日本 [長野] 日本の魅力 発見プロジェクト ~vol.9 白馬~
アウトドア派も、インドア派も。グリーンシーズンの白馬へ!
2018.12.20
信州といえば蕎麦。まずは、地元で人気のそば工房林檎舎(りんごや)で胃袋から信州色に染めていく。辛味の効いた辛味大根の絞り汁と信州味噌、信州名物クルミのたれ、鰹だしのたれの三種類が楽しめるそば三昧がお薦め。
実は雪のない季節こそ楽しい白馬
長野駅から車で走ること約1時間。県の北西部に位置する「白い馬」という美しい名前を持つ村は、八方尾根スキー場や、岩岳、栂池高原など10のスキー場があり、そのパウダースノーは世界中のスキーヤーの憧れの的ともなっている。
しかし、雪のない緑の季節に白馬は、真のアウトドア派にとって絶好のシーズンを迎える。
2017年、アメリカの放送局CNNが選ぶ「日本で最も美しい場所34選」にも選ばれた白馬。明治時代には、日本各地の山に登り『日本アルプスの登山と探検』を著し、日本の山々や文化風習を世界に紹介した登山家でもある宣教師、ウォルター・ウェストン氏や日本の学術研究家たちも白馬の山々に登り、当時から高山植物の宝庫としての名声を確立していた。山だけではない。美しい川も湖もある。上級者からビギナーまで幅広く楽しめる登山、トレッキング、キャニオニング、キャンプ、パラグライダー、熱気球、マウンテンバイク、カヌー、ラフティング……。地球上に存在するアウトドアスポーツの中で、白馬でできないものはないのではないかと思うほど、自然を満喫し、自然の中で遊ぶメニューの宝庫だ。
白馬は「2回来ればローカル(地元民)になれる場所」であるという。移住組みは日本人だけではない。皆、白馬の自然や人々に恋をして移住し、村で生まれた人々のコミュニティーの中に入って活躍している。「白馬はネバーランドである」と語ったのは、愛知県出身の白馬村民。ネバーランドとは、移り住むと年をとらなくなる妖精の国であるが、白馬は、自然を愛する人であれば、何歳であっても、童心に帰って遊ぶことができる。東京から白馬までの所要時間は約3時間。不思議なことに、妖精がロンドンからネバーランドまで飛んで行くのと同じくらいの所要時間である。
そば工房林檎舎(民宿としても営業)
http://sobakoboringoya.com/
長野県北安曇郡白馬村北城5289
☎ 0261-71-1566
11:00~14:30 (L.O.14:00)※仕込み切れのため早閉まいする場合もあります。 不定休
JR白馬駅から徒歩25分、車で3分(2km)白馬八方バス停からすぐ
海抜1800m級の高地に出現したアトラクション
緑の栂池(つがいけ)といえば、昭和40年代に長野県内で4番目の自然園として整備が始まった栂池自然園が広く知られている。海抜1800~2000メートル級の高地での約5.5キロのハイキング。ミズゴケ類が数千年から数万年かけて泥炭化してできた高層湿原では、雪解けの頃には水芭蕉、夏の頃には高山植物の花が咲き、そして秋には白馬の山並を赤、黄色の暖色に見事に染めあげる紅葉を楽しむことができる。
そんな、「ザ・日本」とも呼ぶことができる山の風景の中に、2018年8月に「白馬つがいけWOW!」というアクティビティがオープン。名前の通り、思わず「WOW!」と叫んでしまいそうなこの施設は、フランスから日本に初上陸した。網の中をもがきながら進む「アミダス」。スキージャンプ台のような急坂をチュービング(大きな浮輪のようなもの)に乗って滑り下り、チュービングごと高くジャンプする「トビダス」。池の上に張られたワイヤーの上を自転車で綱渡りのように進む「コギダス」など、名前も楽しいアトラクションは、大人も童心に帰って楽しめるものばかりだ。
白馬つがいけWOW!
https://hakubawow.jp/
9:00~16:00 オープン期間内は無休
JR白馬駅から路線バス 栂池高原下車 栂池ゴンドラリフトで1駅
ゴンドラ栂池高原駅周辺に駐車場あり
(お問い合わせ)白馬観光開発株式会社 栂池営業本部
☎ 0261-83-2255
マウンテンバイクの聖地、岩岳(いわたけ)
標高1,289メートルの岩岳(岩茸山・いわたけやま)。大学でスキー部やスキーサークルに所属していた方なら、学生スキーの大会が行われるスキー場を思い出すだろう。この岩岳も春から秋にかけてのシーズンこそがお薦めの白馬の山である。
ゴンドラ山麓駅から岩岳ゴンドラリフト「ノア」に乗り、山頂駅へ。「ブナ」「ミズナラ」の森をガイド付きのウォーキングツアーに参加して、森林浴を楽しむもよし。白馬の街並みと遠くには八ヶ岳連峰までを見渡せるウッドデッキで自分時間を過ごすのもよし。
また、岩岳がマウンテンバイクの聖地という「動」の顔を持っていることも忘れてはいけない。岩岳のマウンテンバイクシーンが2015年に復活。世界のマウンテンバイカーから熱い注目を浴びているのだ。山頂から駆け下りるダウンヒルコースはもちろん、木々の中をゆっくりと走るクロスカントリーコースなど子供も大人も、プロ級も初級者も、幅広くマウンテンバイクを楽しむことができる。カントリーコースでは、マウンテンバイクを自由に操りながら山道そのものを楽しむだけでなく、コース途中に、バイクラックとベンチが備え付けられているビューポイントで、山々が作り出す美しい景色を楽しむのも白馬流マウンテンバイクの乙な楽しみ方である。
白馬岩岳 MTB PARK(マウンテンバイクパーク)
http://www.nsd-hakuba.jp/iwatake_mtb_park/
長野県北安曇郡白馬村北城12056
☎ 0261-72-2474
スパイシーMTBアドベンチャー
http://spicymtb.com/
☎ 0261-72-2479
MTB初心者のためのスクール&ガイドサービス、マウンテンバイクやその他の装備のレンタルがある。
アウトドア派でなくても楽しめる白馬の絶景スポット
山頂駅で白馬の景色を満喫できる新しいスポット「HAKUBA MOUNTAIN HARBOR(ハクバ マウンテンハーバー)」が2018年10月に誕生した。港という名前の通り、まさに山の中の港。まるで海面に突き出して作られている埠頭のように、山の絶壁から突き出して作られたテラス。
併設されたニューヨーカーに人気の老舗ベーカリー「THE CITY BAKERY」で、自慢のコーヒーとパンを味わいながら、目の前に広がる白馬三山の雄大な景色を見るのは贅沢の極みである。
HAKUBA MOUNTAIN HARBOR(ハクバ マウンテンハーバー)
https://iwatake-mountain-resort.com/
岩岳ゴンドラリフト「ノア」山麓駅から乗車時間8分、下車徒歩1分
9:00~16:00 オープン期間内は無休
(お問い合わせ)白馬観光開発株式会社 岩岳営業本部
☎ 0261-72-2474
世界中のスキーヤ―を満足させる八方尾根の北側が近年整備され、北尾根高原という新しい名所ができた。北尾根高原がある標高1,200mまでは咲花・北尾根リフト乗り場から北尾根クワッドリフトで移動。自分の足で山を登らずとも、雄大な北アルプスの絶景を自分の目に焼き付けることができる。
ただただ、頭の中を空にして絶景に浸る。足湯に足を浸しながら、ひんやりとした澄んだ山の空気を楽しむ。200種類以上の山野草を観察しながらのネイチャーフラワーパークを散策する。コンシェルジュに案内をしてもらいながら散策路をお散歩する……。山を楽しむ方法は一つではないことを実感させてくれる。
また、星のみが輝く漆黒の夜と、紺色からだんだんと薄茜色から真っ赤に染められていく朝焼けの山を楽しむ方法も新たに生まれた。グランピングである。眼福の絶景、口福の料理、耳福の無音。都会では絶対に経験できない至福の時を約束してくれる。
FIELD SUITE HAKUBA(2019年夏グランドオープン)
www.fieldsuite-hakuba.com
白馬・北尾根高原
http://www.happo-one.jp/kitaone/
長野県北安曇郡白馬村八方尾根スキー場内
☎ 0261-72-2715(八方尾根開発株式会社)
9:00〜16:00 オープン期間内は無休(4月下旬~11月上旬/6月は休業)
「北アルプスの鏡」青木湖でカヌー三昧
白馬駅から千国街道(ちくにかいどう)を南へ約10キロ。長野県内でも有数の透明度を誇る青木湖がある。千国街道とは、別名、糸魚川街道とも呼ばれ、日本海側にある糸魚川へ通じる道である。その昔、糸魚川で採れた塩が、このルートを通り、海のない長野県に運ばれたことから、塩の道とも呼ばれている。戦国の世、北条氏によって太平洋側からの塩の道を絶たれた甲斐の武田信玄に越後の上杉謙信が送ったとされる塩も、この道を通ったと伝わる。
青木湖は単体の湖ではなく、日本列島を横断する大きな割れ目「フォッサマグナ」上に連なる、木崎湖、中綱湖、青木湖という仁科三湖の一つである。三湖のうち最も北に位置する青木湖は、白馬連峰をバックに広がる周囲6,650メートル、最大水深58メートル。映像美にこだわることで有名な市川崑監督にも、「静寂と神秘性のある湖」としてその美しさを認められた、北アルプスの鏡と比喩されるほどの透明度を誇る湖である。また、「思索の青木湖」とも呼ばれ、まるで、心の中まで映し出すかのような美しく澄んだ湖面に、絵画のように美しい背景の白馬三山が映し出される光景を眺めていると、時が経つのも忘れてしまいそうだ。
そんな絵画的、文学的な青木湖そしてその周辺では、大人が童心に帰って楽しめる。カヤック、カナディアンカヌー、エアーカヌー、12人乗りのカヌー型ボートでのクルージングなどの湖水上での遊びはもちろん、川でのラフティングや熱気球、パラグライダー。湖畔を疾走するマウンテンバイクなど様々なアクティビティーがある。
白馬ライオンアドベンチャー
http://hakuba.lion-adventure.com/
長野県北安曇郡白馬村大字北城5746-3
☎ 0261-72-5061
かけ流しの温泉と手料理が白馬流おもてなし
白馬は民宿の発祥地と言われる。スキーに来た客を農家に泊めたこと、登山者をガイドが自分の家に泊めたことがきっかけで、白馬に民宿が増えていったと語るのは、しろうま荘の丸山俊郎氏。現在、白馬には500~600軒の宿泊施設があるが、そのほとんどは民宿とペンション。民宿の良さは、宿泊客ともてなし側の距離の近さ。1度宿泊して、また2度目に訪れる時の挨拶は「いらっしゃいませ」ではなく「おかえりなさい」。やはり、白馬は2回くればローカルになれる場所なのだ。
白馬には白馬八方温泉もある。あまり知られていないのは、温泉設備が整ったのが約30年前という、比較的新しい温泉地であるためかもしれない。この温泉、湯上り後の肌がツルツルになる高アルカリの温泉だ。美味しい郷土の手料理を食し、かけ流しの温泉に浸かり、ふかふかの布団でぐっすり眠り、次の日の遊びの準備を整えるのが、しろうま荘流のネバーランドの過ごし方である。
しろうま荘
http://www.shiroumaso.com/
長野県北安曇郡白馬村 八方5004
☎ 0261-72-2121
八方尾根スキー場から徒歩5分、白馬八方バスターミナルから徒歩2分
Vol.9 白馬
アウトドア派も、インドア派も。グリーンシーズンの白馬へ!
(長野県白馬村/新潟県糸魚川市 小冊子PDF)
(長野県白馬村/新潟県糸魚川市【印刷用】PDF)
※本プロジェクトは、経済産業省関東経済産業局が実施する「平成29年度地域とホテルコンシェルジュが連携した、新たなインバウンド富裕層獲得のための支援事業」と連携して、グランド ハイアット 東京 コンシェルジュ/明海大学ホスピタリティ・ツーリズム学部教授 阿部佳氏のアドバイスを得て実施しています。