濃厚な旨味&ジューシーな食感「キュウリのガピ炒め」
レスキューレシピ【夏野菜編】
2024.09.05
photographs by Daisuke Nakajima
連載:レスキューレシピ
日本の食品ロス量は年間570万トン*と言われています。生産者が丹精込めて作った食材を無駄にしないための活用レシピをシェフに教わります。8~9月のテーマは【夏野菜】。夏も終盤になると、夏野菜の食べ方もマンネリ化しがち。バリエーションの幅を広げ、食材のおいしさを再認識するレシピをご紹介します。今回は、キュウリをガピ(エビペースト)と炒め合わせた一品。生で食べるのとは違うジューシーなキュウリの食感が楽しめます。
*農林水産省「日本の食品ロスの状況(令和元年度)
目次
教えてくれた人:東京・幡ヶ谷「サプライ」小林隆一シェフ
都内のイタリアンで経験を積んだ後、2019年1月に独立。妻でソムリエの希美さんと共に、ナチュラルワインと本格的なイタリアンを立ち飲み酒場のような寛いだ雰囲気で提供する。
焦がさずゆっくり芯まで温める
普通、キュウリは生のまま食べますが、中国料理では炒めることもあるようですね。店でもズッキーニと同じ感覚で、加熱して使うことも。キュウリは、火を通した時に青っぽい香りがして、より水分たっぷり、ジューシーな食感になるので好きです。キュウリとアナゴのパスタなんかもおいしいですよ。
このレシピで重要なのは火加減かな。ガピ(エビペースト)が焦げやすいので、弱めの中火で混ぜながら、焦らず加熱します。キュウリがクタッとしすぎず、でも芯までちゃんと温まる炒め具合を目指しましょう。
仕上げに燻製パプリカパウダーや削りたての鰹節をふりかけます。燻香と鰹の風味が、ガピの濃厚な旨味、魚介の香りを増幅させ、箸の止まらない味わいに。濃い目の味付けを、大きめに切った、ボリボリ歯応えのあるキュウリが受け止めてくれます。
「キュウリのガピ炒め」材料と作り方
[材料](1人分)
キュウリ・・・1本
E.V.オリーブ油・・・大さじ1
ガピ(エビペースト)・・・大さじ1/2
ニンニクオイル*・・・小さじ1/2
粗挽き唐辛子、塩・・・各少量
赤タマネギ(刻む)、鰹節、スモークパプリカパウダー、E.V.オリーブ油・・・各適量
*ニンニク適量をみじん切りにし、被るくらいのE.V.オリーブ油を注ぎ冷蔵庫で保存する。
[作り方]
[1]大きく切る
キュウリは洗って大きめの乱切りにする。
POINT:大きく切ると、炒めてもジューシーに仕上がる。
[2]ガピを炒める
フライパンにオリーブ油とガピを入れて中弱火にかけ、木ベラでガピを崩しながら香りが出るまで炒める。
[3]キュウリを炒める
1のキュウリを加えて木ベラで混ぜながら炒める。
POINT:ガピを焦がさず、キュウリにはきちんと火が入るよう火加減を調整する。
[4]炒め加減を見極める
皮が鮮やかな明るい緑色になり、断面が少し透き通ってきたらOK。
[5]ニンニクオイルを加える
ニンニクオイル、粗挽き唐辛子、塩を加え、軽く炒め混ぜる。全体が馴染んだら火を止める。
[6]仕上げる
皿に盛り、赤タマネギ、鰹節をのせ、スモークパプリカパウダー、E.V.オリーブ油を振る。
POINT:スモーク香をプラスし、酒の進む味に!
東京・幡ヶ谷「サプライ」の店舗情報
◎SUPPLY
東京都渋谷区幡ヶ谷1-5-6
☎なし(予約はInstagramまたはFBのメッセージで)
14:00~21:00頃
不定休
京王線幡ヶ谷駅より徒歩4分
Instagram:@supply_hatagaya
※営業時間・定休日が記載と異なる場合があります。事前に店舗に確認してください。
(雑誌『料理通信』2019年9月号掲載)
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