フレーバーティーで作る。あっさりして香り高い「ヴァニラ・シャンティイのアイスクリーム」
レスキューレシピ【お茶編】
2024.11.28
photographs by Hiroaki Ishii
連載:レスキューレシピ
日本の食品ロス量は年間570万トン*と言われています。生産者が丹精込めて作った食材を無駄にしないための活用レシピをシェフに教わる連載「レスキューレシピ」。今回のテーマは【お茶】。余らせてしまいがちなお茶を使った、そのまま飲む以外のアレンジ方法を紹介します。今回は、バニラのフレーバーティーを使ったアイスクリーム。あっさりとしながら香り豊かで、秋の夜長にぴったりなおいしさです。
*農林水産省「日本の食品ロスの状況(令和元年度)」
目次
- ■教えてくれた人:紅茶の輸入卸販売「アンシャンテ・ジャポン」鷲塚梨花さん
- ■香りがもたらす豊かな味わい
- ■フレーバーティーをおいしく淹れる方法
- ■「ヴァニラ・シャンティイのアイスクリーム」材料と作り方
教えてくれた人:紅茶の輸入卸販売「アンシャンテ・ジャポン」鷲塚梨花さん
フランス留学中にフレーバーティーに魅了され、紅茶専門店に弟子入り。帰国後、現地の紅茶生産会社と直接交渉し、2002年にフランス紅茶の輸入卸販売を開始。南部鉄器カラーポットの企画販売も手掛ける。現在、小売は終了し、紅茶のB to B販売のみ行う。
香りがもたらす豊かな味わい
フレーバーティーといえば、ベルガモットの香りをつけたアールグレイがおなじみだが、「アニスやシナモンなどのスパイスを加えたもの、バラなどの花を加えたものなど様々なブレンドがあります」と「アンシャンテ・ジャポン」の梨花さん。気分に合わせてフレーバーを変えて楽しめるが、デザートにも活用できるそうだ。
「完成されたブレンドなので、ハーブやスパイスを使うように、フレーバーとして使えると思います」。コツは、「他の素材に負けないよう、飲む時よりも濃く抽出して使うこと」。抽出液を煮詰めた「紅茶シロップ」にすれば、フレーバーがいっそう凝縮され、お茶の個性が際立つ。「アイスクリームやかき氷、パンケーキにかけてもいいですね」。
フレーバーティーをおいしく淹れる方法
1 茶器(ポット、カップ)を湯で温める
2 一人分の茶葉(2.5g)をポットに入れる
3 一人分約180ml の熱湯を注ぐ
4 蓋をして3分間蒸らす
5 1で温めたカップに注ぐ
※ デザートに使う場合は、茶葉の量を増やし、濃いめに淹れるとよい。
「ヴァニラ・シャンティイのアイスクリーム」材料と作り方
バニラのフレーバーティー
刻んだバニラビーンズを加え、甘い香りに仕立てたお茶。ミルクとの相性が良い。
[材料](作りやすい分量)
バニラのフレーバーティー(ヴァニラ・シャンティイ)・・・20g
低脂肪牛乳・・・200ml
生クリーム・・・30ml
卵黄・・・6個
砂糖・・・45g
[作り方]
[1]フレーバーティーを淹れる
茶葉に熱湯100mlを注ぐ。2分40秒程度蒸らし、茶こしで漉す。
[2]乳を温める
鍋に1と牛乳、生クリームを入れて火にかけ、沸騰直前まで温める。
[3]卵と砂糖を混ぜる
ボウルに卵黄を入れて泡立て器でほぐす。砂糖を加えて混ぜる。
[4]合わせる
泡立て器で混ぜながら、2を少しずつ加える。
[5]湯煎にかける
湯煎にかけ、泡立て器で混ぜながら、80℃まで温める。ザルなどで漉す。
[6]冷やす
5のボウルを氷水で冷やし、冷めたらアイスクリームマシンで固める。アイスクリームマシンがなければ、2~3時間おきに全体をよく混ぜながら冷凍庫で冷やし固める。
乳のコクの中に、紅茶のほのかな苦味や渋味、甘いバニラが香る。アイスクリンのようなあっさりしたアイスがお茶の風味を引き立てる。
(雑誌『料理通信』2017 年8月号掲載)
掲載号はこちら