうちに収穫することでポリフェノール抽出量を増やす。その代わり、オイルの抽出量は少なくなる。

アクティブ・イタリア社は、元来ポリフェノール含有量の高いコラティーナ種に着目して研究開発を行ない、これまでは1kgあたり250〜350mg含有していれば良しとされていたのが、2800mgまで抽出できるようになったという。しかも、酸度も0.09%と極端に低いため、劣化のスピードも抑えられる。また、ポリフェノールの抽出を自在にコントロールする技術を利用し、苦味をもたらすオレアセイン、辛味をもたらすオレオカンタールの量を加減することで、よりデリケートな味わいに仕立てたり、さらには、抽出したポリフェノールを他のオイル(綿実油など)に添加して、それぞれのオイル特有の性質や風味の維持保存に利用することも可能になったという。

アクティブ・イタリア社の新技術は、オリーブオイルだけでなくオイル全般の品質向上に貢献したと言えるだろう。

アクティブ・イタリア社が持つプーリア州のオリーブ畑。

(写真)アクティブ・イタリア社が持つプーリア州のオリーブ畑。大木のオリーブが並ぶ様はプーリアならではの眺め。

高ポリフェノール含有量を実現した「SUPREME」(コラティーナ種 100%)64 ユーロ/250ml。

(写真)高ポリフェノール含有量を実現した「SUPREME」(コラティーナ種100%)64ユーロ/250ml。この他、ポリフェノールを調整してよりデリケートな味わいに仕立てた「CONCERTO」(コラティーナ種100%)、「SUPREMO」(オリアローラ種100%)、他の植物油にオリーブ由来のポリフェノールを添加した「AQUA SUMMA」シリーズも。


◎ACTIVE ITALIA
https://active-italia.com/

*1ユーロ=163円(2024年3月時点)

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