甘酸っぱい夏の焼き菓子「完熟梅ジャムのケイク」
スローレシピ15
2024.06.06
photographs by Tomoaki Kawasumi
連載:スローレシピ
材料をイチから用意し、時間をかけて、料理すること自体をゆっくりと楽しむ。それが“スローなレシピ”。時短とは真逆の価値観の先に、とびきりの味が待っています。6月は梅仕事の季節。今回は完熟梅のジャムと、それを使ったケイクの作り方を教わります。甘酸っぱさがたまらない、この時期ならではのおいしさです。
目次
教えてくれた人:兵庫・元町「ネイバーフード」安藤美保さん
梅の熟度に合わせて砂糖の量を調整
この季節になると毎年、梅仕事をします。梅干しや梅味噌、梅ポン酢のほか、青梅をコンポートに、完熟梅をジャムにします。また、これらを使って夏向きの焼き菓子も作ります。
今回紹介する梅ジャムにはブラジル産のグラニュー糖タイプのオーガニックきび糖を使います。出来上がりのジャムの色に影響せず、甘味もまろやかになります。梅の熟度に合わせて砂糖の量は加減して。また、ジャムの甘さをみて生地の砂糖の量も調整するとなおよいです。
梅の甘酸っぱさが引き立つよう、バターの半量を菜種油に代えました。クランブルにココナッツを混ぜ、夏らしい香りをまとわせると美味です!
「完熟梅ジャムのケイク」材料と作り方
[材料](18㎝のパウンド型1個分)
◎ 梅ジャム( 作りやすい分量)
完熟梅・・・500g
きび糖・・・果肉の70~80 %
◎クランブル
ココナッツファイン・・・15g
薄力粉・・・15g
きび糖・・・15g
アーモンドプードル・・・5g
菜種油・・・大さじ1
◎生地
卵(溶きほぐす)・・・2個
きび糖・・・40g
牛乳・・・30ml
無塩バター(溶かす)・・・45g
菜種油(太白ゴマ油、米油でも可)・・・20g
A
薄力粉・・・130g
塩・・・ひとつまみ
アーモンドプードル・・・20g
ベーキングパウダー・・・4g
[作り方]
[1]梅の下処理
梅ジャムを作る。梅を洗って、竹串で枝なりを取り除き、表面数カ所に穴を開ける。
POINT:青梅の場合、一晩浸水する。
[2]梅を茹でる
鍋に梅とかぶる位の水を入れて弱火にかけ、60℃になったら水を替え、再度火にかける。
POINT:硬いままの場合、火を止めてからしばらく置くとよい。
[3]炊く
2を3~4回繰り返したら種を除き、きび糖を加え、透明感が出るまで約15分炊く。アクは除く。
POINT:冷めると固くなるので、煮詰めすぎない。
[4]クランブルを作る
クランブルを作る。ココナッツファイン、薄力粉、きび糖、アーモンドプードルをボウルに入れ、菜種油を加えて、カードでさっくり混ぜ、そぼろ状にする。
[5]生地をつくる(1)
ボウルに卵をほぐし、きび糖と牛乳を加えて泡立て器で混ぜる。バターと油を加えてさらに乳化させる。
[6]生地をつくる(2)
Aをふるい合わせて5に加え、泡立て器で粉気がなくなるまでよくかき混ぜる。
[7]型に入れる
型に紙を敷き、6の半量を流し込み、3の梅ジャムを80gのせ、残りの生地を流し込む。少量のジャムをところどころにのせ、4を散らす。
[8]焼く
170℃のオーブン(電気の場合180℃)で40分焼成。10分経ったら一旦取り出し、中央部にナイフで切り込みを入れ、窯に戻す。
[9]冷ます
竹串を刺して何も付いてこなければ、焼き上がり。型から出して冷ます。
兵庫・元町「ネイバーフード」の店舗情報
◎ネイバーフード
兵庫県神戸市中央区元町通1-12-6
☎ 078-381-6727
11:00~19:00(日曜、祝日~18:00)
月曜、第3火曜休
各線元町駅より徒歩3分
https://neighborfood-kobe.com/
※営業時間・定休日が記載と異なる場合があります。事前に店舗に確認してください。
(雑誌『料理通信』2016年8月号掲載)
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