Singapore [Singapore]
上質な食材を使って郷土料理に新風を
2017.10.19
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「食」が国民最大の関心事とも言われるシンガポール。郷土料理の中でも、もっとも素朴な料理の一つ「ナシレマ」に情熱を注ぐレストラン「ココナッツ・クラブ」が、注目を集めている。
ココナッツミルクで炊いたご飯、揚げた小魚やピーナッツ、キュウリの薄切り、卵、鶏肉など数種のおかずにチリペーストを添え、定食のように楽しむ料理だが、近年はランチョンミートを使うなど、食の多様化に伴い変化が見られるという。
「僕らは古き良きスタイルを大切にしたい」と語るのは、経営者の一人リー・チャン・ワイさん。「ココナッツミルクは重要な素材なのに、質や味を追求する動きがほとんどない。マレーシア各地を数カ月回ってようやく出合ったココナッツミルクは、甘くて濃厚。おかずの味を受け止めるご飯に欠かせません」。
価格はフードコートの倍近いが、約8割は料理のコスパにうるさい地元客。「良質な食材を使い、“郷土料理=安価”という固定観念を覆すことにも挑みたい」。そんな郷土料理を巡る新たな動きにも注目したい。
(『料理通信』2017年9月号/「ワールドトピックス」より)
◎ The Coconut Club
No.6 Ann Siang Hill, Singapore 069787
☎ +65-6635-2999
11:00~15:00、18:00~21:00
月曜、日曜夜休
ナシレマ 12.8 シンガポールドル
text by Eri Sasaki
JOURNAL / 世界の食トレンド
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