HOME 〉

RECIPE

高知の郷土料理をナイフとフォークで「カツオの塩タタキ」

ブルーフード・レシピ:「アヒルストア」齊藤輝彦

2025.06.23

高知の郷土料理をナイフとフォークで「カツオの塩タタキ」

photographs by Kouichi Takizawa

連載:ブルーフード・レシピ

海に囲まれ、豊かな漁場を有する日本には魚食文化が根付いています。魚を食べるなかで培われ、受け継がれてきた知恵や知識を継承し、上手に食べることは、多様性豊かな海の保全につながります。日本周辺でとれる水産物(ブルーフード*)の魅力を再発見するレシピを人気店のシェフに教わります。今回は、高知の郷土料理をおしゃれにアレンジした「カツオの塩タタキ」です。

*ブルーフードとは、淡水・海洋環境に由来する植物、動物、藻類など水生生物性食品のこと。食料危機や気候変動などの課題に対応し、健康的で持続可能な食料システム構築への貢献が期待されている。
**日本の海面漁業の漁獲量ランキング(漁獲量/前年比)【農林水産省:令和5年漁業・養殖業生産統計】
全体(282万3,400t/-4.3%):1位マイワシ(68万900t/+6.1%)、2位ホタテガイ(33万600t/-2.8%)、3位サバ類(26万1,100t/-18.3%)、4位カツオ(15万2,600t/-20.0%)、5位スケトウダラ(12万2,900t/-23.4%)、6位カタクチイワシ(11万4,000t/-7.3%)、7位マアジ(9万2,000t/-7.0%)、8位ブリ類(8万1,000t/-12.9%)、9位サケ類(6万t/-31.8%)、10位マダラ(5万4,000t/-6.9%)

目次






教えてくれた人:東京・富ヶ谷「アヒルストア」齊藤輝彦さん

「アヒルストア」齊藤輝彦さん

大学卒業後、設計事務所、弁当屋台「スター食堂」、ワインショップ勤務を経たのち、元点心師の妹の和歌子さんと共に2008年現店開業。以来、ナチュラルワインシーンをけん引する酒場として注目を集め続ける。


200gも一人でペロリ

カツオはマグロのような安定感はないけれど、たまに当たったときは、その辺で売ってるマグロではまるで歯が立たないくらい凄まじい高みにいくのが面白いなと思います。ワインもそういうものが好きですね。

カツオの塩タタキは高知の郷土料理。箸を使わず、ナイフとフォークで食べることを前提にしたプレゼンです。気持ち厚めに切ったカツオは立てずに寝せて、地元では必ず添えられる生のニンニクを僕はチップにして少しだけ散らす。代わりにホースラディッシュとパクチーをたっぷりトッピングします。

一人じゃちょっと多いかな、と思う量ですが、みんなペロリと食べちゃいますね。

「カツオの塩タタキ」材料と作り方

[材料]
カツオの柵(皮付き)・・・200g
ヒマワリ油・・・適量
塩・・・適量
E.V.オリーブ油・・・適量
ニンニクチップ*・・・少量
山わさび(ホースラディッシュ)・・・適量
パクチー・・・適量
赤ワインビネガー、ナンプラー・・・各適量

フライパンにヒマワリ油とスライスしたニンニクを入れて火にかけ、低温でゆっくりきつね色になるまで揚げる。ザルにあけ、キッチンペーパーをしいたバットに並べ、油をよく切る。

[作り方]
[1]余計な水分を出す
カツオに塩を振り、20分おく。出た水分はキッチンペーパーでよく拭きとる。

[2]表面を揚げ焼きする
フライパンに多めのヒマワリ油を熱し、強火で皮側を40秒、身側は10秒ずつ揚げ焼きにする。

[3]切る
まな板にとり、1.5cm厚さにカットする。

[4]仕上げる
切り口を上にして器に盛り、E.V.オリーブ油をふりかけ、ニンニクチップを砕いて散らす。マイクロプレインで山わさびをすりおろし、赤ワインビネガーとナンプラーで和えたパクチーをこんもりと盛る。

カツオの塩タタキ

東京・富ヶ谷「アヒルストア」の店舗情報


◎アヒルストア
東京都渋谷区富ヶ谷1-19-4
☎03-5454-2146
15:00~21:00
水、日曜休
東京メトロ代々木公園駅より徒歩7分
Instagram:@ahiruani

※営業時間・定休日が記載と異なる場合があります。事前に店舗に確認してください。

(雑誌『料理通信』2017年7月号掲載/本文はウェブサイト用に一部調整しています)

料理通信メールマガジン(無料)に登録しませんか?

食のプロや愛好家が求める国内外の食の世界の動き、プロの名作レシピ、スペシャルなイベント情報などをお届けします。