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RECIPE

ナチュラル系中華に必須の旨味調味料「酒醸(チュニャン)」

【DIYレシピ】

2026.02.02

ナチュラル系中華に必須の旨味調味料「酒醸(チュニャン)」

photographs by kouichi takizawa

連載:DIYレシピ

塩蔵、乾燥、発酵・・・調理メソッド&テクニックを身に着けて、普段買っている食べ物を一から作ってみると、自分で味を作る喜びや安心感を得られます。シンプルな材料と道具で作れる自家製アイテムをシェフに教わります。今回は、中国料理で使われる万能調味料「酒醸(チュニャン)」です。自然な甘味や旨味を表現するのに欠かせません。

目次






教えてくれた人:東京・南青山「慈華」田村亮介さん

田村亮介さん
photograph by Hemi Cho

台湾の四川料理店や精進料理店で研修を積んだ後、「麻布長江 香福筵」シェフを経て、2019年現店開店。中国料理の技術や文化と日本人の感性・テロワールを融合した独自の中国料理を提供。「ミシュランガイド2021」以降6年連続で一ツ星を獲得。


料理の味を立体的にまとめ上げる

酒醸(チュニャン)って、聞いたことがない方も多いと思います。もち米を現地の麹菌で発酵させたもので、日本の「甘酒」「みりん」に近いでしょうか。餅団子や果物を添えてデザートにして食べたりもしますが、一番は、料理に欠かせない“万能調味料”として大活躍してくれます。

中国料理でうま味調味料をよく使うのは、香辛料や醤、油など、幾重にも重ねる強い味を緩衝材として抱え、まとめてくれるからなのですが、本来、うま味調味料が普及する前は、酒醸がその役割を果たしてきました。

また、ただの塩味も、酒醸をひとさじ加えるだけで、うんとふくよかに。麹の甘味、旨味、酸味が料理の味を立体的にしてくれるんですね。

僕の店は化学調味料不使用。その代わり酒醸はよく使います。毎日欠かせないので、結構な量を手作りしていますね。中国の麹が入手できないので、市販の米麹ともち米で代用しています。厨房に常温で管理できるので、かき混ぜるのを忘れなければさほどの手間もありません。ナチュラル系中華に必須の調味料です。

「酒醸」材料と作り方

[材料]

「酒醸」材料

もち米・・・1.5㎏
米麹・・・90g
日本酒・・・1600g

温度計

麹ともち米を合わせる際、温度管理が重要。40~50℃でないとうまく発酵しないので、温度計を使うこと。


[作り方]
[1]もち米を洗う

[1]もち米を洗う

もち米を洗い、30分以上水に浸し、ザルにあげて水気を切る。

[2]蒸す

[2]蒸す

せいろにさらしを敷いてもち米を入れ、強火で30分ほど蒸す。

[3]冷ます

[3]冷ます

ボウルに移してほぐし、ふきんで覆い少し冷ます。40~50℃を守ること。

[4]酒と麹を加える

[4]酒と麹を加える

日本酒と、よくほぐした米麹を加え、よく混ぜ合わせる。

[5]発酵

[5]発酵

ラップをかけ、20~25℃前後の室温で発酵させる。1日2~3回かき混ぜる。

[6]完成

[6]完成

3~7日で完成。熟成が進むほど甘味や苦味、コクが深まる。海老チリや麻婆豆腐の隠し味にしたり、うま塩味に仕上げる料理にも。乳製品にかけたり、デザートやドリンクに仕立てるなど多様な使い方ができる。


仕込み時間:3~7日
保存方法:冷蔵で2週間ほど。余った分は小分けにして冷凍。


展開例:ヒイカとミニトマトの酒醸炒め

ヒイカとミニトマトの酒醸炒め

コクと深みがありながら、すっきりとした塩味の炒めもの。ヒイカは照りよく、ふっくら。

[材料](約4人分)
ヒイカ・・・6ハイ
ミニトマト(赤・黄/湯剥きしておく)・・・各3個
ソラ豆(茹でて薄皮を剥く)・・・6粒
葱油※・・・大さじ1/2
長ネギ(1㎝角の色紙切り)・・・大さじ1

塩・・・小さじ1
酒、酒醸、鶏ガラスープ・・・各大さじ1
水溶き片栗粉・・・少量
※ ネギの青い部分、タマネギの皮、ショウガの皮を大豆白絞油で40~50分、弱火で煮出したもの。

[作り方]
[1]ヒイカは下足と身を切り離し、内臓とクチバシを取り除いてきれいに洗う。
[2]下足と身を70℃の湯にくぐらせ、半レアに火を通す。トマト、ソラ豆も同様に温める。
[3]中華鍋に葱油とネギを入れて熱し、香りが立ったらを入れて一度あおり、を回しかけ、とろみが出るまで全体に絡める。


東京・南青山「慈華」の店舗情報


慈華(いつか)
東京都港区南青山2丁目14−15 AOYAMA FUSION Bldg.2階
☎03-3796-7835
12:00~15:00(入店13:00まで)/18:00~22:30(入店20:00まで)
月曜休、不定休
東京メトロ外苑前駅より徒歩3分
https://www.itsuka8.com/

※営業時間・定休日が記載と異なる場合があります。事前に店舗に確認してください。

(雑誌『料理通信』2015年7月号掲載/本文はウェブサイト用に一部調整しています)

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